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鼓曲萬来

DIXIE CHICKEN

まあ、何度も話してる話なんだけどね
まあ、聞いて下さい

そう あれは2004年のJULY4th
アメリカ独立記念日前日の深夜 
俺たちはテネシー州メンフィスのアムトラックステーションに到着したんですわ
こんな歌を思い出しながらね

Dixie Chicken 

Dixie Chicken 歌詞

眩いばかりのメンフィス
そしてコモドーアホテル
その街頭の下で彼女に出会ったって訳さ

すると彼女は川べりに俺を連れて行き
魔法をかけて来たよ
それは南部の月明かりの下
凄え上手に そう こんな調子で歌ってくれた

もしあなたが私のディキシー・チキンになってくれたら
私はあなたのテネシー・ラムになるわ
そして二人で一緒に暮らすのよ
この南部で
このディキシーランドでね

俺たちは街中の酒場を飲み歩いて
いつのまにか持ち金はワインみたいに溶けていっちまった
だけど安物のサザンウイスキーで
多分俺の意識は朦朧としてたんだな

教会の鐘の音も
金をどこに置いたのかも思い出せない位さ
白い塀か柵の上だったかな
それとも街外れの家に続くボードウォークだったか

でも今でも覚えているのは 聞いてくれ
彼女がいつも繰り返し上手に歌ってくれたあの歌と
一緒に過ごした夜 俺の名前を呼んでくれたって事さ

もしあなたが私のディキシー・チキンになってくれたら
私はあなたのテネシー・ラムになるわ
そして二人で一緒に暮らすのよ
この南部で
このディキシーランドでね

ところがいつの間にか彼女は俺の目の前からいなくなって
それから1年がたっちまった
あのギター野朗とはまだやってるのかな
あの娘は奴と一緒に歌うのが好きで
それに又上手に演奏するんだわ

でさ、或る晩コモドーアホテルのロビーで
バーテンダーに会ったんだ 彼女をよく知っているというね
奴は俺にビヤ樽から酒を注ぎながら
ある歌をハミングし始めたんだ
すると、なんとそのバーのフロアにいる野朗達全員が
それに合わせて一緒に歌いだしたんだ 

もしあなたが私のディキシー・チキンになってくれたら
私はあなたのテネシー・ラムになるわ
そして二人で一緒に暮らすのよ
この南部で
このディキシーランドでね

Dixie Chicken Part2

オーライオーライ!ディキシー・チキン 
良くある話 良い歌だ

で話は戻るけど
着いたばかりのメンフィスアムトラックステーション
周りを見回してビックリしたぜ
見渡す限りの野原で駅以外何も見当たらないんだわ
しかも楽器持ちの真夜中に

とりあえずタクシー何台か呼んでホテルへと向かったって訳さ
ニューオリンズからの移動で疲れてたんだろうな
その晩はぐっすり寝ちまったよ

翌朝は世界大戦が始まったかと思うような
何発もの花火がメンフィスの抜けるような青空に打ちあがってたね

で朝食とってハウリンウルフみたいなフロントマンに聞いたのさ
どこかお勧めのスポットはあるかい?って
すると薦めて来たのはテュぺロのグレースランド観光w
プレスリーの邸宅観光だよ

いや、そいつはいらんわ
それよりSTAXのスタジオに行きたいんだがって聞いたら
凄い勢いで止めに来る訳さ
川の向こう側にそいつはあるけどお前らが歩けるような処じゃないぜ
行ってもいいけど命の保証は出来ないってね

そんで仕方なく昼間は街をぶらぶらしたって訳さ
で、ショッピングモールがあるくらいでまじ何にも無いのさ
本当にロックンロールとブルースの聖地なんて言われてるけどさ
それはハッキリ言うとこういう事なんだ
「音楽以外にやる事が無い所」

おまけにモール歩いてたら
がたいの良い白人のポリが俺を呼び止めて近寄って来た
俺はなんかやばい事したかなって思ってたら
急に奴は俺のベースボールキャップに手を伸ばしてきたんだ

そして俺はキャップのつばを後ろ向きにしてたんだが
奴はいきなり俺の帽子のつばを前に被り直させたんだ
そして一言言ったね
「Be a Good Boy!」

俺たちは夕暮れを待って繰り出したんだ
どこかって?この街一番の夜だけの歓楽街さ
ビールストリート!
昼間どこに隠れてたのかと思う位
この街に来て沢山の人を見たよ

とりあえず通りの入り口付近にあったライブハウスに入ったんだ
店の名前は「BB KING BLUES HOUSE」
生憎その日にBB KINGの出演はなかったけど
開演を飲みながら演奏を待ったって話さ

オープニングはよく解らんけど
白いタンクトップの下着に半ズボン 五人位の裸足の黒人のガキ達だ
とりあえず何するのかなと思ってたら
ただ宙返りを繰り返してチップを手に持った籠で客にせびりに来る訳さ

ただのここら辺の悪ガキ達だよ
到底プロのアクトとは思えねえもの
チップかき集めていなくなっちまった
よくこの店もこんな商売許してるなwそう思ったわ

それから何事も無かったように本番が始まって 
おばちゃんのシンガーが出てきた
俺たちは拍手喝采だよ 待ってましたって感じさ
オープニングは「DRINK MUDDY WATER」
バリバリのブルースじゃん
名前はルビーウイルソンというらしいけど

でね、おばちゃんにしても
一等前のテーブルに謎の東洋人の集団は珍しかったのかな
MCで結構からんで来るんだけど
南部の訛りなのかな意味はよく理解出来なかったよ

俺を指差して何か歌って来る訳さ
で、喪黒福造の笑うセールスマンとかジョンベルーシじゃないけど
指差される度に電流が体中を駆け巡るようだったよ
ブルースの洗礼って奴かな
こいつはやっぱり本場でしか味わえない感覚 そう思ったんだ

大分良い調子になってその店を出て 通りを歩いたんだ
冗談じゃなくビールストリートは両側ライブハウスだらけ
どの店からもカッコいい生演奏の音が外にも聞こえてくる

そんで話しても誰も信じてくれないんだけど
どの店もムスタングサリーやってるんだよ
聞こえて来るのは殆どムスタングサリー
嘘じゃない 嘘じゃないんだってば!

俺はハコで演奏していた頃を思い出していた
そうだよね 良い所だな メンフィス
俺のフィーリングにピッタシなんかもしれない

通りの歩道には有名なミュージシャン達のハリウッドみたいな星型のサイン
アルジャクソン、ブッカーT、ウイルソンピケットもあるじゃん
一生この街にいても良い位だわ 心底俺はそんな気持ちになってたって訳さ
それから別の店に行ったり、メンフィス土産のよく解らん物買ったり

おっと,,,,当然可愛いテネシーラム達とも何回か目があったぜ
まあ、そんな感じで俺たちは勘定払って店を出て
結構良い気分になっちまって
ビールストリートを遅くまで歩き回って
ホテルに戻ったんだ

帰ってから色々と明日の食事やら観光の予定を考えていたんだけどね
今日一日で大分経費も散財しちまったし
明日はちょっと節約かななんてね
そんな時にこんな文字を
メンフィスのツアーガイドパンフレットの中に見つけたって訳なんだ

「デキシーチキン」.....とは

現地のスラングでは「いいカモ」という意味w

オーライオーライ!
まあ、そんなもんだよw
とりあえずそれでは今夜は
某コンビニのケイジャンチキンとビールで
あん時みたいにいきますかね



ここはメンフィスのビールストリート界隈じゃないけど
これからもこういったクセの或る
個性的な品揃えを期待しますという事で 
メンフィス あのあたりは人も街も実にDeepな処でしたなって事で  乙
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