3月の旅行中に見た映画についてはすであれこれ書きましたが、結局どの作品が一番よかったかというと、これが何とキャセイの機内で見た『狄仁傑之通天帝國』。前の座席の背にあるちっちゃなスクリーンで見たのに、スケールの大きさは十分感じられて、とても楽しめたのです。
『狄仁傑之通天帝國』は、もうご承知の方も多いと思いますが、徐克(ツイ・ハーク)監督、劉徳華(アンディ・ラウ)主演の作品です。昨年秋に封切られたので、すでにDVDやVCD(上写真)も発売されています。ツイ・ハーク監督、久々に実力を余すところなく発揮してくれていて、拍手パチパチ作品となりました。
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時代は7世紀の唐。初の女性皇帝である武則天(劉嘉玲/カリーナ・ラウ)が巨大な仏像(観音像?)を作らせている時に、制作に従事する高官や軍人が不思議な死に方をします。現場監督の沙陀(梁家輝/レオン・カーファイ)らもわけがわからず、武則天の女性護衛官静兒(李氷氷/リー・ビンビン)や武官の裴東來(〔登+おおざと〕超/ダン・チャオ)がいろいろ調べるものの、死因はつかめません。そこで、罪人として長い間追放されていた名探偵、狄仁傑(アンディ・ラウ)が都に呼び戻され、事件の解決にあたることになりますが....。
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何よりも、アンディ・ラウがカッコいいです。最初は髪はぼうぼう、かつ髭だらけの汚い囚人姿で登場するのですが、それすらも色気があって魅力的。あとはもう、武則天や静兒が惚れるのもわかるよな~と納得の、頭脳も分別も行動力もユーモアもあるナイス・ミドル(と言うには若い!)を余裕で演じています。ホントにいい俳優ですねー。
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さらに、もう一つの見所がアクション。アクション監督は洪金寶(サモ・ハン・キンポー)ですが、特殊撮影チームがかなりがんばっていて、巨大仏像内部を使ってのアクションなどスケール感バリバリで楽しめます。リー・ビンビン(上写真)もアクションをいっぱい披露してくれますが、色素の薄い体質という設定になっている武官役ダン・チャオが、文字通り猿(ましら)のごとき大活躍。この人、第二の黄暁明(ホアン・シャオミン)になりそうな予感がします。
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謎解きもそれなりに面白く、カリーナ・ラウの女帝ぶりも貫禄があって、見どころ満載。この『狄仁傑之通天帝國』、第35回香港国際映画祭の<香港映画パノラマ2010-2011>の1本にも選ばれていたのですが、4月17日(日)に行われる第30回香港電影金像奨では12項目にノミネートされ、最多ノミネート作品となりました。ノミネートされているのは以下のカテゴリーです。
最佳電影(作品賞):陳國富(チャン・クォフー)
最佳導演(監督賞):徐克(ツイ・ハーク)
最佳女主角(主演女優賞):劉嘉玲(カリーナ・ラウ)
最佳男配角(助演男優賞):梁家輝(レオン・カーファイ)、超(ダン・チャオ)
最佳攝影(撮影賞):陳志英&陳楚強
最佳剪接(編集賞):邱志偉
最佳美術設計(美術デザイン賞):趙崇邦
最佳服裝造型設計(衣裳デザイン賞):余家安
最佳動作指導(アクション監督賞):洪金寶(サモ・ハン・キンポー)
最佳原創音樂(音楽賞):金培達(ピーター・カム)
最佳音響效果(音響効果賞)
最佳視覺效果(視覚効果賞)
さて、いくつ賞を獲得するでしょうか? ズボラな私は、もにかるさんのブログ(このページ一番下で金像奨ノミネート一覧が見られます)に結果が載るのを心待ちにしているところです。最後に予告編もどうぞ。
(※印スチール写真提供:第35回香港国際映画祭)