クレモナ カルテット

ルポ~イタリアで免許取得(その3)~

 イタリアでは車は必需品、よって免許を取るのは必須。
免許を取るには試験をうけなければならないのですが、それにパスできない人はどうなるのか???
私の仮免期限が2ヶ月に迫った時、本気で通わなければと思い教習所に久しぶりに行くと教官が「俺に任せておけば3週間で免許がとれるようになる」との心強いお言葉。
毎日1時間の運転を教官とすることになりました。イタリアにオートマ車は殆ど普及しておらず免許はもちろんマニアルです。試験が3日前から教官の様子が急変して「こんな運転じゃ試験には通らないぞ!」や罵倒などが隣から飛んでくるようになりました。試験に通るか不安になった私は教官に相談することにしました。すると待ってましたとばかりに次の3つの提案が
その①今回試験を落ちても1ヶ月後にまた受ける。(期限切れの当日に)
その②2週間後に延期する、その場合落ちると再試験のチャンスはなく、また学科から出直し。
その③試験監督に袖の下を渡す!!
教官「僕は何にも得しないけど③がお勧めだよ」とのこと。テレビで世の中の不正を暴く番組みたい。興味津々の私は「③だと幾らくらいですか?」と相場を探ることに。
教官:「君が払えるならいくらでもいいよ」  私:「五千円くらいですか?」
教官:「それはコーヒー代だ」        私:「一万円ですか?」
教官:「うーん、もうちょっとだ」      私:「一万五千円ですか?」
教官:「うん、それくらいから口利きしてあげるよ」私:「ちょっと考えてみます(安っ)」
教官:「試験当日じゃなくて明日持ってきなさい」その場は温和に取り繕い帰宅しました。出たイタリア副収入の実態!
 帰って主人に事の次第を話すと、「この北イタリアで南イタリアのようなことが起こるとわ!!」と私以上にびっくして、幸い親戚に弁護士さんがいるので相談することになりました。
まず証拠もなにもないので訴える事は無理、反対に名誉毀損で訴えられる。とのことさらに教習所のオーナーは元警察官、ファミリー経営で教官はその息子。
私のできることは
その①袖の下を渡す場合は私も同罪になる。
その②払わない旨を伝え、試験前日に弁護士から試験にパスさせるよう脅しの電話を入れる。
私はただ試験を受けて正規に合格したいだけなのに、このままではまともに試験を受けることは出来なくなってしまった。  おそらくイタリア人なら②の方法をとって自己制裁するのかもしれないけども、あくまで平和主義の日本人の私は事を大きくせず温和に解決できる方法を考えることにして、結局試験は受けず他の教習所に転校することにしました。

転校先の教官から聞いたのがあくどい教習所で有名で、ナポリ出身の警察OBが退職して開校した学校で外国人相手にえらい繁盛しているとのこと。
期限ぎりぎりの学生相手に賄賂を迫って試験監督に渡すのではなく自分達の懐に。試験にパスしなかったら「君の運転がダメだった」と返金してくれるのはちょっと良心的か。
なにわともあれ転校先で頑張ることになり、仮免期限切れの1週間前に無事正規に合格。
イタリアに来た当初は理不尽な目にあったが、久しぶりに悲しく嫌な思いをした最初の渡伊から10年目の出来事でした。嫌な事は水に流して忘年会ならぬ忘年ブログとしてこの話を書きました。
さて気持ちも新たにみなさま良いお年をお迎えください。
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