李小龍(ブルース・リー)が1973年7月20日に死亡してから、今年でちょうど40年。日本でも『燃えよドラゴン』 (1973)のデジタル・リマスター版が記念上映されたりしていますが、昨年作られたドキュメンタリー映画『アイ アム ブルース・リー』 (2012)の公開が6月22日(土)から始まっています。さらに、7月13日(土)からは、若き日のブルース・リーを描いた伝記映画『李小龍 マイブラザー』の公開も。配給会社は、インド映画『ロボット』の配給や、「ボリウッド4」の宣伝でおなじみのアンプラグド。インド映画”だけじゃない!”アンプラグド、ですね。今日はこの2本をさくっとご紹介してみようと思います。
『アイ アム ブルース・リー』 公式サイト
(2012/アメリカ/カラー/94分/原題:I AM BRUCE LEE)
監督:ピート・マコーミック
出演:リンダ・リー・キャドウェル(ブルース・リー夫人)、シャノン・リー(ブルース・リーの娘)、コービー・ブライアント、ミッキー・ローク、ダン・イノサントほか多数
字幕監修:江戸木純
配給:アンプラグド
6月22日(土)より、新宿武蔵野館、シネマート心斎橋にてモーニング・レイトショー限定公開
まず、リンダ夫人のお若いのにびっくり。彼女の語りを軸にして、娘のシャノン、ブルース・リーと共演した人々、彼を慕う人々のコメントが、ブルース・リーの映像を挟みながら続いていきます。ブルース・リーの映像は、1965年のカメラテスト映像と、1971年12月のテレビ番組「ピエール・バートン・ショー」のものが主。このドキュメンタリー自体も、アメリカのスパイクTVで放送されたものだそうですが、それにしては語る人々を撮るアングルが凝っているなど、見応えのある作品に仕上がっています。
上映中の新宿武蔵野館には、ブルース・リー関連グッズが展示してあるそうで、ファンとしてはそれを見るためだけでも足を運ぶ価値がありそう。実はわが家にも、ささやかながらブルース・リー関連グッズがありまして、彼の主演作が公開された当時のパンフやら、香港で上映された時のロビーカードやら、香港の古本屋で買ったイギリスのファン向けポスターパンフやらいろいろ眠っています。
上は、没後25年の時香港で発行された数量限定のテレホンカード(左の4枚)とネットカード(右の4枚)。限定2000組だそうで、私が持っているのはNo.1263です。豪華ケースに入っているのですが、それをスキャンしたらこんなピンボケに。
ファンの方は、紙ものからフィギュアまで、いっぱいグッズを集めてるんでしょうね。今夏香港に行った時、何かあれば買って来ようと思っています。
『李小龍 マイブラザー』 公式サイト(上に同じ)
(2010/香港/カラー/117分/原題:李小龍)
監督:葉偉民(レイモンド・イップ)、文雋(マンフレッド・ウォン)
出演:李治廷(アーリフ・リー)、梁家輝(レオン・カーファイ)、鍾麗[糸是](クリスティ・チョン)
配給:アンプラグド
7月13日(土)より新宿武蔵野館にて、7月27日(土)よりシネマート心斎橋にて全国順次公開
こちらは、ブルース・リーの誕生から、彼が香港を離れてアメリカへ渡るまでの日々を描いた「李小龍前半生伝記」。時代の再現が見事で、香港好きの方、特にレトロな香港がお好きな方は必見です。実弟のロバート・リー、実姉のフィビー・リーの目から見たブルース・リー、ということで、こういうタイトルになっています。香港版のポスターも付けておきましょう。
香港映画の歴史に興味のある方には、知ってる人が次々出てくるのも魅力。石堅(セキ・キン)に曹達華(チョウ・ダッワー)、呉楚帆(ン・チョーファン)など当時の人気スターやその奥さんが出てきて、香港の映画館ではきっと、「似てないぞ~」なんていう声が飛んだものと思われます。私がびっくりしたのは、于素秋(ユー・ソウチャウ)という女優さんが出てくるところで、現場での吹き替えシーンが登場したこと。于素秋が広東語をうまくしゃべれない、ということからそうなったのかと思われますが、当時は現場同録だったのかしら、とか、様々な疑問が渦巻きました。
ところで、ブルース・リーを演じたアーリフ・リー君ですが、1987年2月26日香港生まれの26歳。本名はアーリフ・ラフマーンといい、お父さんがマレーシア出身のイスラーム教徒なんですね。お父さんは、中国系、アラブ系、マレー系の混血だそうで、お母さんが香港人です。アーリフ君はまずポップス歌手としてデビューし、その後2010年に『歳月神偸』で映画俳優としてもデビューしました。3作目がこの『李小龍』なのですが、この頃はまだ顔が素人っぽいというか、表情が硬かった彼、昨年の作品『寒戦』ではすっかり大人の俳優に成長していて目を見張りました。『寒戦』も今秋公開予定ですので、その予習も兼ねてぜひどうぞ。
あと、ご覧になったらパンフレットも忘れずにお求め下さい。「谷垣健治が語るブルース・リー」というワハハの出色インタビューが掲載されています。え、ブルース・リーの師匠、葉問(イップ・マン)師父ですか? ええ、出てきますよ。誰が演じているかって? えー、正面はご本人で、後ろ姿は....。気になる方は、映画館でご確認下さい。アチョーーーッ!