少し古い話ですが、今月初めの金星とプレアデス星団の接近をデジカメで撮影したついでにスマホで写せないか試していました。
使ったスマホはZenfon Max Pro(M2)とAquos sense 2です。
どちらもマニュアルモードがあったのでこのような撮影には適していると思ったのですが・・・。
残念ながらAquos sense 2はマニュアルモードにして焦点を無限遠に調整しようとしてもなぜかオートフォーカスが働いてしまい金星が点になってくれませんでした。
Zenfon Max Pro(M2)はマニュアルモードで何とか撮影できましたが、プレアデス星団の星は1~2個写っているのかな?程度でした。
センサーにはSONYの裏面照射CMOS IMX486を採用しているので感度は悪くないはずですがレンズが暗いのか露光時間の最大1/4秒にしてもオリジナルの画像はかなり暗いです。
デジタルズームで拡大して撮影してもかなり小さく写っているので、こちらの画像は中央部分の1/10程度をトリミングしてコントラストと明るさを調整しています。
金星の写り方を見るとピントが合っていないかレンズの性能が出ていないことがわかります。
マニュアルモードからノイズが少ないとされているHDRモードにするとオートフォーカスが働いてピントがふらつきながら運が良いと写っているという状況でした。3~4個写っているように見えます。
そのまますっかり忘れていたのですが、思い出してものは試しと定番になっているフリーの画像処理ソフトRegistaxでマニュアルモードで撮影した5枚の画像を積算してコントラストを調整してみました。
ミラーレス一眼で撮影した画像と見比べてみると
意外に写っていることがわかります。
金星の右側の2個のうちの外側も写っているようですし、右下の2個の斜め右上の少し暗い2個も写っているように見えます。
5等星位まで写るようですね。
スマホがすごいというよりも恐るべしRegistaxというところでしょうか。
日中の明るい風景でZenfon Max Pro(M2)のマニュアルモードでの無限遠を確認してみたところピントが甘いことがわかりました。
問題はレンズの焦点距離が短いことだと思います。
焦点距離の短いレンズの焦点深度が深いことを利用してフォーカス調整の精度を上げていないか、レンズの収差が大きいように思われます。
きちんとピントが合っていれば金星も小さくなるし他の星も小さく明るくなるのでもう少し写ってよさそうです。
スマホの機能だけでこのような撮影をさせることに無理があるのですが、頑張れば結構写るということがわかりました。
スマホでも星野撮影に適したものがあり、天の川が写ると話題になっていたのがGoogleのPixel 4です。
ITmediaで実際撮影した記事が紹介されています。
天の川が撮れた! Pixel 4で「満天の星空と富士山」の撮影にチャレンジ
きれいに撮れているのでお金に余裕のある人(8~10万円)は持っていても良いスマホだと思います。
明るいレンズと無限遠にきちんとピントが合っていること、適度な露光時間、画像処理の最適化が良像につながっているのでしょう。
ただ、このITmediaの記事にはいただけない所があります。
比較したEOS 6Dが24mm F2で撮影、Pixel 4はフルサイズ換算約26mm F1.7で撮影とPixel 4の方が明るいレンズで撮影しているのに、レンズの大きさだけ比較してEOS 6Dの方が4.6倍集光力があるという表現をしているところです。
本当はEOS 6Dの方が0.85倍の集光力で暗いのです。
フィルムの一眼レフカメラを使っていた方であればこんな間違いをすることはないと思うのですがこの記事を書いた方はカメラに関しては素人なのでしょう。
昨年の12月にITmediaにコメントを送ったのですが自動応答以外は何の返答もなく記事もそのままになっています。
今度はスマホで望遠鏡をのぞかせてみようと思います。