今日の香港は熱かったです~。天気予報ではにわか雨が降ると言っていたのに、とーってもいいお天気で、暑いというより熱い1日でした。午後2時頃、スターフェリーで香港島側に渡り(下の写真はスターフェリーから)、タクシーに乗って文武廟に行こうとしたのですが、日よけのないタクシー乗り場でなかなか来ないタクシーを待っていたら、そのまま焼き豚になりそうな気分に。誰か、刷毛でたれを塗ってくれる? おいしい叉焼ができあがるよ~。(熱さで頭がヘンです)
文武廟の中もすごい熱さで、お線香の煙にいぶされ、今度はスモークハムになりつつある豚肉気分。でも、6ドルのお線香を買って、皆様の幸せはきちんとお祈りしてきましたのでご安心を。あと、9月12日にお誕生日を迎える張國榮(レスリー・チャン)の魂の平安も祈ってきました。なお、文武廟は9月15日からしばらく公開休止になるそうです。
時間をちょっと戻して、今朝は郵便局まで小包用の箱を買いに行ったのですが、その時もすでに暑くて、30分弱歩いただけなのに帰りにはついネッスルのアイスクリームを売っているお店にフラフラと。鄙びたお店なのですが、ひょいと見るとどこかの国のVCDが置いてあります。20歳ぐらいのアジア人のお姉さんがあれこれあさっていたので、「それ、フィリピン映画ですか?」と聞いたら「インドネシア映画よ」とのこと。暑さで頭がボーッとしていたこともあって、つい口がすべってしまい、「アンダ・ダリ・インドネシア? ダリ・マナ?(インドネシアから来たの? どこから?)」と聞いてしまいました。お姉さんはバンドゥンからとのことでしたが、それまで面倒くさそうにアイスクリーム代のおつりを出そうとしていた店のおじさんが、「あんた、インドネシア語ができるのか? わしはインドネシア華僑だったんだ」と俄然身を乗り出し、しばらく話がはずみました。今でもルートがあるようで、『虹の兵士たち』 (2008)の続編『夢追いかけて』(2009)など結構新しいVCDが置いてありました。
お姉さんに推薦してもらって、私も1枚買ってみました。その作品は、『マイダの家』 (2009/原題:Ruma Maida)。あとでいろいろ調べてみると香港でも上映されたようで、日本占領中のお話もまじえた、なかなか見応えのある映画のようです。おとなしそうなお姉さん、どこかのお宅のメイドさんかと思いますが、いいセンスの人でした。下は香港で上映された時のサイトからもらったポスターの画像です。
思いがけずインドネシア映画も手に入れて、あとは映画の日なので香港映画を見るのみ。実は昨日は、歩いてすぐのグランドという映画館で、『武侠』の広東語版を見たのでした。九龍駅の上には圓方というショッピング・センターがありますが、そこに入っている映画館グランドでは、スクリーンの1つか2つで必ず他では上映終了になった映画をやっているという、名画座的役割もしてくれる映画館です。3月に『譲子弾飛』を見たのもここでした。
広東語版の『武侠』は、主人公の劉金喜(ドニー・イエン)や妻(タン・ウェイ)に村の人々、そして警察官の徐百九(金城武)は広東語を話し、一方外から来た人々--強盗の2人(片方は谷垣健治さん)や劉金喜の父親(ジミー・ウォング)とその一党は北京語を話すという区別がなされていて、なるほどなー、と思いました。ただ、それなら、殺人者の父親の手先だった唐龍という青年が、それに嫌気がさして村へと流れて来、村の言葉を習得して別人の劉金喜へと姿を変えていく過程が描かれるのかというとそうでもなく、そのあたりは普通話版を作る場合邪魔になるせいか無視してあります。とまあ、脚本がちょいと荒いんですね。広東語版を見ても、父親の行動などはいまいち理解できず、再びうーむとうなったまま見終わりました。
で、今日は『盗聴風雲2』の広東語版です。一度も行ったことがない映画館に行こうと思い、尖沙チョイ(字が出せなくてすみません)のハイアット・ホテル跡に先年できたショッピング・センター、iスクエアの上にあるシネコンUA iSQUAREで見てきました。火曜日は映画の日なので、一律40ドルです。安い! 『盗聴風雲2』は宣伝にも力が入っていて、地下鉄の駅にはいろんなヴァージョンのポスターが出ていました。主演は、古天樂(ルイス・クー)、劉青雲(ラウ・チンワン)、呉彦祖(ダニエル・ウー)。ルイス・クー版のポスターがなくて、ファンの方ごめんなさい。
広東語版は、それぞれが自分の声なのでやはり2割増し面白かったです。今回は『1』とは違って、ラウ・チンワンがお金持ちの株ディーラーに扮し、「地主会」と呼ばれる実業家5人の1人として、株式相場を操作していく姿が描かれます。その5人の動静を盗聴しているのがダニエル・ウー。ラウ・チンワンが交通事故に遭ったことで盗聴器が発見され、ルイス・クー扮する警部が捜査に乗り出す、というのがストーリーです。『1』も盗聴で手に入った情報から株相場に手を出す警察官たちの話でしたが、今回も鍵は株相場。クライマックスが株の売り買い場面なのですが、悲しいかな、画面を見ていて何がどうなったのかちっともわかりません。香港の観客は、時々笑い声をもらしたりしていたんですけどねー。この映画、株式への造詣の深さがないと100%楽しめないかも知れません。私は全然ご縁がないもので....とほほ。なお、監督は『1』と同じく麦兆輝(アラン・マック)と荘文強(フェリックス・チョン)です。
あと、今日はホテル近くの市場で来年のカレンダーを手に入れました。早いですね、出るのが。売り子のおばさんが、「来年は龍の年だよ」と教えてくれ、龍の模様の表紙のを勧めてくれました。ミニのカレンダー、1冊2.5ドルです。おみやげにいっぱい買いました。写真は、大きいカレンダーいろいろです。
では、ちょっと早いですが、龍年が皆様にとっていいお年になりますように(いくら何でも、早すぎるかも~)。
インドネシア映画の報告有難うございます。香港ではインドネシア人メイドの数がフィリピン人を数年前に抜いて約13万人になったとの記事を読んだことがあったので、cinetamaさんが寄られた雑貨屋やDVDショップはきっとあると確信してました。実際、彼女たちを主人公にした映画 Minggu Pagi di Victoria Park が昨年公開されてます。出来はあんまりよくなかったですが。
「マイダの家」は友人から借りたDVDをまだ見ていなかったので、早速見てみます。フラッシュバックを多用した作品と聞いています。cinetamaさんの感想を後日教えていただければ嬉しいです。なおこの映画の脚本は、スハルト退陣後の改革時代を代表する女性作家Ayu Utamiが担当しています。処女作「サマン」は邦訳も出ており、そのフェミニストぶりやモデルのような容貌(実際バイトでモデルをしていたこともあり)も相まって何かと話題の人です。
VCDは字幕なしがほとんどですが、価格差がほとんどないDVDだとインドネシア語英語字幕つきが標準なので以下の最近の作品なども機会があれば一見をおススメします。
Lentera Merah, Get Married, Get Married 2, Fiksi, 3 Hati Dua Dunia Satu Cinta, 3 Hari untuk Selamanya, The Photograph, Laskar Pelangi(虹の兵士たち), Merantau(ザ・タイガーキッド)
来年は The Year of Dragon でしたか。最近ジャカルタの中華街周辺へ行く用事が続いているのですが、さすがにこちらではまだ来年のカレンダーは売られてなかったと思います。今度行ったら、香港ではあるのにジャカルタにはないの?って聞いてみます(笑)
香港では、インドネシア人のメイドさんの方がフィリピン人より数が多いのですか。それは知りませんでした。英語というハンディがあるのにね。私に情報を教えてくれたお姉さんは、英語も広東語もよくできるようでした。努力して憶えたんでしょうね、えらいなあ。
今日空港へ行く前に、昨日のおじさんの個人的な話をもうちょっと聞いてみようと(昨日はお姉さんも交えてのインドネシア映画の話が中心だった)思い店に寄ったのですが、判明したのはおじさんは店のご主人ではなく、たまたまその時インターネットをしに来ていた近所の人だということ。よく見ると奥にパソコンが数台あり、今日は福建省出身で香港に来て数十年というおじさんがいて、「印尼華僑の人は?」と聞いたら「帰ったよ」とのこと。この店、近所の人が交代で店番しているのかな? 今度また香港へ行った時、しつこく調査してみます。DVDやVCDの品揃えがもっといいお店も見つかるかも知れません。
http://filmindonesia.or.id/
インドネシア語で海外出稼ぎ労働者(移住労働者)のことをTKIと言います。女性の場合だとTKWと言うこともあります。ここ10年でTKIの数がうなぎ上りに増えたので、派遣された各国で人権侵害や性的虐待などが起きており、インドネシアではかなり広く関心のある問題です。香港の場合、労働者保護の法律が施行され、開放的な社会のせいか、あまり深刻な事例はここ数年報告されていないようです。香港の共働き世帯ではフィリピンのアマにかわってインドネシアのムバッ(お姉さんの意)が存在感を増しているのではないでしょうか。いずれ香港映画にムバッたちが出演する日も来るでしょう。あるいはもう出演しているかも?
VCDやDVDのお店はきっとあると思います。映画のタイトルではないですが、日曜日の朝にビクトリア公園で休日を楽しむTKIたちに聞いてみたらすぐ見つかるでしょう。