玄関扉を開けると小雪がちらついていた。珍しいな、とは思ったよ。すぐ上がってしまうのだろうと。ちょっと残念に思う気持ちもあった。だけど自転車通勤の10分の間、ずっとこの調子でちらついていたから、さっきの気持ちは立ち消えた。
雪の中を自転車で走るのは、どうやら心理的に大きな負担となることがわかった。まずどちらに向かっても向かい風だ。いやそんなことはない。明らかに追い風成分が勝る瞬間もあったんだけど、行程の大半が向かい風に感じていた。しかし感じていただけだった。アメダス通報を見ると、その時間はもとより今日は一日を通じて北西寄りの風だったようで、それは大きな天気図を見てもわかる。南東方向の職場に向かう間、ほぼ追い風を受けていたはずではないか。
自分に向かって飛んでくる雪の中を走っていたとき、地面の落ち葉がゆっくりと前方に転がっていることに気がついた。それで、自分が風より早く走っているに過ぎないことを理解した。雪のために視覚情報にだまされていたのだ。気がつくまでの間はずっと向かい風の中を走っているものと信じ込んでいたし、それに久しぶりに足先がしびれるほどに寒い。まあ無駄に疲れていたね。自分から疲れにいっていたね。
疲れにくい方法として、疲れていないふりをするのは効果的とわかる。一時的にならば自分をだますのはいい手よね。
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