しーさるの鉄日記

JR北海道、経営再生に伴う廃止と運賃値上げ


JR北海道は、国交省や道などと協議を行い、以下5線区について国の支援を求めない方針を明らかにした。

●札沼線(北海道医療大学~新十津川) ●根室本線(富良野~新得)
●留萌本線(深川~留萌) ●日高本線(鵡川~様似) ●石勝線(新夕張~夕張)

宗谷線や石北線など8線区については、2030年度まで財政支援を求めた。

また、時期は未定だが1996年以来の運賃値上げを計画、利用客の少ない無人駅については引き続き廃止を進める。

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JR北海道の路線廃止問題で大きな動きがあった。5線区について財政の支援を打ち切るということだ。つまり国以外から支援がなければ廃止するということになる。5線区のうち、夕張支線については来年の3月末をもっての廃止が確定している。それ以外の4線区については2020年度を目途、つまりあと数年で廃止となる。4線区のうち、日高本線と根室本線の一部は台風などで被災してバス代行になっているので、廃止となって線路からバスになるのは、根室本線の富良野と東鹿越の間くらいだ。

日高本線は、2015年の災害がある以前から、輸送密度186、営業係数1476という数字を叩きだしていた。この数値は、今回廃止になる留萌線より少し良い程度なので、災害関係なく廃止対象になっていたかもしれない。日高本線が廃止になったら、現行のJR代行バスが道南バスに移管されるだろうから、既存バス路線との連携をしっかりとしてほしいところだ。

根室本線については、利用客が少ない上に、東鹿越~新得を復旧するには10億以上かかるとのこと。只見線は80億かけて復旧させたけど、こちらの方の復旧は厳しいということなのだろう。以前は、帯広と富良野、旭川を結ぶ都市間需要に応えて、『ホリデーおびひろ』『ホリデーあさひかわ』が設定されていたけど、10年以上前に廃止されてしまった。旭川・富良野と帯広間の需要は『ノースライナー』3往復で間に合うということなんだろう。『ノースライナー』は、富良野と新得の間を1時間35分で結び、途中停まるのは幾寅物産センターと山部のみ、代行バスは富良野と新得の間で1時間48分という快速便が設定されるようになったが、それ以外は、幾寅から新得まで1時間と『ノースライナー』より20分かかっている状況だ。根室本線廃止後の代行バスは、金山湖沿いを走るので『ノースライナー』の距離差は4キロ程度、余裕を見て富良野~新得まで2時間20分ぐらいになるのだろうな。

札沼線は1日1往復になった時点で廃止をちらつかせている状況、今年2月には石狩当別~石狩月形~浦臼、浦臼~奈井江間にバスを新設することをJRは提示しているし。滝川から新十津川までバスが設定されているのにも関わらず、よくここまで維持したという印象を受けている。沿線4町については、先月18日に新十津川町が月形町に続いて廃止を容認、浦臼町、当別町の容認を待つだけとなった。浦臼町の中心だったら、石狩川を越えて奈井江に出れるけど、6往復設定されているから諦めきれないという感じなのだろうな。同じく廃止になる留萌本線は8.5往復あるけど。

留萌本線は、来年度に『深川留萌自動車道』が延伸することがとどめを刺した印象を受けた。留萌~増毛間が廃止されてから、たった4年での廃止ということになる。4年ずれたのは、増毛まで廃止が決まった時点で、留萌市が残った区間の廃止の意向を示さなかったからだろう。旭川~深川~留萌間と深川~石狩沼田間を結ぶバスが並行しており、いずれも本数は列車より多めで所要時間は10分余計にかかるくらい。代行バスを設定するなら深川~石狩沼田間のバスの一部を留萌に伸ばすくらいの方がいいかもしれない。
なお、先月18日から石狩沼田、秩父別から定期客限定のバスを試行運転させている。これは廃線後の試行運転というより、深川着749の留萌線だと741の岩見沢行に接続できないから、それに接続させるための試行運転だ。749着を繰り上げるとなると、送り込みの深川発544の留萌行も繰り上げることになり、旭川発朝一番の特急から乗り換えられなくなる。代行バスだとその辺の融通は利きそうだけど、冬期は遅延するからな。ちなみに、札沼線廃止区間の代替となった滝川~石狩沼田間はJR北海道バスから北海道中央バスに引き継がれた後、碧水~石狩沼田間に縮小、10年前に沼田町営バスに引き継がれたものの、去年廃止になった。今回廃止になる区間の代替バス網は今後どうなっていくのだろうか。

値上げについては計画しているだけで詳細は不明、札幌都市圏とローカル線のどっちで上げ幅を大きくするかもわからないし。新札幌までの距離と運賃は、JRが札幌から10.9K、260円で、地下鉄が大通から11.6K、320円、JRが1割値上げしても地下鉄よりまだ安いといったところか。初乗りはさらに安いし。長距離については値上げした分、ネット割を充実させればいいのだけどね。利用客の多い南千歳~新千歳空港での特定運賃を上げて、あの辺で計画されている新線の工事費用に充てるというのもあり得そうだ。

無人駅廃止については、1日の乗客3人以下を基準に検討、廃止することで年間維持管理費が1駅辺り100~200万浮くことになる。加速が減る分、消費する燃料代も削減できるし。石北本線では4駅、宗谷本線に至っては29駅も対象に、それらが廃止となると、名寄以北での特急通過駅は智恵文、初野、兜沼、勇知だけになる。将来的には普通を廃止して石勝線のような扱いになるのではないかと。沿線自治体が、幌延町のような特急料金10円の町民乗車票を発行するということもあるかもしれない。


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