バンドを始めた頃に夢中で覚えた英語の歌詞
高校生の頃でしたか 1965,6年って頃
まあ、はっきりと申しまして その頃の良い曲ってのは
歌詞が覚え易くかつ短いのが条件でして
普通のリスナーと違って演奏し歌うという立場になりますと
どんなにメロディが気に入った曲であっても
歌詞が長ければ良くない曲になる訳です
多分当時のバンドのシンガー達の曲の優劣基準として
歌詞の長い短いは絶対にあったと思いますな
そして理解し易い言葉や文節
反対に此れ無理 覚えられる訳ないじゃんといった奴が
例えばストーンズの19回目の神経衰弱とか
一人ぼっちの世界なんてのがそれに当たる訳です
歪んだ判断でしたな 実に
そういった意味ではこの曲なんかはアマチュアの駆け出しが歌うのに
丁度良い寸法だった訳でして
これがその頃に覚えたビートルズの一曲
Misery (Remastered 2009)
勿論単語や歌詞の内容の全てを理解してた訳では無いのですが
耳から入ってくるメロディと歌詞を暗記して歌っておりました
しかし中にはどうしても意味は理解出来ないけど
一応耳に入って来て覚えたまま歌っていた単語もありまして
それが彼らの歌の中に良く出てくる単語 Drag です
意味が解らず辞書を引いたら
引っぱる、女装男装する、煙を吸う?
それでも意味が解らず外人の英語教師に尋ねたら
それはスラングで「やってらんね~」とか
「かったり~」とかの意味だと教えて貰いました
なんか、学校じゃ教えて貰えない英単語
多分ビートルズ仲間内での常套句だったんでしょうな
事ある毎に曲中でよく使われておりましたもの
見た目はストーンズやゼムと比べて優等生然としてましたけど
こいつら実は不良なんだなと ある意味カッコいいと思いましたね
It's gonna be a drag~♪in Misery
大体その頃の歌の内容は悲しいとか嬉しいとか
I love youとか
感情や状況が解り易い歌が多かったので
それに比べて
なんか微妙で妙に新鮮な感じも致しました
で、やがてそんな楽曲の良し悪し判断も
自分たちで曲を作る様になったり
コピーして仕事で演奏しなくてはならない時期も過ぎた頃
別にもう歌詞が長かろうが短かろうが関係無くなった訳で
それから曲の聴き方も変わったような気もします
つまり19回目の神経衰弱とか
一人ぼっちの世界なんてのも良い曲になった訳です
という事で
そんなdragという単語
何年か経った時に久しぶりに耳に致しました
そう、あれは12月のNYでジョンレノンが亡くなった日
その時ポールマッカトニーがインタヴューに答えて言った言葉が 「It's a drag!」
その言葉に不謹慎だとの声も周囲で出ておりましたが
なんかポールが使った仲間内の常套句
聞いていた自分も「やってらんね~よ!」と
悲しいとかを通り越して 世界中の誰よりも
その気持ちが理解できたような気になったのを覚えています
最初の頃に覚えた単語 いつまでも忘れないもんですね
It's gonna be a drag~♪in Misery