Multicenter Study of Risk-Adapted Therapy With Dose-Adjusted EPOCH-R in Adults With Untreated Burkitt Lymphoma
J Clin Oncol. 2020 Aug 1;38(22):2519-2529. doi: 10.1200/JCO.20.00303.
PMID: 32453640 PMCID: PMC7392744 (available on 2021-08-01)
目的
バーキットリンパ腫はアグレッシブB細胞リンパ腫であり、小児の白血病レジメンに由来した用量強化化学療法により治癒し得る。治療には急性毒性と晩期後遺症がある。著者らは、用量調整EPOCH-R (DA-EPOCH-R)により成人のバーキットリンパ腫治療において用量を高度に強化した化学療法が不要になる可能性があると仮説した。
方法
著者らは未治療のバーキットリンパ腫成人患者を対象とした、DA-EPOCH-Rの多施設共同・リスク調整試験を実施した。低リスク患者はCNS予防なしで化学療法を3サイクル受け、高リスク患者はCNS予防のための髄腔内投与を併用した6サイクルの化学療法を受けた。主要評価項目は無イベント生存で、副次評価項目は毒性と、EFSと全生存(OS)の予測因子とした。
結果
2010年から2017年までの間に、22施設の113人が参加した。このうち98人(87%)が高リスクに該当した。年齢の中央値は49歳(range 18〜86)で、62%が40歳以上だった。骨髄またはCSF浸潤がみられたのは29人(26%)で、28人(25%)はHIV陽性だった。
観察期間の中央値は58.7ヶ月で、EFSとOSはそれぞれ84.5%と87.0%、そしてリスク別では低リスク群のEFSは100%、高リスク群のEFSは82.1%だった。治療はいずれの年齢群においても同様に有効であり、HIV感染の有無やIPIのrisk群間でみても同様に有効だった。
CSF浸潤が急性毒性関連死亡または治療失敗の最大のリスクであった。治療中の治療関連死亡が5件(4%)みられた。発熱性好中球減少症がサイクルの16%でみられ、腫瘍崩壊症候群は稀だった。
結論
リスクで調整したDA-EPOCH-Rは成人のバーキットリンパ腫患者に対して年齢、HIV感染状況に関わらず有効であり、忍容性も良好だった。CSF浸潤のある成人に対する治療戦略の改良が必要である。
funded by the National Cancer Institute; ClinicalTrials.gov identifier: NCT01092182