アジア映画巡礼

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<Making Waves 香港映画の新しい力>で見た『サンシャイン・オブ・マイ・ライフ』と『神探大戦』

2022-11-13 | 香港映画

11月9日(水)から始まった<Making Waves 香港映画の新しい力>は、今日が最終日でした。5日間で上映された8作品は以下の通りです。人名に下線がある人は、ゲストとして来日した皆様です。

『黄昏をぶっ殺せ』2021/殺出個黄昏/監督:リッキー・コー(高子彬)
  主演:パトリック・ツェー(謝賢)/フォン・ボーボー(馮寶寶)

『リンボ』2021/智齒/監督:ソイ・チェン(鄭保瑞)
     主演:ラム・カートン(林家棟)、リウ・ヤースー(劉雅瑟)

『ワン セカンド チャンピオン』2021年/一秒拳王/監督・原作・出演:チウ・シンハン(趙善恆)
  主演:エンディ・ザーウグラクイン(周國賢)、チャーノン・サンティナトーンクン、リン・ミンチェン(林明禎)

『同じ空の下』2022年/一様的天空/監督・脚本:ダニエル・チャン(陳翊恆)、ティム・プーン(潘梓然)、エルビス・ハウ(侯楚峰)、サニー・イップ(葉正恆)
     主演:イヴァナ・ウォン(王菀之)、セッ・ソウ(石修)

『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』1987年/倩女幽魂/監督:チン・シウトン(程小東)
  主演:レスリー・チャン(張國榮)、ジョイ・ウォン(王祖賢)

『サンシャイン・オブ・マイ・ライフ』2022年/一路瞳行/監督:ジュディ・チュウ(朱鳳嫻)
    主演:カラ・ワイ(恵英紅)、カリーナ・ン(呉千語)、ヒューゴ・ン(呉岱融)

実話を元にした作品で、二人とも目が不自由な夫婦が周囲に反対されながら女児を出産、赤ん坊時代にやけどをさせてしまったことから、足に鈴を付けてその音をたよりに育児をしていきます。高校生になった娘は両親の介助のため、学校鞄にいつも鈴を付けているのですが、段々そんな生活が重荷になってきて、得意な美術分野での海外留学を考え始めます...。カラ・ワイが目を曇ったコンタクトレンズで覆って目の不自由な人になりきり、夫役のユーゴ・ンと共に素晴らしい演技を見せてくれます。当事者の様々な体験や感情をすくいあげた脚本も素晴らしく、きれいごとではない子育ての苦労を描いてずしりとした重みを持つ作品でした。

『6人の食卓』2022年/飯戲攻心/監督:サニー・チャン(陳詠燊)
    主演:ダヨ・ウォン(黄子華)、ルイス・チョン(張繼聰)、ステフィー・タン(鄧麗欣)、リン・ミンチェン(林明禎)

『神探大戦』2022年/神探大戦/監督:ワイ・カーファイ(韋家輝)
主演:ラウ・チンワン(劉青雲)、シャーリーン・チョイ(蔡卓妍)、レイモンド・ラム(林峯)

東京国際映画祭でも上映された作品ですが、以前のやはりラウ・チンワン主演作『MAD探偵 7人の容疑者』(2007)を下敷きに、「神探」と言われた主人公がその後警察をやめたものの、昔の未解決事件に拘泥してその謎を解き明かそうとする物語です。主人公が見る幻覚を映画は描いて見せた後、そんなものなどいないとして再度そのシーンを再現するなど、かなり複雑な作品になっています。アクションシーン、特にラストのドックでの戦いが半端ない規模で、口あんぐり、という感じでした。ラウ・チンワンと共にシャーリーン・チョイが妊娠後期の大きなお腹を抱えた警部役で熱演、あとは「無駄にハンサムな林峯」ことレイモンド・ラム(ファンの方ゴメンナサイ)しか顔がわからず、若い俳優たちの顔を知るためにもっと香港映画が見たいなあ、と思わせられました。

 

少々「時を戻そう」になりますが、初日にはオープニングセレモニーが行われ、人気俳優ラム・カートン(林家棟)のほか、来日した関係者が登壇しました。主催者側からいただいたオフィシャル写真を何枚か付けておきます。

上写真左から、下記の皆様方です。
 ウィンサム・アウ(香港特別行政区政府 駐東京経済貿易代表部 首席代表代行)
 ゲイリー・マック(香港特別行政区政府創意香港アシスタント・ディレクター、香港電影発展局事務局長)
 メイベル・チャン監督(香港電影発展局副主席、映画監督『宋家の三姉妹』)
 ラム・カートン(俳優、『黄昏をぶっ殺せ』共同脚本・プロデューサー)~下にオマケ写真を付けてあります。
 ティム・プーン監督(『同じ空の下』)
 サニー・イップ監督(『同じ空の下』)
 アルバート・リー(香港国際映画祭エグゼクティブ・ディレクター)

通訳は皆様お馴染みサミュエル周先生。久しぶりにお目にかかれて嬉しかったのですが、このオープニングも含めて4日間ずっと通訳をなさっていたようで、お疲れ様でございました。ラム・カートンのざっくばらんなお話も、美しい日本語に訳されて会場の皆様を魅了したことと思います。

それから、各上映ごとに、入場者に小さなプレゼントが配られました。これなんですが、何かおわかりでしょうか?

マグネット式のバッジで、今回の映画祭のトレードマークをデザインした大きな丸マグネットと、小さな丸マグネットがワンセットです。大きなマグネットは円の周囲を回すと蓋が開くようになっていて、その中に、右のフェルトをくりぬいたいろんな色を入れて楽しんで下さい、というものです。特に、このフェルトにアロマオイルとかをちょっとたらして、マスクの片隅に付けたりすると、ワンポイントのアクセントであると同時に芳香剤にもなるとのことで、よくこんな物を考えるなあ、と感心しました、昔、香港に行くといつもチェックしに行っていた湾仔の政府の建物にある香港製品のショーウインドー、日本にもかつてあったアイディア商品の店「王様のアイディア」みたいなショップを思い出しました。下写真の建物、通称「會展」にあります、って、今もあるのかしら?

今回は、何が大変だったかと言って、チケットの購入には泣かされました。日付が変わる直前にスタンバイして、0:00:00になったらそれっ!と該当日のサイトに入り、すばやく席を押さえて「確定」ボタンを押す――これを20秒ぐらいの間にやらないと、席が取れないのです。ですので、午前零時2分か3分には、もう売り切れ状態なんですね。会場のル・シネマは200席とのことで、もうちょっと大きいところでやってほしかった、あるいは1作品を2回上映するとかしてほしかった、と皆さん嘆いていらっしゃいましたが、主催者側の方針でこうなったようです。香港映画好きの懐かしいお顔に会えたりして(今日は宇田川幸洋さんや暉峻創三さんがいらしてました。それから、昔「香港電影通信」でお世話になったスグレモノ編集者のOさんが今回の宣伝担当で、20ン年ぶりの再会に大喜びしてハグしてしまいました。また、もう一人の宣伝担当Tさんも、いつも韓国映画でお世話になっている凄腕宣伝ウーマンと、人選に関してはお目が高い映画祭でした)、とても嬉しい映画祭ではあったのですが、チケット争奪戦に負けて2本しか見られなかったのはとっても残念です。来年から、何とかしていただけることを願っています。

 


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