アジア映画巡礼

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『ダバング 大胆不敵』試写始まりました

2014-04-20 | インド映画

『ダバング 大胆不敵』の試写がいよいよ始まり、スクリーンで久しぶりにチュルブル・パンデー(サルマーン・カーン)に再会しました。日本語字幕で見直してみると、これが単なる大暴れアクション映画だけでなく、家族の再生を描いた作品でもあることを感じて、それもあったからインドで大ヒットしたのね、と思った次第です。では、まずは基本データからどうぞ。

『ダバング 大胆不敵』 公式サイト  公式FB

 2010年/インド/ヒンディー語/126分/原題:Dabangg
 監督:アビナウ・スィン・カシュヤップ
 主演:サルマーン・カーン、アルバーズ・カーン、ソーナークシー・シンハー、ソーヌー・スード、ヴィノード・カンナー、ディンプル・カパーディヤー、アヌパム・ケール、マラーイカー・アローラー・カーン(特別出演)

 提供:(株)ビオスコープ
 配給:太秦
※7月26日(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国ロードショー

物語は、北インドのウッタル・プラデーシュ州の田舎町ラールガンジを舞台に、チュルブル・パンデーの幼い時から始まります。夫を亡くしたチュルブルの母ナイニー(ディンパル・カパーディヤー)は、チュルブルを連れてプラジャーパティ・パンデー(ヴィノード・カンナー)と再婚、チュルブルの弟マカンチャンド(愛称マッキー)も生まれます。でも、父が可愛がるのはマッキーばかり。チュルブルは傷つき、反抗心の強い少年に育っていきます。そんな中、母は2人を平等に愛し、チュルブルにも何かとやさしい心遣いをしてくれるのでした。

成長したチュルブル(サルマーン・カーン)は警官となり、「ロビンフッド・パンデー」と呼ばれて悪者たちに恐れられています。銀行強盗のアジトに乗り込み、たった1人で全員をやっつけてしまう大胆不敵(ダバング)なチュルブル警部。しかも、銀行強盗が盗んだ金はすかさず自分の懐に入れ、部下の警官に分けたりする、まさにやりたい放題の男なのでした。

そんなチュルブルが一目惚れしたのは、壷作りの娘ラッジョー(ソーナークシー・シンハー)。ラッジョーはアル中の父(マヘーシュ・マーンジュレーカル)に手を焼きながらも、父の面倒を見る孝行娘でした。チュルブルがアタックしても、父親優先の彼女は相手にしてくれません。

その頃、弟マッキー(アルバーズ・カーン)も、村の教師(ティーヌー・アーナンド)の娘ニルマラー(マーヒー・ギル)と恋仲になり、反対するニルマラーの父親を何とか説得しようとしていました。ですが、マッキーはいまだに親のすねかじり。チュルブルが働いて貯めたお金を狙っていたりする、どうしようもない弟です。

チュルブルの前に、もう1人どうしようもない奴が現れます。青年政治家というと聞こえはいいですが、町の顔役のチェーディー・スィン(ソーヌー・スード)です。実はチュルブルが退治した銀行強盗の一味は、チェーディーに政治資金を貢ぐために銀行から大金を盗んだのでした。自分の計画の邪魔をされ、チュルブルに怒りを燃やすチェーディー。チェーディーとチュルブルの対立はマッキーや母も巻き込んで、ついに最後の全面対決を迎えることになります...。

ま、ストーリーはつけ足しみたいなものなのですが、トンデモ警官チュルブルの行状の描写がパワフルに続く一方で、家庭的にはチュルブルに悲劇が襲いかかります。その辺のトーンの落差が、見直してみるといいアクセントになっていて、日向から日陰へ、日陰から日向へ、という感じ。これまでアクションシーンのすごさ&熱さにばかり目が行っていたのですが、家族ドラマとしても見ることができるのを発見しました。

とはいえ、アクションシーンは撮り方も含めて本当にすごいです! 可変速再生による縦横無尽のアクションの切り取り、そしてストップモーションからのパノラマ処理(とでも言うのでしょうか、ご覧になって正しいテクニカル・タームを教えて下さい)など、目を奪われるアクション表現の数々はさすがコンピュータ大国のインドならでは。一度見るともう一度見たくなります。その合間にお茶目なチュルブルの笑いも挟んであり、まさに極上のエンターテインメント。藤井美佳さんの日本語字幕も結構やんちゃで、随所で楽しめます。早く一般試写会も始まるといいですねー。

日本版予告編がまだできていないようなので、現地版予告編をどうぞ。日本版予告編はどんなのになるんでしょうね~。なお、この『ダバング 大胆不敵』『マダム・イン・ニューヨーク』の提供元の方が、公開に到るまでのご苦労を綴ったブログ「ボリウッド映画を買ってみました」が面白いです! こちらもぜひご一読下さい。

 

 


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