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鼓曲萬来

チャー坊とドンゴロス


前の記事で10円コンサートの話が出たので思い出したんですが
フィンガースの成毛さんがウッドストックに蝕発されて
当時の芸能界の柵に捉われず
数々の妨害にもあいながら
ミュージシャン主体で開催した
「日比谷野外音楽堂10円コンサート」

これがあっての今の「日本のROCK」だとも思うんですわ

まあ、そのコンサート私も見に行ったんですが
凄い行動力だったとも思うし
当然採算無しの持ち出し全かぶり
今思うと頭が下がる思いでございます

で、その10円コンサート
盛り上がってさあ次回もという時に
成毛さんのリクエストという事で
山口富士夫と演奏したいという話になったんですな

その後の日比谷でそれが実現し
それが10円であったかどうか定かでありませんが
成毛滋 角田ヒロ 山口富士夫というラインアップで
壮絶な演奏が展開された訳です

で、今日の話は その演奏の事で無く
その時ステージで演奏に合わせて
ステージの中央で不思議な踊りを踊っていた
麻袋を着た
髪の毛が腰まで垂れ下がった男の事なんです

その男、名前をチャー坊と申しまして
チャーミングボーイからそう呼ばれたそうで
当時もう富士夫は この男とバンドをやると決めていたようで
私も縁があったんでしょうな
何故かそのステージを見ておりまして
それから何ヶ月後かに彼等と一緒に演奏する事になっていく訳です

当時チャー坊は サンフランシスコから帰って来たばかりで
一張羅の麻袋に穴をあけた奴を
どこにいくにもそれを着ておりました

もうどこに行くのもそれw

麻袋(あさぶくろ、gunny sack、gunny bag)は、
ジュート(Jute)などの麻の繊維を編んで作る袋。
俗に、ドンゴロス(dungaree,ダンガリー)、南京袋(ナンキンぶくろ)とも呼ばれる。
あの有名なジョニーBグッドの歌詞に出てくるガニーサックって奴です



まあそれは それは 異様な風体で
眉毛をそった、腰までの長髪の男が
麻袋から両腕を出している
町を歩けば誰もが振り返るそんな感じでございました

で、そのチャー坊と京都のフリーゲートというコミューンで
バンドの練習をしていた時の事なんですが

ある晩ニヤニヤしながら
その成毛さんとのステージの練習の時の話をしてくれた事がありました
練習という事で成毛さんの邸宅に
富士夫がチャー坊と連れ立って赴いた時の事

でそのときの練習の休み時間
チャー坊が言うに

「あのな、角田っておるやん
あいつ、成毛んちで練習してた時に
俺、相撲で負けた事が無いいうんや

だから、なら、わいとやるかゆうて
わい、あいつと相撲とった事があるんや」.......

まあ、その結果チャー坊の話ですから
ここでは 触れませんが
角田ヒロさんもあの身体ですけどね

しかし、得意げに私に話すぐらいですから
どちらが勝ったかという結果は 
チャー坊の話ですから明白です

送り盆も過ぎて
当時のメンバーもおとなしく戻って行ったと思いますけれど
夏になると懐かしく思い出す京都の日々

ドンゴロスをかぶって
当時の東京を彷徨っていた
あの奇妙な仕草を忘れられずに
暑い夏になると
いつも思い出すんですわ

村八分の楽器車は チャー坊のお兄さんの街宣車
ギターの水谷君の仲間は 
よど号乗っ取って北朝鮮に行った連中
そしてあの山口富士夫.....
右も左も一緒になって音を出した

だから本来、共闘も共存も出来る
そんな思いも持たしてくれた夏

「これはあかん!、右も左もやりなおしや!」
チャー坊が叫んだ夏は
今の夏より
もっと熱かった気も致します。

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