京阪の2021年9月ダイヤ改正、次にデータイムを追ってみる。
まず、改正前の毎時本数を見ると、淀屋橋~出町柳間が特急6、準急6、中之島~枚方市間が普通4、中之島~萱島間が普通2の計18本となっており。準急は守口市で普通接続、香里園で特急待避、樟葉、丹波橋、三条で特急接続となっていた。
改正後は淀屋橋~出町柳間が特急4、快急2、準急4、中之島~枚方市間が普通2、中之島~萱島間が普通2の計14本に、つまり、特急の1/3が快急に格下げ、準急2本と枚方市系統の普通2本が廃止となった。このことで、優等通過駅を中心に有効本数が減少した。守口市、寝屋川市~枚方公園及び、枚方市から先の特急停車駅は、大阪方面への有効本数が改正前と変わらないが、10分だった最大待ち時間が14分に拡大する。特急停車駅も、準急停車駅も、停車本数減少分は快急がフォローするが、萱島は快急が通過となるので京橋への有効本数は6本から4本となる。枚方市から大阪方面は特6準6普4の計16本だったのが、特4快2準4普2の計12本となった。快速急行の停車する香里園や寝屋川市の停車本数は10本から8本になるが、普通と準急のみが停車する萱島や枚方公園などは10本から6本に減る。
準急は枚方市、丹波橋、三条で特急に接続、準急の半数は樟葉で快急に接続、残り半数は龍谷大前深草で快急の待避を受ける。普通は守口市で準急に接続、枚方市系統は香里園で快急に接続する。京阪がデータイムに減便すると聞いた時、特急の一部を快急化するのは予想していたけど、普通まで本数を減らすとは思わなかった。
データイムの快急は2011年改正で急行に格下げとなって以来の復活となる。2008年から2011年までの快急と比較すると、中之島への乗り入れと枚方市折返しの特急がなくなった形となる。快急は、淀屋橋発14時16分を除いて3000系を充当、『PREMIUM CAR』が連結されているので、守口市~出町柳、淀屋橋~香里園といった利用ができる。京橋からだったら料金400円区間は樟葉までだが、守口市からだったら丹波橋まで400円区間となる。寝屋川市からだったら祇園使用まで400円区間だ。
淀屋橋発を見ると、特00 準04 特13 快16 準21となった。快急は特急、準急の17分のタイムラグを埋めることになる。快急は特急の数分後を追うダイヤなので、京阪間優等は13-3-14分間隔となる。改正前は10分間隔の阪急並みだったのが、改正後は15分間隔のJRの新快速に近づく。2003年以前の15分ヘッドの頃に近づいた形だが、快急はその時の急行と違って出町柳まで逃げ切るので、運転間隔が偏るものの有効本数は6本をキープする。快速急行を特急の数分後にしたのは、守口市、寝屋川市、香里園への客と枚方市から先への客を分離するためだと思われる。ただ、遠距離客需要の高い『PREMIUM CAR』は空気輸送になるのではないかと。一方、出町柳発は05快 14特 27特で9-13-8分間隔に、最大間隔は13分と淀屋橋発と変わらないが、最小間隔は8分なので偏ってはない。
準急、快急共に停車する守口市、寝屋川市、香里園及び、快急から普通に乗り換えられる光善寺、枚方公園へは12-5-13分間隔となり、枚方市から先へ行くケースよりは偏ってない。快急の後の準急は先行準急より17分開くが、守口市と寝屋川市~枚方公園利用客は快急、西三荘~萱島利用客は準急と分離されるので、比較的空いていると思われる。快急は香里園で普通に接続するものの、準急との停車駅差が萱島だけなので、光善寺、枚方公園へは準急乗り通しより1分余計にかかる。一方、寝屋川市発を見ると、16快 27準 40準の11-13-6分間隔となる。快急は先行準急との間隔が6分なので、中距離の客が快急に集中することはない。
特急の京都府内の準急接続駅は改正前と同じだが、大阪府内の準急追い抜き駅は香里園、樟葉だったのが、枚方市に変わる。このことで、枚方市での特急から準急への接続程度は5分だったのが2~3分に短縮、京橋~御殿山、牧野への所要時間も短縮されるが、平均待ち時間でチャラとなる。一方、樟葉での特急と準急への接続はなくなるので、京橋~淀まで31分かかったのが、特急乗り継ぎ、快急乗り継ぎともに36分となる。快急は龍谷大前深草で準急を追い抜くので、七条では特急から準急までの間隔が10分に対し、快急から準急までの間隔が4分と短い。ただし、快急は時間がかかるので京橋から清水五条までの所要時間は50分と特急から乗り継いだ場合と同じだ。
普通は毎時6本だったのが毎時4本に削減される。2003年改正以前の15分サイクル時は毎時8本の頃に比べると半減した形だ。でも、JRは東海道線と大阪環状線の東側以外は普通毎時4本だし、南海電鉄も普通毎時4本だからそんなに少ないとは感じない。ただ、ほぼ並行する地下鉄谷町線が毎時10本と倍以上も運転されている。地下鉄谷町線は以前は都島~大日間で毎時6本と京阪の普通と変わらない本数だったが、2017年改正で毎時8本と京阪を上回り、2020年改正の毎時10本化でさらに差がついた。
普通停車駅の2019年度の乗降客数を見ると、野江13,594 関目14,673 森小路10,035 千林8,346 滝井6,814 土居5,677で計59,139人となっている。それに対し谷町線は、野江内代10,910 関目高殿15,253 千林大宮15,927 太子橋今市12,938で計55,028人で少し少ない。ただ僅差だから、定期外客で見ると逆転することもあるだろう。京阪と谷町線が並行するのは野江~守口市間だから、大阪側は梅田は谷町線、京橋は京阪線と目的地で分かれる。google mapで、出発点を滝井と太子橋今市の間付近とし、目的地を南森町となにわ橋の大阪天満宮辺りでドラッグさせると、京阪経由と谷町線経由が変化する。
普通は守口市で準急と快急(萱島発着のみ)、香里園で快急に接続する。京橋から門真市方面へ行く場合、快急に乗っても、5分後の準急に乗っても、接続するのは同じ普通萱島行だ。逆に萱島発普通が門真市方面から京橋へ向かう場合、準急と先に接続して、6分後の快急の接続も受けて発車する。枚方市発普通は準急が発車した後も、3分停車して間隔調整を行う。快急が守口市に停車するようになったため、野江、森小路から京都方面への利便性が向上した。といっても枚方市での準急から特急への乗り換えがなくなっただけで、所要時間が短縮されたわけではない。
普通列車の毎時4本の時間帯は限られており、京橋発で平日11時31分から15時00分、土休日12時00分から17時00分、萱島発で平日10時38分から13時35分、土休日11時07分から22時17分となっている。普通列車が毎時6本となる土休日11時台などは快急が守口市で普通に接続する。
野江駅から、おおさか東線に乗り換えると、新大阪や新幹線に乗り換えて東京、名古屋、博多方面へ行くことができる。その場合、野江での接続時間は5分と良く、守口市から新大阪まで25分と、準急から淀屋橋で御堂筋線に乗り換えるケースに比べて変わらない。そのうえ、御堂筋線経由の500円に比べて390円と安い。但し、守口市近辺だと大阪駅前行のバスに乗って、赤川一丁目バス停で降りて、城北公園通からおおおさか東線に乗るという手もある。
交野線の10分ヘッドだったのが、枚方市発で07、24、37、54と偏ることに、淀屋橋発特急からの接続時間を3分にキープさせたためだ。出町柳発特急からの接続時間は3分だったのが8分に拡大する。一方、交野線の枚方市着は10、26、40、56となり、特急への接続時間は改正前4分だったのが、淀屋橋方面3分か6分、出町柳方面3分(快)か8分とバラける。
宇治線も10分ヘッドだったのが、中書島発で09、23、39、53とし、淀屋橋発特急からの接続時間を3分キープとする。出町柳方面からは5分接続だったのが、快速急行から2分、特急から9分の接続となる。中書島着は12、26、42、56となり、淀屋橋方面は特急に1分接続だったのが、特急に1分か4分の接続に変更、出町柳方面は特急に3分接続だったのが、快急3分、特急8分接続に拡大する。
特急については1分の所要時間短縮を図る。ただし、すべてではなく、平日の京橋から祇園四条間、土休日の淀屋橋から出町柳間、祇園四条→京橋での時間短縮となっている。平日の場合、淀屋橋~出町柳間での時間が短縮されてないのは『プレミアムカー』対応で、乗降に余裕を持たせたのだろうか。改正前の準急の待避時間を見ると、最短の香里園でも3分となっているから、10分サイクルが15分サイクルになったことでの時間短縮という可能性は薄い。停車時間を見直すことによる時間短縮なのだろう。
平日の快特『洛楽』は京橋から祇園四条間の所要時間を1分、淀屋橋行きの出町柳から淀屋橋までの所要時間を2分短縮して、両方向での最速列車を土休日と同じ48分に揃える。停車駅見直しというより、減便による時間短縮だと思われる。
石山坂本線では、比叡山坂本発着列車の半数を近江神宮前発着に短縮変更させる。このことで近江神宮前から比叡山坂本間は20分間隔での運転となる。休みの日は比叡山の観光客需要があると思うのだけど、利用者が減少しているのだろうか。穴太駅から歩いて5分のところにはJR唐崎駅がある。こちらも毎時3本だが、新快速通過時間帯は30分以上開く。ただ、それを避ければ、運転間隔は石山坂本線より短い。また、運用の兼ね合いか、近江神宮前発14時44分の石山寺行の運転を取りやめる。