今朝のM新聞を見ていたら、「真!韓国映画祭2011」のことが載っており、「劇場鑑賞券を15組30人に」という文字が。おお、これは、何やらトクする情報のようです。M紙(三大紙の中では一番購読者が少ない新聞です...)を購読なさっている方は、9日朝刊の「遊ナビ」をどうぞ。
「真!韓国映画祭」は昨年から始まった映画祭で、大々的に公開されるにはちょっと地味なんだけど、でもとても良質な韓国映画を紹介しようという映画祭です。本年のラインアップは次の通り。作品データはYouTubeの予告編から(『ただよう想い。』を除く)、またストーリーは主催者側からいただいたものをそのまま付けました。
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『小さな池 -1950年・ノグンリ虐殺事件-』 予告編
2010年/86分/原題 小さな池 작은 연못/英題 A Little Pond
監督 イ・サンウ
出演 ムン・ソングン、カン・シニル、キム・レハ、パク・クァンジョン
<ストーリー>1950年7月、朝鮮戦争の初期。北朝鮮軍の勢いに押された米軍は、プサンに通じる老斤里(ノグンリ)に阻止戦を設ける。この一帯に住む住民500名余りは、米軍の強制により避難する。だが米軍は避難民の中に敵軍が侵入したとの未確認情報を入手し、避難民の全てを殺害せよとの命令を下す。民間人300名余名が虐殺されたこの事件は、50年間否定され続け、1999年にその真相が明らかにされた。映画化には8年の歳月をかけて当時を再現。イ・サンウ監督の衝撃的なデビュー作となる。
『坡州 パジュ』 予告編
2009年/111分/原題 坡州 パジュ 파주/英題 Pajuあ
監督 パク・チャノク
出演 イ・ソンギュン、ソウ、シム・イヨン
<ストーリー>パジュはソウルから車で一時間にある軍事境界線の間近な街。学生運動崩れでソウルで問題を起こしたジュンシクは、パジュにある実家に帰る。失意のもとで暮らす彼は、ウンスと出会い結婚するが、彼女には妹ウンモがいた。ウンモは義兄に好意を持つが、ある日家でガス爆発が起こり、姉が死ぬ。ウンモは数年間インドで放浪し、実家に帰ると義兄が変わらずいた。義兄に再び抱く感情を、姉の死の原因が明らかになるにつれ、微妙な感情が交錯する。プサン国際映画祭NETPAC賞受賞。
『ささやきの夏』 予告編
2008年/96分/原題 夏、ささやき 여름, 속삭임/英題 Summer Whispers
監督 キム・ウンジュ
出演 イ・ヨンウン、ハ・ソクジン
<ストーリー>妻と死別し、一生頑固に生きてきたノ教授にとって、本と植木は人生の全てである。ある日、ノ教授は息子に会いにアメリカに旅立つ。自分の分身のような本は、教え子のヨンジョに、植木は町内の花屋の青年ユンスに管理を頼む。ふたりは互いの存在を知り、妙な感情が沸き起こる。ユンスには、韓国で人気上昇中のハ・ソクジンが扮する。
『キュレーター、ジョンフンさんの恋愛日記』 予告編
2010年/90分/原題 8回の感情 여덟 번의 감정/英題 The 8 Sentiments
監督 ソン・ジヘ
出演 キム・ヨンホ、ファン・イニョン、ユン・ジュヒ
<ストーリー>有名ギャラリーのキュレーターであるジョンフンは、有名画家チョン画伯の展示を準備するためプサンを訪れる。そこで知り合いのウンジュに会い、白い看護服を着て微笑む彼女にすっかり心を奪われる。長いつき合いの恋人ソニョンに別れを告げ、ウンジュとの結婚を決意する。韓国の女ホン・サンスと言われる女性監督ソン・ジヘは、気まぐれな男性の心理を独特のユーモアで表現し、観客に新鮮な衝撃と共感を与えた。演技派、キム・ヨンホが男たちの本音をつく。
『ソウルのバングラデシュ人』 予告編
2009年/107分/原題 バンドゥビ 반두비/英題 Bandhobi
監督 シン・ドンイル
出演 ペク・チニ、マブブ・アラム、イ・イルファ、パク・ヒョックォン
© キノアイジャパン
<ストーリー>十七歳の女子高生、ミンソは夏休みに英語塾に通おうとアルバイトを始める。ある日、バスの中で財布を拾い知らんふり。二十九歳のバングラデシュ出身の移住労働者、カリムは自分の財布を見つけ、女子高生を問い詰める。彼女は、彼の願いを一つ聞くことでチャラにしようと提案。カリムは、一年分の給料を払ってくれない前職場の社長のところに一緒に行ってくれと頼む。韓国のウディ・アレンと言われるシン・ドンイル監督の三作目。全州国際映画祭(2009)観客評論家賞受賞。
『ただよう想い。』 <ストーリー>19歳で、9歳年上の初恋の女性ミソンと結婚したチャニョンには7歳の娘がいる。ミュージカル俳優であるチャニョンは、公演中にタンビより求愛される。熱病のような、二度目の初恋におちたチャニョンに、妻は夫の浮気を知ってか知らないのか黙って見つめる。キム・ドンウォン監督の『海賊、ディスコ王になる』(2002年)以来の待望の二作目。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
2009年/ 90分/英題:Drifting AWAY
監督 キム・ドンウォン
出演 イ・キョン、コ・ジュニ、シン・ドンミ
すでに名古屋等では開催済みなのですが、東京では5月28日(土)から6月17日(金)まで、新宿K'sシネマにて開催されます。上記6作品以外にも、昨年の映画祭での上映作品などなど10作品ほどがプラスされていて(お、チュ・ジフンの主演作2本も!)、なかなか豪華な内容の映画祭になっています。上映作品やスケジュールは、K'sシネマのHPでどうぞ。
南アジア好きの方へのオススメは、やはり『ソウルのバングラデシュ人』。事情があってまだ後半しか見ていないのですが、少し前の日本と同じで、韓国の労働現場にもバングラデシュ人が組み込まれ、ちょっと陳腐な言葉ながら搾取されている様子がよくわかります。映画のテーマは、そういうバングラデシュ人と関わってしまったことで一歩大人になる女の子の話なのですが、ラストシーンなんかインド好きなら「わかるわ~~」になっていて、見ていて頬がゆるみます。
© キノアイジャパン
映画のタッチは、ヤン・イクチュン監督・主演の『息もできない』 (2008)を想起させるところもあり(ミンソとヨニbyキム・コッピちゃんがダブる...)、確かに『ダーリンは外国人』路線かと思った私は甘かったですだ。反省して、もういっぺんちゃんと見に行こうっと。