ロートル技術屋の日記

紫金山-アトラス彗星 (C/2023 A3)は小型の彗星という話

アストロアーツの天体写真ギャラリーを見ていたらオルバース彗星(13P)と
紫金山-アトラス彗星 (C/2023 A3)を同日に撮影して同じスケールで並べて投稿されている方がいました。


撮影されたのは7/20です。
コメントに
「調べてみるとこの2つの彗星の日心距離、地心距離とも大きな違いがなく、近日点通過日が1か月違う程度。」
とありました。(実際の近日点通過は約2か月違います)
日心距離は彗星と太陽の距離、地心距離は彗星と地球の距離です。

吉田誠一さんのホームページによれば撮影日から1週間後の27日のデータですが、

オルバース彗星(13P)      地心距離 1.902 日心距離 1.245
紫金山-アトラス彗星 (C/2023 A3)        2.042                  1.447

となっていました。(数字は天文単位)

ほぼ同じと言って良いレベルですが、紫金山-アトラス彗星 (C/2023 A3)  の方がどちらも少しだけ遠いので同距離よりも暗く見えていることになります。
地心距離がほぼ同じという事はオルバース彗星(13P) よりも小さく見えている紫金山-アトラス彗星 (C/2023 A3) の方が小型の彗星という事になりますね。

投稿者の最後のコメント「2023A3の今後の成長ぐあいが示されているようで残念な気がしました。どうなるでしょうね?。 」
が私には理解できませんでした。(投稿者の方ごめんなさい。)

というのはオルバース彗星(13P)は現在、太陽に最も近い(近日点)付近にあり今後は遠ざかり暗くなります。
紫金山-アトラス彗星 (C/2023 A3) は9/27に最も太陽に近づくため明るくなって行きます。
また、オルバース彗星(13P) は地球との距離がほぼ変わらない状態が続くのに対し紫金山-アトラス彗星 (C/2023 A3) は10/12の地球最接近に向けてどんどん距離が近くなります。
太陽に近づき地球にも近づくという事は明るくなる一方です。
地球最接近時のの日心距離は0.55天文単位で、明るさは距離の2乗に反比例するので現在の13.7倍明るくなる計算です。
また、地球最接近時の地心距離は約0.48天文単位で現在の1/3の距離になり9倍明るくなります。
単純に掛け合わせると123倍になります。
撮影された方の見立ての現在見えている15分の尾はそのまま近づいたとしたら51分(0.81度)になります。
地球に近づいて明るくなるのと太陽にも近づいて明るくなるので画像では写っていない先の方まで見えればもっと長くなりますし、太陽に近づいたことでチリの放出が多くなって尾が伸びればさらに長くなります。

昨日お伝えした光度変化の状況もあり、太陽に接近する前に崩壊しなければ10月中旬に明るく尾を引く彗星がみられそうな気がします。

最接近前の今月から来月にかけて太陽に近づき観測しにくいこともありマスコミが騒ぐ要素が無いのもプラスに働きそうです。

崩壊しないで明るくなってほしいですね。

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