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アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

『サンザシの樹の下で』思い出したこと

2011-05-12 | 中国映画

ここのところの気温乱高下と、続いた夜の外出がたたって、今風邪引きシーソーの上でフラフラしています。特に昨日濡れたのがいけなかったようで、「風邪が本格化する」の方へ100g分ぐらい重くなっている感じ。薬飲んだりうがいしたりして、必死で「風邪をなかったことにする」側に傾けようとしている最中なんですが、はてさて。

連日の夜の外出は試写会だったのですが、一昨日見せてもらった張芸謀(チャン・イーモウ)監督作品の『サンザシの樹の下で』 (2010/原題:山〔木査〕樹之恋)は、いろんな意味で楽しめた作品でした。チャン・イーモウ監督の映画としては、『三槍拍案驚奇』 (2009)に続く作品です。本当は、宣伝会社の方にお願いしてスチールをいただかないといけないんですが、体調不良のためチラシで代用。スミマセン。

 実話に基づいた原作の小説は人気作とかで、チャン・イーモウ監督の描き方も、みんながストーリーを知っているのを前提にしているフシがあります。見どころシーンを順番に見せつつ、合間に文章による状況説明が入る、という手法が取られているのです。名ストーリーテラーのチャン・イーモウ監督にしては、少々珍しいスタイルです。

物語は、プロレタリア文化大革命期にはぐくまれた男女の純愛を描いていくのですが、何よりも印象に残るのは、その反則ワザ的キャスティング。主人公の女子高生静秋(ジンチョウ)を演じる周冬雨(チョウ・ドンユイ)の可愛さ、可憐さと、その恋人スンを演じる竇驍(ショーン・ドウ)のさわやかさだけで、すでに物語が成立し、完結している、という感じなのです。特に、今どきこんな女の子が!?というチョウ・ドンユイの表情やしぐさは、もう犯罪的と言っていいぐらい。これでコロッと参らない観客がいたら、お目にかかりたいものです。

2人の魅力は、日本語公式サイトの予告編でたっぷりどうぞ。ショーン・ドウは、ちょっと中井貴一が(原田泰造も?)入ってます。公開は7月9日(土)から、東京・新宿ピカデリー、横浜ブルク13、MOVIXさいたま、大阪・なんばパークシネマ、MOVIX京都、そして神戸国際松竹で。

それで、”サンザシの樹の下で”思い出したことなんですが。

まず、劇中で、地質調査に従事しているスンがトレードマークにしているのが、ぶかっとした青いロングコート。ジンチョウとデートした時、寒そうな彼女をそのコートの胸に包みこむのですが、それって、張國榮(レスリー・チャン)が「誰令〔イ尓〕心痴」のMVで陳潔霊(エリサ・チャン)にしてやっていたしぐさじゃん! このMVの1:55ぐらいの所に出てきます(画質があまりよくなくてすみません)。レスリーの方は白いコートだからちょっと雰囲気は異なるものの、チャン・イーモウ監督、きっとアレ見てたのねー、と言いたくなるぐらいのそっくりシーンでした。

もう一つは、劇中に流れる「山〔木査〕樹」という曲。ロシア民謡に中国語の歌詞を付けて歌われ、親しまれている、というこの曲に聞き覚えがあったのです。日本版予告編では流れていませんが、中国版予告編では1:20ぐらいからバックにずっと流れています。うう、昔歌ったことがあるぞ。何ていう曲だったかな....。

私たちが大学生だった時代は歌声運動が盛んで、ロシア民謡もレパートリーにいっぱい入っていました。ロシア民謡はメロディーがきれいな曲が多く、結構気に入って原語で歌いたいと思った私は、第三外国語にロシア語を選択したほどです。この曲も当時歌った歌だったはず。えーっと歌詞は確か、「♪川面なんたら~」というのだった....と「ロシア民謡 歌詞 川面」で検索してみたら、あった、あった、ありました。「ウラルのグミの木」でした。歌詞はこちらこちらに。ロシア語版の歌はこちらで聞けます。思わず、「♪川面静かに歌流れ~」と一緒に歌ってしまいました。

ロシア民謡と言うよりは、作詞者・作曲者がはっきりしているのでロシア歌曲と言った方がいい「ウラルのグミの木」ですが、原題の「ウラリースカヤ・リャビヌーシュカ」(ウダレーニヤが違っていたらごめんなさい)の「リャビヌーシュカ」は元々は「ナナカマド」のことだそうです。日本では訳詞者が「グミ」に変え、中国ではこれが「サンザシ」になり....と変化はすれど、食べられる赤い実をつける木、というイメージは共通ですね。

さあ、気になっていた元歌も突き止めたし、今日は早く寝て明日に備えようっと。明日やっと、や~っと待望の書架が入るんです。段ボールの山とも、これでおさらばできる....はずなんだけど。 

 

 

 


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