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聴刻堂日乗

時間の記憶について その2

人の記憶は、絶対的な時間ではなく、
物事の相対的な順序を覚えておくこと
ではないかと、前回書きました。

例えば、お爺さんが芝刈りに行ったのは
桃太郎が生まれる前のことですし、
お婆さんがきびだんごを作った後で、
サルやキジに出会うことになります。

鬼退治をした桃太郎の話全体を
覚えているうちは良いのですが、
1つ1つの出来事どうしのつながりが
切れてくると話がややこしくなります。

サルやキジと仲良く旅したことは覚えていても
何をしに行ったか忘れてしまったり、
きびだんごで仲良くなったことを忘れると
イヌやサルを懲らしめて連れて行った
なんて別の話になりかねません。

こうしたメカニズムがあれこれ考えても、
忘れてしまうことを止める方法は
糸口も判らないままなのですけれど。

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