アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

コルカタに来ています、が...

2025-02-20 | 旅行

コルカタに来ています。調べて見たら、前回来たのは1994年と判明。どう調べたかと言うと、かつて私が毎年参加していた「インド国際映画祭(International Film Festival of India=IFFI)」は、ニューデリーでの開催以外は隔年で地方都市の持ち回りで開催され、それらは「フィルモツサウ(Filmotsav=映画の祭り)」とも呼ばれたりしていたのですが、その開催場所をこちらでチェックしてみてわかったのです。私はこの表の1982年のコルカタ開催時から参加し始め、2000年まで毎年参加していたのですが、開催時期が秋に変わり、場所もゴアになって、仕事の関係で行けなくなってしまったのでした。

コルカタには、それ以前にも1976年年末には友人とネパールに行く途中にストップオーバーし、その時に出会った臼田わか子さんとはのちに「インド通信」を一緒に発行し始めるなど、いろいろ思い出深い街でもあります。しかし、今回が31年ぶりとは、そんなに長い間来なかったことに我ながら驚いてしまいました。コルカタこそがインドの神髄、と思うインド好きの人も多く、そういう人に比べると、ムンバイ命! の私はちょっと変わり者だったのでした。でも、その後2015年に日本公開されたヒンディー語映画『女神は二度微笑む』(2012)では、コルカタを舞台にしたこの映画の字幕を担当したこともあって、コルカタ行きたいな熱はずっとうごめいていたのは確かです。上写真はこの映画にも登場した、コルカタ特有の黄色のタクシーです。

空港では、もうちょっとで「プリペイド・タクシーはこっち」という人に高い車に乗せられそうになり、「ゴールデン・パーク・ホテルまでいくらですって? え、950ルピー?! そんなバカなはずはないわ。あそこにあるのがプリペイド・タクシーのブースでしょ。行って聞いてくるからどいて!」と強引にカートを奪って逃げ、そこで聞いたら450ルピーだった、というそれ見たことか事件もありました。で、そちらの運転手さんの車に乗る時も、「黄色いタクシーに乗りたいのに!」「冷房ないよ、あれ」「いいの、私、冷房苦手なの」とか交渉したのですが、うやむやのうちに普通の白い車に乗せられて、市中への高速に入られてしまいました。ただ、今回空港で拍手パチパチだったのは、紙の地図をもらえたこと。上の政府観光局のブースでもらったのですが、国内線の所にあったコルカタ市?の観光局の人に聞いたら、「うちにはないけど、国際線の出口の方にある観光局のブースに行けばもらえますよ」と3Aだか3Bだかのゲートを教えてくれたのでした。これで、コルカタの地図が頭の中に入りますです。

来る途中で感心したのは、高速やフライオーバーの道路の壁面に、横長ダイヤ模様が延々と描かれていること。これはいわば内側ですが、下写真のように外側にも描かれているのです。日本だったらパネルを貼り合わせていく、とかでしょうが、コルカタではもちろん人力で描いてますよね?

本当にご苦労様です。このほか、柵をきれいにペイントしたり、小さな川にかけられた橋が機能美を備えた風情あるものだったりと、やっぱり芸術の街コルカタだなあ、と感心することしきりでした。

そんなるんるん気分で着いたコルカタ中心部、メトロのマイダン駅にも近いホー・チ・ミン・サラニにあるゴールデン・パーク・ホテルは、え、ここ? と思ってしまうような、ちょっとケバい外見でした。昼間の写真を撮り忘れたので、夜の写真を付けておきます。

で、フロントにアゴダのバウチャーを見せると、誠実そうな中年のフロントマンさんがこう言うではありませんか。「マダム、このホテルにはクラブが4つありまして、夜8時頃から明け方近くまで音楽がうるさく、お客様が泊まる部屋にも聞こえるんですよ。それでもかまいませんか?」えええー、またホテルのトラブルがコルカタでも!? 確かにフロントの横には、クラブの名前がずらっと並んでいます。聞いてないよ、アゴダっ!!! というわけでの、「が...」なのでした。

あとでシュロジト・ビッショス(Surojit Biswas)さんと判明するこの人は親切にも、「滞在をキャンセルして他のホテルに移ってもらってもかまいません。近くのホテルだと、○○とか△△とかがありますよ」といろいろアドバイスしてくれ、一時はこのホテルを見限ることに傾いた私ですが、言われたホテルをネットで見てみればこのホテル(1泊11,000円)よりも高いことや、25日アウトという結構長期滞在の希望日を入れると「部屋なし」と出てきてしまうので、もう八方塞がりとなってしまいました。困っている私を見てビッショスさんは、「それでは、なるべく音楽の影響の少ない部屋をご用意しますから、一晩泊まってみて下さい。それでダメだったら、明日別の所を探してくれればいいです」との提案をしてくれました。

部屋は入ってみるとなかなかいい部屋で、左手前には大きなデスクもあり、トイレやシャワー室も清潔です。うう、こんないい部屋なのに~、と思って最低限の荷物を出して夕食を食べに近所に出てみると、真ん前に庶民的なお惣菜屋さんというか、お菓子もいっぱい売っている、テーブル席と立ち食いと両方ができるお店がありました。そこに入って食べてみると、まあ~これがおいしいのってなんのって。店員さんはぶっきらぼうですが、葉っぱの容器に入ったマイルドなカレーとパラーター2枚、それにマンゴーシェイクで210ルピーという安さです。写真がピンボケですみません。

下はお菓子のショーウインドーですが、店内のお惣菜と同じ棚にはラスマライやロショゴッラ等もあり、のちほど買ってみるとケーサリー・ラスマライなんて、コーヤー(カッテージチーズ)のお団子が絶妙な味の甘さ控えめシロップに浸かっていて、すごく洗練されたミターイー(ベンガル語では何て言うんだっけ、お菓子? ミシュティでしたかね?)となっています。

こんないい店もあるというのに、ホテルを移るのか、と思って、その夜びくびくしながらベッドに入ってみると、確かに10時頃からズン、ズン、という重低音が響いてきます。でも、ほとんど気にならず、むしろ子守歌になったのか、ぐ~っすり眠ってしまいました。夜中3時頃ふと目が覚めて、あ、まだ重低音サウンドが、と思ったものの、その後の眠りもすぐ夢の中。これぐらいなら大丈夫ですよ、ビッショスさん。いい部屋を選んでくれてありがとう。

というわけで、今朝ニコニコと「予定通り25日までいます」と言いに行ったのでした。左がビッショスさん、右は若手フロントマンのオヌプ・ダシュ(Anup Das。ヒンディー語読みだとアヌープ・ダースさんですね)さんです。もう1人、若くてきれいな女性スタッフのシャヤンタニ・ラハ(Sayantani Laha。写真を撮り忘れた)さんもいて、とても夜遊びクラブで儲けているホテルとは思えない感じのよさでした。

朝食は、そういったクラブの一つ、屋上にあるボタニクというバーで採るのですが、チェンナイのレジデンシーの豪華さには負けるものの、お料理のお味もよく、ゆで卵は塩の中にこんな風にならんでいたり、「パラーターは焼きたてのものをご提供できます。お申し付け下さい」という札が置いてあったりと、行き届いたビュッフェでした。

サーブしてくれるボーイさんたちもさわやかな顔をしているので、夜中働いていた人とは別のシフトの人なのでしょう。クラブ経営をやめても、立派にホテルとしてやっていけると思うけど、オーナーのご意向なんでしょうね。まあ、8時頃こんな感じになったホテルに張り切ってやってくる男性もいたりして、夜の楽しみを提供する場として人気があるようでした。上の方の写真で、クラブ名が並んでいる手前のブースには夜になると、黒服姿のきれいなお姉さんたちが座って客の相手をしていましたし、夜は別の顔になるという、面白いホテルなのでした。

このあと、週末がやって来ますが、一挙にはじけて音も倍増、なんてことがないよう祈っています。

<追記>フロントのビッショスさんとダシュさんに、「ブログに写真を使わせてもらったわよ」とスマホでこのブログを見せていたら、ちょうどフロントの前にいたハウスキーピングのお兄さんが「僕は?」とちょっと寂しそうな顔をしたので、そばにいたハウスキーピングのマネージャーさんと一緒にパチリ。

左はソウラヴ・モンダル(Sourav Mondal)さん、マネージャーさんはシュベンドゥ・ダシュ(Subhendu Das)さんだそうで、2人ともベンガル人だとか。コルカタで働く人はベンガル人がもちろん多いのですが、ビハールやUPから来ている人も多く、ヒンディー語が皆さんしゃべれるので、いつも相手になってもらっています。ありがとうね。しかし、2泊してこのホテルの欠点も発見。①WiFiのパスワードが毎日コロコロ変わる、かつつながりにくい時がある、②洗濯物が乾きにくい(アムルタ・キャッスル・ホテルがあまりにもすぐ乾くホテルだったからよけいにそう思います。ハイダラーバードとコルカタの湿度の違いもあるのでしょう)、③「お部屋を掃除して下さい」の札をぶら下げておかないと、掃除してくれない。裏は「プライバシーを尊重してね」の札なので、それがかかってなければ掃除してくれるはず、と思った私が甘かった。インドの旅はいろいろトラブルがあって、ホント、退屈しているヒマがありません。

 


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