□作品オフィシャルサイト 「プール」
□監督・脚本 大森美香
□原作 桜沢エリカ
□キャスト 小林聡美、加瀬亮、伽奈、もたいまさこ、シッティチャイ・コンピラ
■鑑賞日 9月12日(土)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)
チェンマイのプール付きのゲストハウスで働く京子(小林聡美)の周りには、不思議に人が集まってくる。 プールを中心にして、その場所が気持ちいいのか、京子やオーナーの菊子(もたいまさこ)、庭の手入れを手伝っている(加瀬亮)、そしてタイ人の少年(シッティチャイ・コンピラ)も。 そこに4年前、祖母に預けて旅立った娘のさよ(伽奈)が加わり、それぞれの事情を抱えた5人の男女の6日間が描かれる。
脚本家としての認知度の高い大森美香が今回、漫画家の桜沢エリカが映画用に書き下ろした原作を自ら脚本・監督しているのだが、やはりそこは餅屋は餅屋で、自分が思い描いた脚本の具現化を監督として為し得たかどうかは観てのとおりだと思う。 彼女は過去『インストール』、『デトロイト・メタル・シティ』、『ヘブンズ・ドア』と一様ではない脚本を書いているところは素晴らしいと思うのだが、敢えて言わせてもらうと「一体、何狙いなのか?」って感じ。 特に小林聡美、もたいまさこ、加瀬亮はあの『めがね』」でも共演しているし、『かもめ食堂』の空気も似ているところなので、それらとは別の斬新さが映画の良し悪しを左右することくらい、クランクインする前に、しかも脚本を書いた段階で想定できたものではないのか。
誰しもが比較しようとは思って観ている訳ではないが、役者のイメージから当然シーンシーンで『かもめ食堂』や『めがね』のシーンが被さって来る。
ゆったりとした時間の流れはそこにあっても、そこに集う5人の過去の背景はなんとなく宙ぶらりんな感じで、曖昧に観てる側が想像し、紐付けるのは難儀だ。
そこにキーワードである“癒し”、それはむしろ“気だるさ”のような感覚すら感じてしまう。
何といってもそこで登場する料理の数々が美味しいと思えない。 地元の名物や日本を離れての哀愁から来る料理など、本来は素朴さゆえにお腹の虫が思わず合唱しちゃうのだが、そういうアイテムがなかったのも寂しかった。
新人の伽奈は冒頭から緊張気味だったが、それが母との過去の仲違いを表現するにはかえって効果的だったと言える。
タイの少年役のシッティチャイ・コンピラの日本語が上手いところには伽奈より驚いたけれど(笑)
加瀬クン、相変わらず色が薄いというか、“存在感の薄いけどどこか記憶に残る”役者カラーは健在だ(笑)
小林聡美、もたいまさことくれば、観る側は大きな期待をしてしまうわけで、彼女たちの持つ女優としてのテイストは他の人では補えないそれだけは事実だけれど、ぼちぼち柳の下は使う方も出る方もリセットしてみてはどうだろうか。
プールサイドで歌う「君の好きな花」は小林聡美自身の作詞作曲によるものだ。 決して歌も上手くはないし、曲自体も素人が作った域を抜けないが、それでもそういう素朴さが不思議に耳に残っているものだ。 それは別にそれを作って商業ベースに乗っけなければならないというプレッシャーがなく、ご本人も犬の散歩中に鼻歌を歌いながら作ったとか(笑) 一日の仕事を終え、プールサイドでビールを飲みながら好きな歌を弾き語る。 ちょっと憧れな風景だなぁ~。
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同じような作品ばかり短期間に三本も!
『めがね』のような強制的な癒しよりも、この映画の気だるさが好みではありましたが・・・。
あのゲストハウスだけがチェンマイの中でも異空間に見えました。
>どうしてこの企画がゴーになったのか理解しかねますよね~。同じような作品ばかり短期間に三本も!
そうでしたね(笑)
ちょっと3匹目はいませんでしたね(笑)
>『めがね』のような強制的な癒しよりも、この映画の気だるさが好みではありましたが。
ミチさんはこっちのテイストがお好みだったんですね^^
>あのゲストハウスだけがチェンマイの中でも異空間に見えました。
正直、『めがね』のときの厨房だけあそこに入れた感じで(汗)
(小林さんの歌は良かったけれど)
>私はこの映画、今年のワーストです。
(小林さんの歌は良かったけれど)
やはり反応が悪いみたいですねぁ><