□作品オフィシャルサイト 「エンディングノート」
□監督 砂田麻美
□キャスト 砂田知昭
■鑑賞日 11月19日(土)
■劇場 109CINEMAS川崎
■cyazの満足度 ★★★★(5★満点、☆は0.5)
<感想>
映画は所詮作られたものだ。
こういう映像を見せられると、やはり役者は業としての演じ手に過ぎない。
実話は実話でも、こうあからさまに人の死に様に向き合うことはなかなかないだろうし、
あからさまにそれは演技ではないまさに“実”の世界なのだ。
人間誰しも一度は“死”を経験する。
それよりもまず順序としては、自分の祖父や祖母、そして一番近しいのは自分の両親のそれ。
この主人公・砂田知昭氏は永らく勤め上げた会社を退職し、
まさにこれから第二の人生をスタートさせようとしたとき、
これが運命なのか宿命なのか、健康診断で癌が発見された。
それを知る前も、その後も娘・砂田麻美はずっと知昭氏の映像と捉えていった。
この映画は一人の癌患者の死までのレクイエムではない。
むしろ、タイトルどおり「エンディングノート」という、
余名いくばくかの自らの命の炎がともされている間に、
自身の希望と、残される家族への死後の対応記した指示書のようなものだ。
知昭氏の映像で観て取れるユニークで快活な生活と、その家族の愛が、
最初から最後まで息抜く暇もなく、また癌患者の暗い死への過程でもなく、
淡々と流れる映像の一つ一つが活きたメッセージとして伝わってくる。
死を前に洗礼を受けるとか、その理由が教会で旅立ちたいとか、
知昭氏の最後の願いを形にしていく。
また、家族もその希望を叶えてやるべく同じ方向を向いて進む。
自分にはまだよくわからないが、やはり最期は孫の顔を見たいのだろうか。
夫婦には夫婦しかわからない重ね合わせた膨大な時間がある。
それは家族として、父として、母として、子供として、共有する時間が大きいほど、
別れは比例して辛さが増すものなのか。
映画を観ながら、これはこれから年老いた両親のいつかを見送らねばならないときのための
テキストブックのようなものだと感じ入った。
エンディングノートは先に逝く者が準備するのがふさわしい。
たとえ夫婦だとしても知らないことは多いのだ。
老いて出来ないのであれば、それは残された子供たちがやるべきものなのかもわからない。
この映画のように、数年前にきちっと両親のエンディングノートを作るように促したものの、
結局のところ、何一つ出来ていないわけで、まだ大丈夫が急遽なことにもなりかねない。
一度、膝を詰めて話をするしかないと痛感した。
僕にとってこの『エンディングノート』はまさに自分への洗礼だったのかもしれない。
死の直前、妻が二人きりにしてと言い、
夫は妻に初めて「愛してるよ」と言い、
妻は「一緒に逝きたい」という夫婦の会話を捉えている。
できるならば、自分の最期も妻にそんな言葉をかけてほしい・・・。
その日を前に、本人や家族、友人など、準備が出来る人がどれだけいるんでしょうね
プロ友のページでも拝見して、インターネットで「エンダングノート」を注文しました。
今、私の手元にありますが、1ページも記入してません。
いつか、徐々にと思ってますが・・・健康なうちに書いた方が良いと思います。
>自分の経験を思い出すと、とてもじゃないけれど映画館では観られない内容で、cyazさんの記事を読んだだけでもこみ上げるものがあります
誰しもが辿る苦しい“想い”があります。
しかしながら本人家族を含め、死と対峙する現実を
真正面から受け止めるこの映画は素晴らしいと思います。
>その日を前に、本人や家族、友人など、準備が出来る人がどれだけいるんでしょうね
そうですね。
京都に帰った折に両親にもそれを伝えましたが、
わかっているのかいないのか(笑)
>プロ友のページでも拝見して、インターネットで「エンダングノート」を注文しました。
今、私の手元にありますが、1ページも記入してません。
そうなんですか?
>いつか、徐々にと思ってますが・・・健康なうちに書いた方が良いと思います。
確かにそうですね!
うちの両親にも買って贈ろうかな?!
こうあるべきだろうし、自分の始末くらい、自分でけじめつけて行きたいもんだと思うんですが、やっぱねえ。
凡人ですから、なかなかそこまで悟れない。。
と書いたら、覚悟って、悟りのことなんすね。
一応順番で、両親と夫の両親を見送ってから自分のことを考える流れになって欲しい・・と思った次第。
去年、父がガンの手術をしたので、一層思いました。今はぴんぴんしてますよ。
>自分の始末くらい、自分でけじめつけて行きたいもんだと思うんですが、やっぱねえ。
なかなかタイミングが難しいですが、
1年のうちのどこかでそんなタイミングを見つけ、
更新すべきところは更新していかないとと思います。
>一応順番で、両親と夫の両親を見送ってから自分のことを考える流れになって欲しい・・と思った次第。
未来は予測のつかないものですから、
ある日順序が入れ替わることも・・・。
>去年、父がガンの手術をしたので、一層思いました。今はぴんぴんしてますよ。
そうでしたか^^
うちのオヤジは未だに酒もタバコもやめてません><