Anti-CD30 CAR-T Cell Therapy in Relapsed and Refractory Hodgkin Lymphoma
J Clin Oncol. 2020 Jul 23;JCO2001342. doi: 10.1200/JCO.20.01342.
PMID: 32701411
目的
B細胞リンパ腫に対するキメラ化抗原受容体(CAR)T細胞療法が有効であることが示されてきた。著者らは、CD30に特異的なCAR T細胞(CD30.CAR-Ts)を用いた同じアプローチがホジキンリンパ腫(HL)の治療にどのように使えるかを示す。
方法
著者らは、2つの独立した施設において2つの第1/2相試験を並行して実施した(ClinicalTrials.gov: NCT02690545、NCT02917083)。再発または治療抵抗性のHL患者を対象に、ベンダムスチン単剤、ベンダムスチン+フルダラビン、またはシクロフォスファミド+フルダラビンでリンパ球を除去した後、CD30.CAR-Tsを投与した。主要評価項目は安全性とした。
結果
41人がCD30.CAR-Tsを投与された。治療を受けた患者の前治療歴(中央値)は7 (lines)(range, 2-23)だった(ブレンツキシマブ・ベドチン、チェックポイント阻害薬、自家幹細胞移植、同種間細胞移植を含む)。
grade 3以上の毒性で最も頻度が高かったものは血液学的有害事象だった。サイトカイン放出症候群は10人でみられ、全てgrade 1だった。神経毒性はみられなかった。
活動性の病変がありフルダラビンベースのリンパ球除去を受けた患者32人における全奏効率は72%で、19人(59%)は完全奏効だった。フォローアップ期間の中央値は533日で、評価可能な患者の1年無増悪生存率と1年生存率はそれぞれ36%(95% CI, 21%〜51%)と94%(79%〜99%)だった。体内でのCAR-T細胞の拡大は細胞の用量に依存していた。
結論
濃厚な前治療歴のある再発・治療抵抗性HL患者にフルダラビンベースのリンパ球除去を行った後CD30.CAR-Tsを投与すると、持続的な奏効率が高く、安全性プロファイルは優れていた。これはCAR-T細胞療法を標準的なB細胞リンパ腫以外に拡大することの実現可能性を強調するものである。