名鉄では2021年において、5月22日と10月30日の、2回ダイヤ改正を行なった。まず、瀬戸線から見てみる。
5月改正では、栄町発で10時55分発から15時25分発までの毎時2本運転されていた急行の運転を取りやめた。それに伴い、毎時2本あった尾張旭発着の普通を尾張瀬戸へ延長変更させている。10月改正では10時40分発から15時10分発までの準急を普通に格下げしている。つまり、データイムの瀬戸線の毎時本数は、急2 準2 普2 旭2だったのが、5月改正で準2 普4に、10月改正で普6といった具合になる。
停車本数は、5月改正で栄町~尾張旭間の急行停車駅が毎時2本減、10月改正で準急通過駅が毎時2本増となっている。また、最大15分待ちが10分毎となり、普通のみ停車する駅ですらゆとりーとライン並みに利用しやすくなった。中京圏の他路線は勿論、首都圏と阪神、阪急、近鉄、西鉄以外の優等通過駅は15分以上の間隔が当たり前だから、優等なしの10分間隔というのは珍しい。
わずか5か月の間のダイヤ改正、5月改正で急行を間引いたが、利用の多い急行停車駅を含めて15分待ちが発生、それを全て普通にしたことで最大10分待ちに短縮、準急から普通への格下げで所要時間が延びるのは、最大待ち時間の5分短縮で一部フォローする形なのだろう。
尾張瀬戸までの所要時間を見ると、栄町からは急30分、準32分、普37分、大曽根からは急24分、準26分、普29分となっている。普通になることでの所要時間増は栄町からだと急行減便で7分、準急格下げで5分、大曽根からだと急行減便で5分、準急格下げで3分となっている。
大曽根から(瀬戸市)新瀬戸へ行く場合、JRと愛環の乗り継ぎだと520円と名鉄の410円より高い。所要時間は名鉄だと25分に対して、最短23分だが、それは高蔵寺で3分接続となる場合で、30分以上かかるケースがほとんどだ。愛知環状鉄道は16分毎でわかりにくいから、普通だけで時間がかかっても勝ち目はある。金山から(瀬戸市)新瀬戸へ行く場合も、JRと愛環の乗り継ぎが700円と、JRと名鉄の乗り継ぎの610円で高くなる。所要時間も、大曽根での乗り継ぎがよほど悪くない限り、変わらないのだから、全て普通にしても最大待ち時間を短縮させたのは良かったのではないかと。ちなみに栄まで名城線だと時間がかかり、670円と高くなるが、栄から確実に座れるというメリットはある。
栄町~大曽根までは地下鉄と競合する。瀬戸線が8分230円に対し、地下鉄が14分240円と所要時間的に勝ち目があるが、地下鉄は5分毎と瀬戸線の倍だ。そういう面でも、最大15分間隔をなくしたのは良かったかもしれない。
2022年3月に喜多山駅の上り線が高架になり、2面4線の待避可能な構造になった。ただ、ここ最近の改正で、優等が減っている。準急は喜多山手前の小幡から先は各駅停車となるので、待避を行うとしたら、急行となるが、運転時間帯は朝夕に限られる。それでも、急行が普通を追い抜くようになれば、通過駅でもそんなに運転間隔が広がらないことになる。
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