10月31日から開催される、第33回東京国際映画祭の全上映作品が発表となりました。記者発表はいつもの六本木ヒルズ49階で行われましたが、事前申し込みや徹底したソーシャルディスタンス、感染者が万一出た場合のための対策など、見事な感染予防ぶりでした。ゲストは映画祭アンバサダーの役所広司さん、今年特集上映が行われる深田晃司監督、そして、「アジア交流ラウンジ」企画の中心となる是枝裕和監督のお三方で、結構長時間のQ&Aもあり、例年以上に充実した感じのするラインアップ発表記者会見でした。下の写真は、事務局広報からいただいたものです。左が深田監督、右が是枝監督です。
ではでは、お待ちかねのアジア映画一覧をご覧いただきましょう。昨年とは大枠となるカテゴリーが少し違っています。
第33回東京国際映画祭のアジア映画ラインアップ
TIFF公式サイト(作品紹介)
[TOKYOプレミア2020]
『オマールの父』
2020年/イスラエル/ヘブライ語/110分/原題:Abu Omar
監督:ロイ・クリスペル
出演:カイス・ナーシェフ、シャニー・ヴェルシク
©Laila Films - DaProd
『アラヤ』
2020年/中国/北京語/150分/原題:無生/英語題:Alaya
監督:シー・モン(石夢)
出演:ホウ・インジュエ、ジャン・シューシュエン、ジャオ・シャオドン
『遺灰との旅』
2020年/インド/マラーティー語/106分/原題:Karkhanisanchi Waari/英語題:Ashes on A Road Trip
監督:マンゲーシュ・ジョーシー
出演:アメーイ・ワーグ、モーハン・アーガーシェー、ギーターンジャリー・クルカルニー
©Nine Archers Picture Company, 2020
※『あるがままに』(2013)のモーハン・アーガーシェーに、『裁き』(2014)、『ガンジスに還る』(2016)、『あなたの名前を呼べたなら』(2018)のギーターンジャリー・クルカルニーと、芸達者が揃っています。どんな作品になっているのか、楽しみです。
『カム・アンド・ゴー』
2020年/日本・マレーシア/日本語、英語、北京語、韓国語、ネパール語、ベトナム語、ミャンマー語/158分/原題:Come And Go
監督:リム・カーワイ(林家威)
出演:リー・カンション(李康生)、兎丸愛美、千原せいじ
© cinemadrifters
『ファン・ガール』
2020年/フィリピン/タガログ語/100分/原題:Fan Girl
監督:アントワネット・ハダオネ
出演:チャーリー・ディソン、パウロ・アヴェリーノ
©Epicmedia Productions Inc., Project 8 corner San Joaquin Projects
『赦し』
2020年/トルコ/トルコ語/95分/原題:Af/英語題:Forgiveness
監督:ジェム・オザイ
出演:ティムル・アジャル、エミネ・メルイェム、ハカン・アルスラン
©ABC Film
『チャンケ:よそ者』
2020年/台湾/北京語・韓国語/107分/原題:醬狗/英語題:Jang-Gae: The Foreigner
監督:チャン・チーウェイ(張智瑋)
出演:ホー・イェウェン、キム・イェウン、イ・ハンナ
©2020 JOINT PICTURES CO., LTD
『恋唄1980』
2020年/中国/北京語/127分/原題:恋曲1980/英語題:Love Song 1980
監督:メイ・フォン(梅峰)
出演:ジェシー・リー/リー・シェン/マイズ
©Parallax Films
『Malu 夢路』
2020年/マレーシア、日本、フランス/北京語/112分/原題:無馬之日/英語題:Malu
監督:エドモンド・ヨウ(楊毅恆)
出演:シャーリン・シャオ、メイジューン・タン、永瀬正敏
©Kuan Pictures, Asahi Shimbun, Indie Works, Mam Film
『ノー・チョイス』
2020年/イラン/ペルシャ語/106分/原題:Majboorim/英語題:No Choice
監督:レザ・ドルミシャン
出演:ファテメ・モタメドアリア、ネガル・ジャヴァヘリアン、パルサ・ピルズファル
©Iranian Independents
『兎たちの暴走』
2020年/中国/北京語/104分/原題:兔子暴力/英語題:The Old Town Girls
監督:シェン・ユー(申瑜)
出演:ワン・チェン、リー・ゲンシー、ホァン・ジュエ
©Beijing Laurel Films Co., Ltd.
『スレート』
2020年/韓国/韓国語/99分/原題:슬레이트/英語題:Slate
監督:チョ・バルン(조바른)
出演:アン・ジヘ、イ・ミンジ、パク・テサン
©2020 CONTENTS VILLAGE and MCMC All Rights Reserved.
『ティティ』
2020年/イラン/ペルシャ語/102分/原題:TiTi
監督:アイダ・パナハンデ
出演:エルナズ・シャケルデュースト、パルサ・ピルーズファル、ホウタン・シャキバ
©2020 Evar Film Studio
[特別招待作品]
『Peninsula(英題)』
2020年/韓国/韓国語/116分/原題:반도/英語題:Peninsula
監督:ヨン・サンホ
出演:カン・ドンウォン、イ・ジョンヒョン、クォン・ヘヒョ
©2020 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & REDPETER FILMS.All Rights Reserved
『再会の奈良』
2020年/中国、日本/日本語、中国語/99分/中国語題:又見奈良/英語題:Tracing Her Shadow
監督:ポンフェイ(鵬飛)
出演:國村 隼、ウー・イェンシュー、イン・ズー
©2020 “再会の奈良” Beijing Hengye Herdsman Pictures Co., Ltd, Nara International Film Festival, X Stream Pictures (Beijing)
[ワールド・フォーカス]
『チンパンジー属』
2020年/フィリピン/タガログ語/147分/原題:Lahi, Hayop/英語題:Genus Pan
監督:ラヴ・ディアス
出演:ナンディン・ジョセフ、バート・ギンゴナ、DMs・ブーンガリン
©Lav Diaz
『第一炉香』
2020年/中国/北京語/144分/原題:第一炉香/英語題:Love After Love
監督:アン・ホイ(許鞍華)
出演:マー・スーチュン、ユー・フェイホン、エディ・ポン
©Fortissimo Films
『メコン 2030』
2020年/ラオス、カンボジア、ミャンマー、タイ、ベトナム/クメール語、ラオス語、アカ語、タイ語、ベトナム語/93分/原題:Mekong 2030
監督:ソト・クォーリーカー、アニサイ・ケオラ、サイ・ノー・カン、アノーチャ・スウィチャーゴーンポン、ファム・ゴック・ラン
『悪は存在せず』
2020年/ドイツ、チェコ、イラン/ペルシャ語/152分/原題:Sheytan vojud nadarad/英語題:There Is No Evil
監督:モハマッド・ラスロフ
出演:エーサン・ミルホセイニ、シャガイェグ・シュリアン、カヴェ・アハンガル
©Films Boutique
『荒れ地』
2020年/イラン/ペルシャ語/102分/原題:Dashte Khamoush/英語題:The Wasteland
監督:アーマド・バーラミ
出演:アリ・バゲリ、ファッロク・ネマティ、マーディエ・ナッサジュ
©Persia Film Distribution
ディスカバー亜州電影
『ムクシン』(4Kデジタル修復版)
2006年/マレーシア/マレー語/101分/原題:Mukhsin
監督:ヤスミン・アフマド
出演:モハマド・シャフィー・ナスウィプ、シャリファ・アルヤナ、シャリファ・アレヤ
『海辺の彼女たち』
2020年/日本、ベトナム/ベトナム語、日本語/88分/英語題:Along the Sea
監督:藤元明緒
出演:ホアン・フォン、フィン・トゥエ・アン、クィン・ニュー
©2020 E.x.N K.K. / ever rolling films
『トゥルーノース』
2020年/日本、インドネシア/英語/94分/原題:True North
監督:清水ハン栄治
出演:ジョエル・サットン、マイケル・ササキ、ブランディン・ステニス
©すみません
[台湾電影ルネッサンス2020]
『足を探して』
2020年/台湾/北京語、台湾語/115分/原題:腿/英語題:A Leg
監督:チャン・ヤオシェン(張耀升)
出演:グイ・ルンメイ、トニー・ヤン
©Creamfilm Production
『弱くて強い女たち』
2020年/台湾/北京語、台湾語/124分/原題:孤味/英語題:Little Big Women
監督:シュー・チェンチエ (許承傑)
出演:チェン・シューファン、ヴィヴィアン・スー、シエ・インシュエン
©2020 Each Other Films All Rights Reserved
『悪の絵』
2020年/台湾/北京語/83分/原題:惡之畫/英語題:The Painting of Evil
監督:チェン・ヨンチー(陳永錤)
出演:イーストン・ドン、ホァン・フー、エスター・リウ
©Positivity Films Ltd. & Outland Film Production
『愛で家族に~同性婚への道のり』
2020年/台湾/北京語、英語/90分/原題:同愛一家/英語題:Taiwan Equals Love
監督:ソフィア・イェン(顏卲璇)
出演:ウー・シャオチャオ(ジョヴィ)、チウ・ミンジュン(ミンディ)、ワン・ティエンミン
©Portico Media Co., Ltd.
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以上、今年のアジア映画は全27本です。すでに公式サイトの作品紹介では予告編が見られるものもありますので、ストーリーの概要等も知りたい方は公式サイト「上映作品一覧」へどうぞ。感心したのは、今年はきちんと中国語や韓国語の原題が書き加えられていること。毎年、このリストを作るのには結構時間がかかるのですが、その中には、原題が何かというのを突き止める検索時間も含まれています。今年はそれが不要で、コピペさせてもらうだけでかなり楽でした。
記者発表では、安藤裕康TIFFチェアマンと久松猛朗TIFFフェスティバル・ディレクターも登壇、Q&Aがあったのですが、上映スケジュールが10月6日(火)に発表になり、その後10月24日(土)からチケット発売も始まる予定ではあるものの、席数が100%になるのか50%なのか(館内で飲食する場合はこちら)、まだ明確ではないとのこと。どうしてもご覧になりたい作品がある方は、TIFF公式サイトをこまめにチェックしていて下さいね。
今年はフィリピン映画は2本だけなので、他の映画を観る余裕がありそうなので、あれこれチェックを始めています。気になるのは、韓国映画の「スレート」かな。写真を観ただけで、惚れてしまいます(笑)
『スレート』のアン・ジヘは、ベトナムのゴー・タイン・バンか、一昔前のタイのジージャーのニオイがしますね。
私も楽しみにしています。
ほかではグイ・ルンメイ&トニー・ヤンの『足を探して』かなあ。
昨年この張耀升監督が共同脚本を書いた『ひとつの太陽』を見逃して残念な思いをしたので、監督デビュー作はぜひ、と狙っています。
また、どこかの会場でバッタリ、できるといいですね。