櫻井郁也ダンスブログ Dance and Art by Sakurai Ikuya/CROSS SECTION

◉新作ダンス公演2024年7/13〜14 ◉コンテンポラリーダンス、舞踏、オイリュトミー

断片:レッスン、抱負

2016-06-10 | レッスン・WSノート
きょうは「追加クラス」の日だった。月二回の「西荻ほびっと村・舞踏クラス」の参加者から、チケットクラスも開催回数を増やしてほしいとのリクエストを受けて開いている。

基礎、コンテンポラリー、オイリュトミー。いくつかの定期クラスを行うが、追加クラスでは分野分けもスキルも全部取り払ってフリーダンスを楽しむ。テーマ、モチーフ、もろもろ、その日集まったメンバーに相応しいものを決める。決め事なしのコンプリートインプロ(完全即興)をまずやって、それを素材にレッスンの的を絞ることもしばしばある。

いかに自由になれるか。いかに身体や自己を解放できるか。踊り対話を重ねながら、各自が各自の器を広げてゆく場になっている。

逆さにすると、一人一人の求める踊りを探る場であり、一人一人の囚われや拘りなどの気付きの場でもあり、一人一人が自己認識や身体認識を具体的にする発問の場でもある。ダンスにはバレエとかストリートとかモダンとか日舞とか様々なスタイルや様式があるのも一面だが、本来は心の動きが素直に身体から溢れる野性のコミュニケーションだ。そこをしっかりとやるのが、このクラスの核。

より自由に踊りたい人、即興を楽しみたい人が集う。

一人一人のダンス衝動、ダンスに求めるもの。それを感じ取りながら僕は、その日その日、その人その人に、相応しい課題やテーマや技術を提示したり音を奏でたりする。そして気付いたことやアドバイスをする。参加者同士が今踊りながら体験したことや湧いた衝動やイメージを話しあう。また踊る。

僕が開いているクラスのなかではメンバーも内容も最も自由度や自発性が高くフレキシブルなクラスだ。僕自身にとっても感じ取る力や瞬発的な発想力や関係力が求められる。クリエイティブだ。

このクラスは勿論、すべてのレッスンのたびいつも思い出すのが「一期一会」ということだ。その日その場その人と何を紡ぐか。舞台では当然である「一期一会」「一回の充実」「臨場感」「バイブレーション」それらをレッスンでもきっちりとやりたい。出来ているか、と、いつも気になる。

アーティストとしての仕事が舞台なら、コーディネーターとしてナビゲーターとしてダンスの水先案内をするのがレッスンの仕事だと感じている。

僕は田畑を耕す力や環境を持たないが、ダンスの経験を分かつことで人を人の身体や意識の可能性を耕すことが出来るのではと思っている。踊りたい人の役にたちたい。

「カラダ」という言葉の語源は「空っぽの田んぼ」だという説がある。つまり身体とは大地なのだろう。無限の養分を孕んで眠る大地。タネを蒔き、水を入れ、耕されるのを待つ大地。身体もそれに相似してある。一人一人が眠れる大地を持っている。祖先から受け継いだ大地として、身体はある。

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