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母ちゃんって、不死身なんだと思ってた!
■監督・脚本 吉田康弘
■原作 吉田康弘(「キトキト!」メディアファクトリー刊)
■キャスト 石田卓也、大竹しのぶ、平山あや、井川比佐志、光石 研、伊藤 歩、尾上寛之
□オフィシャルサイト 『キトキト』
鎌倉、奈良と並んで日本三大大仏のひとつが街のシンボルである富山県の高岡。 斉藤家の長男・優介(石田卓也)は高校を退学し所属していた暴走族も解散。 少しずつ高岡での生活に疑問を持ち始める。 人生の岐路に立ち思い悩む優介。 女手ひとつで子供たちを育ててくれた母・智子(大竹しのぶ)にも何かと反発してしまう。 3年前に男と駆け落ちした姉の美咲(平山あや)と同じく、母から逃げるかのよう親友の眞人(尾上寛之)とともに東京へと旅立つのだが・・・。
おススメ度 ⇒★★★☆ (5★満点、☆は0.5)
cyazの満足度⇒★★★☆
今日は渋谷で5時・・・じゃなっくて春分の日(祝日)の渋谷朝一10:15の回なら空いているだろうと高を括っていたら、しっかりアミューズCQN(シアター3:定員60名)は満員御礼 しかもチケット売場は1Fになっていた。 この間ここで映画を観たのはいつだっただろうか(笑)
でもこのアミューズCQNは水曜日1,000円なんですよ 祝日でも
タイトルになっている「キトキト」とは、富山弁で「新鮮、活きのいい状態」という意味を表す方言のことだそうだ。
何を隠そう(別に隠してないのだが)その昔、金沢に3年半程住んでいたとき、この映画の舞台となった高岡にも毎月1回は訪れていた。 ただタイトルにもなっている“キトキト”という方言を聞いたかどうかは今となってはいくら記憶を辿ってみても思い出せない(年のせいで忘れたのかもしれないが)
ただこの映画で冒頭から良く使われている「だら」という言葉はよく憶えている。 これは関東だと「バカ」、関西だと「あほ」というニュアンスだと思う。 そうそう大阪では「あほんだら」という美しい言葉があるが(笑)、これはそうすると「あほ」と「だら」が合わさっているので「バカ」の最上級の使い方なのだろうか(笑)
と、冒頭から脇道にそれてしまったので軌道修正・・・。
それにしても大竹しのぶ=“スーパー智子ちゃん”がハマりにハマっている この役は彼女にピッタシだ。 何と言うか違和感がない(笑)
大竹しのぶはこういうキャラの役はメチャメチャ元気で、迫力がある。 彼女も50歳だというのに本当に若く見える。 どんな役にもしっかり入り込める女優さんだが、やや力を抜いて70~80%程度の力で、本当に素晴らしい演技ができる女優さんだ。
そのスーパー智子ちゃんの息子役の石田卓也クン。 つい最近『夜のピクニック』で微妙に揺れる多感期の高校生を演じてみせたが、この作品でも田舎者が故郷を捨て、大都会東京で、かつてない変化に戸惑いつつも少しずつ大人になり、故郷の良さと母親の苦労が感じれるほどに成長していく姿を地味ながら演じていた。 昨年公開された『蝉しぐれ』の繊細なイメージは払拭され、男らしい力強さも備わってきた感じがする。
お姉ちゃん役の平山あやや優介に惚れてるソープ嬢の伊藤 歩もなかなかだったが、ただ如何せん体型の細いのはいいけど演技の線もやや細かったような気がする。
脇はしっかり井川比佐志のおじいちゃんがいい味だし、智ちゃんに惚れていたうだつがあがらなさそうだが誠実な役を光石 研が無難にこなしていた。
監督は近作が初監督となる吉田康弘監督。 なんとまだ27歳の若さだ。 あの井筒和幸監督(53)のまな弟子で、『ゲロッパ!』、『パッチギ!』などの作品に参加していたそうだ。 今回は脚本も手掛けている。 まだまだ全体として荒削りな部分と素人目にもこうしたほうがよりリアルという面もあったが、ま、無難に撮っていたように思う。 これから経験を積めばいい監督になるだろう。
全体の流れと持っている温度感は、先日TVが最終回を迎えた「東京タワー、ボクとオカンと、ときどきオトン」に似ていたように思う。 が終わったばかりゆえにこの映画にどっぷり感情移入ができるかというとそうではなかった。 むしろ子供の頃の自分母親に重ね合わさる部分も多かった(決してスーパーではなかったが)。
病院で逝った時、優介は母親の手首に巻いていた輪ゴムを外した。 水道の蛇口に結び付けてあった描写もあった。 昔、僕の母親も必ず輪ゴムを手首に巻いていた。 輪ゴムは水道も蛇口の水漏れ、つまりパッキンの代わりをしていたこともあった。 懐かしい想いとともに、監督、ここはあの優介が輪ゴムを取った後の母親の手首にしっかりと輪ゴムの食い込んだ後を残しておいて欲しかった。 僕の母親もいつも輪ゴムを巻いていたので、時には服の繊維とかが巻きついていたりしたし、輪ゴム自体も昔は結構色々重宝し大事にされていた。 そういうリアル感さえ伴っていたらもっともっと泣けたのに・・・。 まだまだこのあたりは若さゆえの深みが監督にはなかったような気がする。 まわりのスタッフにそのへんのところをアドバイスする人が居なかったのだろうか。
とはいえ、幸せを掴んだばかりのだんなさんに、その輪ゴムを形見として渡す優介の姿は立派だったし、故郷の大仏に「やっぱ男前やなぁ」と言ったところに優介の人間としての成長を感じた。
優介の勤めていたホストクラブに乗り込み、真っ赤なドレスで歌う智子は本当に母親を越えた女性としての輝きがあった。 そしてその歌は・・・
つわものどもが 夢のあとだね
静かな波が 打ち寄せてる
月の光を 瞼に受けて
とてもきれいな 気持ちになる
あの日あなたと 踊ったドレス
冬の海へと 流しに来た
通り魔みたいな あなたの愛が
今この腕を 離れてゆく
MY NAME IS WOMAN
悲しみを身ごもって 優しさを育てるの
MY NAME IS WOMAN
女なら耐えられる 痛みなのでしょう
(「WOMAN」作詞:石川あゆ子、作曲:中崎英也、歌:アン・ルイス)
高岡大仏
劇中、三大大仏の中で一番男前と言っていましたが、本当のところはどうなんでしょうねぇ(笑) 実物見たことないのでわからないのですが
う~む、見たことないからなんとも言えない・・・
>東京板橋には東京大仏なるものがあって、そちらでは自ら三大大仏と呼んでいるらしいですね・・・
う~む、見たことないからなんとも言えない・・・
多分、乗蓮寺の大仏様のことでしょうね^^
何度か車で通って大仏の看板は見たのですが、降りて見ようという気にはなりませんでした(汗)
うちにも動く大仏様がいますけどね(謎)?!
男の人にとって「おかあちゃん」は特別なんやろうなぁ~って思いました。
逆に母親にとって息子は特別みたいですけど(爆)
輪ゴムたしかに重宝しますよね~。
つけてるのを忘れるとむちっと後がのこりますもんね(^^)
>男の人にとって「おかあちゃん」は特別なんやろうなぁ~って思いました。逆に母親にとって息子は特別みたいですけど(爆)
共に言えてますよね(笑)
>輪ゴムたしかに重宝しますよね~。つけてるのを忘れるとむちっと後がのこりますもんね(^^)
うちの母親はいつもその型がついてましたから(笑)
蛇口の所の輪ゴム、腕の輪ゴム、あ~。。と
あのシーン(映像)は、私もなんだか胸にぐぐっときちゃいました。
でも、cyazさんの記事を読ませて頂いて、あ、そうか
あそこで大竹しのぶの腕にゴムの痕が残ってなかったかもしれないなぁ、と改めて気づいた次第です(^^ゞ
そうですよね、あそこはちゃんとくっきりはっきりと
腕に輪ゴムの痕が残ってなくっちゃ・・ですね。
おぉ!金沢に住んでらっしゃったことがあるんですね~!
ここは信州なので、わりと近いと言えば近いし
あちら方面に行けば美味しいお鮨がたべられるってことで(^^ゞ富山まで2回ほど寿司食べに行きました(笑)
キトキト寿司っていうお鮨屋さんもあったような
気がします。(回転寿司だったかな?!^^)
かくいう私たちも回転寿司食べてきたんですけどね(=^_^=) ヘヘヘ
この記事じゃなかったんですが、ついでに(^^;;)
私もトップスのチョコケーキ好きです(^ー^* )フフ♪
TB、どうもありがとうございました~
>うちの母もやってました~。蛇口の所の輪ゴム、腕の輪ゴム、あ~。。とあのシーン(映像)は、私もなんだか胸にぐぐっときちゃいました。
あれは昔はみんなそうでしたね(笑)
僕なんかも用もないのに輪ゴム巻いてたりしました。
物を大事にしていた時代でしたね(汗)
>そうですよね、あそこはちゃんとくっきりはっきりと腕に輪ゴムの痕が残ってなくっちゃ・・ですね。
そこが少し残念な気もしましたが(笑)
>あちら方面に行けば美味しいお鮨がたべられるってことで(^^ゞ富山まで2回ほど寿司食べに行きました(笑) キトキト寿司っていうお鮨屋さんもあったような気がします。(回転寿司だったかな?!^^)
かくいう私たちも回転寿司食べてきたんですけどね(=^_^=) ヘヘヘ
やはり海の幸は美味しいですよね~♪
金沢に住んでいるときは会社が近江町市場の側だったので、いつでも新鮮な海の幸が^^
甘エビ食べた~い!!
>この記事じゃなかったんですが、ついでに(^^;;)
私もトップスのチョコケーキ好きです(^ー^* )フフ♪
美味しいですよね~ 大好きです^^
cyazさんの輪ゴムのお話、同様に感じました。
昔はかなり重宝してましたよね。 手首に食い込んだ跡って懐かしい感じがします。
それと高岡の大仏様ってとっても美しいですよ。
奈良、鎌倉、高岡の大仏様は確か日本の三大大仏だったと思います。 出来がいいのか美しいのか、何が基準かは分からないんですけど…。
>cyazさんの輪ゴムのお話、同様に感じました。
昔はかなり重宝してましたよね。 手首に食い込んだ跡って懐かしい感じがします。
ですよね~ 子供ながらに輪ゴムがはまっていました(笑)
>それと高岡の大仏様ってとっても美しいですよ。
奈良、鎌倉、高岡の大仏様は確か日本の三大大仏だったと思います。 出来がいいのか美しいのか、何が基準かは分からないんですけど…。
実際高岡にも行ってたんですが、お目にかかることはなかったです(泣)