緊急事態発生時,身の安全のためにその場に監禁状態になることを英語で
Lockdown(ロックダウン)と言います。
私も一応、教師の卵ですからロックダウン時のマニュアルを時々復習します。
(大抵、学区、学校ごとにマニュアルがある。)
私の大学では緊急事態発生時に、予め登録した電話番号にメッセージが届くようになっています。息子の大学も然り。
このシステムは一昨年のバージニア工科大での銃撃事件以降、導入されたものです。
息子は家族全員に緊急メッセージが届くように、私、夫、娘の携帯に即、転送できるようにしています。
実は昨日、息子の大学でロックダウンが起きてしまいました!
昨日、私は歯医者に行かなければならなかったのでサブのお仕事は引き受けませんでした。
定期診察とクリーニングが済み、お昼ちょっと前に帰宅。
しばらく院の勉強をして遅めのランチを食べていると、私の携帯に息子の大学から緊急メールが届きました。
午後1時半過ぎ:Armed intruder on Campus. Stay inside. Lock doors. Emergency personnel responding.
(武器を持った侵入者をキャンパスで確認。屋内に避難しドアをロックすること。緊急時のスタッフが対処中。)
え~っ!!息子は大丈夫か??すると息子から携帯メールが・・・
午後2時:I'm OK @ Marshall Cntr.
(マーシャル・センターにいて無事だよ。
マーシャル・センターとはフード・コート、レクレーション施設などがある学生センター。)
とりあえず無事が確認できてホッ!
数分後、息子から電話がかかってきました。
“さっき送ったテキスト(携帯メール)読んだ?大丈夫だから心配しないで。”
緊急時に私、そして夫の職場にも電話してくれた家族思いの息子。
話によると、この不審者、爆弾を持ってるっていうじゃないですか!
元気な声を聞けて母は涙ぐみそうになりましたが、息子の思いがけない発言に涙腺は閉じてしまいました。
“あれ、なんでこの時間帯に電話に出られるわけ?サブの仕事、今日サボったの?”ですと。
そして・・・
“さっき、マーシャル・センターのフードコートでピザ食べたんだ。
お昼食べた後にロックダウンになってよかった。
そうでなかったらお昼食べ損ねてた。”
緊急時にお昼ごはんの心配をするあなたって・・・
母は“ロックダウンが解除されるまで気をつけて。”と言って電話を切りました。
その数分後、再び大学から緊急メールが・・・
Reports of an armed person on campus at the Library. Officers are on scene searching the area. Avoid the area and and report anything suspicious.
(キャンパスの図書館に武器を持った不審者がいるという通報あり。
警察が現場を捜索中。図書館付近には近付かず、不審物を見つけたら通報すること。)
さっきの不審者は図書館に移動したのか??
2時53分の大学からのメッセージ。
A separate report of a suspect on a Bullrunner in the Parking and Transportation Service possibly armed. Avoid area and entire campus on alert.
(ブルランナーの駐車場で武器を持ったと思われる人物を目撃。
駐車場付近には近付かないこと。キャンパスは警戒態勢中。
ブルランナーとは大学のシャトルバス。)
そして3時過ぎ、新たに緊急メッセージが。
Man wearing a black tank top and a cowboy hat carrying a black puppy and a large hunting knife was spotted near Cooper Hall.
(黒い子犬を抱いて大型ハンティングナイフを持った黒いタンクトップ、カーボーイハット姿の男をクーパーホール付近で目撃。)
この男が前出の不審者?
それにしてもハンティングナイフと子犬ってミスマッチ。
しばらくしてこの男は逮捕されましたが、事件とは無関係とわかり釈放されたとのこと。
でもさ、ナイフを持ってキャンパスをうろつくな~!!
3時56分、息子から新たに携帯メールが・・・
It's on ch30!
(30チャンネルに映ってるよ!)
ピザに引き続き緊急時らしからぬ、のんきなメッセージ。
30チャンって言ったって、ここと大学のあるタンパとはテレビ局が違うのに・・・
(でも、後で聞いた話によると本当に地元の30チャンのレポーターが取材に来てたんですって!)
そして4時20分、ロックダウン解除のメッセージが届きました。
Tampa Campus All Clear. Resume normal activities. Avoid police activity on Holly near Pkg Service dept.
(タンパ・キャンパスは全てクリア。通常生活に戻ってよし。
警察が取調べをしているパーキングサービス・デパートメントがあるホリー通りには近付かないこと。)
23歳のUSFの学生が逮捕され、ロックダウンが解除されました。
この学生、銃と爆弾を持っていると言ってシャトルバス内で乗客を脅したそうです。
結局、銃も爆弾も所持していなくて全ては狂言だったのです。
爆弾が入っていると思われた彼のバックパックは、特殊部隊操作のロボットによって破壊されました。
中に入っていたのは教科書、ペーパー等の学用品。
本当に人騒がせな!!何を考えているんでしょう!!
言うまでもなく、これが原因で午後の授業のほとんどが休講になりました。
息子も3時過ぎから授業があったのですが休講。
とにかくけが人が出なかったのが不幸中の幸い。
大学内で緊急事態発生と聞くと、やはりバージニア工科大を思い出してしまうので・・・
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