ムンバイから香港に着きました。定宿にしている安いホテルが取れず、旺角のStanford Hotelに泊まっています。19階の部屋なんて、久しぶりです。部屋からの眺めは....ビルばっかりですねー。でも、Wifiでネットもすごくよくつながるし、やっぱり香港は快適です。
このスタンフォード・ホテルには10年ぶりぐらいに泊まったのですが、なんだかきれいになっていて、格が上がったような....。今日はお部屋にフルーツが配達されていました。地下鉄の駅までちょっとあるのが難点ですが、1分行けばもう旺角の賑やかな街並みなので、食事も映画も手軽に楽しめます。でも、買い物等もあったため、チムサーチョイのiスクエアの映画館に行ってきました。
本日見たのは、次の2本です。
『五個小孩的校長』は楊千「女華](ミリアム・ヨン)と古天樂(ルイス・クー)主演、監督は關信輝(エイドリアン・クワン)という人です。実際にあったお話が元になっており、有名小学校で教師をしていた主人公が学校のやり方に反発して辞職、ニュースで見た児童が5人しかいない元朗の田舎の小学に校長として赴任する、というストーリーです。児童は全員女子で、香港人が3人と、インド人(パキスタン人かも)姉妹2人という構成です。それ以上人数が減ると小学校は閉鎖されることに決まっており、そのうちの1人が4か月後には卒業を控えている、ということで、主人公は子供たちを教えると同時に、児童募集活動も開始します。
ありきたりの作りではあるのですが、それぞれの児童の家庭事情もうまく盛り込み、巧みにエピソードが重ねられていって、ついホロリと泣かされしまいます。子供たちが本当に名優ぞろいで、とっても可愛かったです。最後に、実際のモデルと彼女たちが並べられた映像が出てきて、そのそっくりぶりにもびっくり。インド系姉妹の両親を演じる俳優さんたちも上手で、引き込まれました。香港の俳優は、呉耀漢(リチャード・ン)、馮粹帆、劉玉翠、姜浩文ら懐かしい顔がいっぱい出演していました。
『セーラ[雛妓]』は、香港国際映画祭の「香港電影面面観」というプログラムの中の1本にも選ばれています。監督は、いつも問題作を作る邱禮濤(ハーマン・ヤウ)。主演は蔡卓妍(シャーリーン・チョイ)と任達華(サイモン・ヤム)でした。主人公は文章を書くことが好きで雑誌記者をしているのですが、そのきっかけとなったのは、義父から性的暴力を受けて家出したこと。その時偶然政府の教育関係の役人だった男と出会い、30歳以上年の離れた彼の愛人になることで、高校、大学を卒業します。彼には妻子がおり、最終的には別れますが、チェンマイで幼いタイ人娼婦に会った時、昔の自分がオーバーラップして彼女と関わることに。そんな形で、性暴力を受けた1人の女性の成長を描いていく作品です。
うーん、いつものハーマン・ヤウの冴えは見られず、一方シャーリーン・チョイはいつもの甘えた声の演技でこちらもそそられず....。いや、彼女は結構性表現演技でがんばってはいるのですが、主人公の厚みというか凄みというか、そういうものが全くと言っていいほど出ていなくて、こちらの胸に響いてくるものがありません。シャーリーンももう32歳、大人の女優になれるのはいつの日か...。でもまあ、映画祭では日程的に見られない作品を見られてよかったです。
あと、下のような映画も上映中のリストに入っているのですが、上映場所と時間が限られているため、見られるかどうかちょっと不明です。23日(月)の夕方からは香港国際映画祭になってしまうので、その前がチャンスですね。明日もまた、追求してみます。
なお、昨年秋の雨傘革命の跡はもうまったくないと言っていい香港ですが、今日バスを降りてホテルに戻るまでに、旺角の歩行者天国を黄色い折り畳み傘をさして足早に歩いて行く3人組を見かけました。今でも続いている抗議行動だったのでしょうか....。
シャーリーンは、これまでのイメージから脱皮した演技が評価されて「スペシャル・メンション」を受賞したのですが、cinetamaさんからご覧になるとまだまだでしたか。
大阪アジアンでは、他に「アバディーン」「単身男女2」「点対点」「全力スマッシュ」となかなか一般上映では見られない香港映画の秀作が見られ、ゲストも多数来られて、香港映画の底力を感じました。
実は、私もさっき「アジアン・クロッシング」をチェックしていて、大阪アジアンの受賞結果を見たところでした。
『セーラ』というタイトルで上映されていたことも認識していなくて、すみません。タイトル、直しておきますね。
私がいいと思ったのは、クラブのホステスとして潜入するシーンだけで、あそこは動きとか表情とか感心しました。
でも、それ以外は、あのしゃべり方がどうにもイヤで、英語をしゃべる時はしっかりした言い方なのに、広東語のベタベタとした言い方はどうしてなの? と反発ばっかりしていました。
大阪アジアン、香港映画以外も充実していましたね。
関西の皆さんがうらやましいです。