□作品オフィシャルサイト 「ハート・ロッカー」
□監督 キャスリン・ビグロー
□脚本 マーク・ボール
□キャスト ジェレミー・レナー、アンソニー・マッキー、ブライアン・ジェラティ、レイフ・ファインズ、ガイ・ピアース、デヴィッド・モース
■鑑賞日 3月13日(土)
■劇場 TOHOシネマズ川崎
■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)
<感想>
色々物議を醸し出した今回のアカデミー賞。
“元夫婦対決”なんてマスコミのオイシがる素材。 興行数字は文句なしに元夫に軍配が上がっているが、
まるでしっぺ返しのようなアカデミー会員の仕業でこの作品は、アカデミー賞作品賞以下多くの賞に輝いた。
それにしてもTOHOシネマズさん、1日7回まわあしとはおそれ入谷の鬼子母神(笑)
正直言うと、もしこの作品を観ようと思っている方は体調のいいときに観ることをします。
なぜなら、妙な緊張感と映画全体のトーンが、この手の映画と比較すると、かなりの精神的な疲れをもたらすからです。
女性監督が作った映画ですが、女性の方には向かない作品だと思います。
レビューはのちほどになりますが、サンドラ・ブロックが主演女優賞を受賞した
『しあわせの隠れ場所』の方がはるかにいい作品だと僕自身は思います。
以前にも戦争テーマの映画は数々ありました。
そして映画としての戦争を描く視点は、その残虐さや悲惨さからシフトし、
そこにおかれた兵士やその周りの心情描写を主眼におく映画が多くなってきたように思います。
この映画もイラク駐留の爆発物処理班の兵士の生き様を、人間的、精神的、内面を描くことに終始しています。
前にも書いたことがあるのですが、島国日本、国境のない国日本にこういう世界を理解することなんて正直無理です。
ぬくぬくと生活して来て、それでいていつまでの“戦争被害者”だと思っている日本人が、
そしていまだにアメリカに防衛を頼っている防衛弱国にとって、この緊迫感に満ちた、それでいてアメリカンなノリとも思える
こんな世界をアカデミー作品賞に輝いたといって、ホイホイ観に行っても、満たされるものはなにもないだろう。
そしてあまり安易な感想を持たない方がいいと思える。
ま、しかし、そこは映画は映画。
主人公となるウィリアム・ジェームズ二等軍曹(ジェレミー・レナー)のキャラクターがすごい。
そこには何ら大きな細工を加えず、いつのまにか観ている自身が爆弾処理をする兵士の語如く、
リアルな疑似体験をもたらしてくれる。
一匹狼は、戦場では仲間まで死に引きこむ可能性があるかもしれない。
上長の命令は絶対なのに、過信した一匹狼はそれこそが秘密爆弾を秘めている。
しかし、ジェームスのように最後の切線は彼の手によるものであり、そのときはまさに一匹狼でしかない。
だからこそ、他人にはわからない、仲間にもわからない彼なりのセオリーがあり、
それは他人から観ればスタンドプレーに見えてしまうわけだが・・・。
この映画の良さは観てみなければ言葉では表現できないものがあるが、決してアカデミー作品賞を
もらったからと言って、絶対に観ておかなければならない映画ではない。
冒頭にも書いたが、『しあわせの隠れ場所』を観る方がはるかに映画としてのオーソドックスな魅力があり、
価値があり、感動できる作品だと言い切れる。
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昨夜、観てきました。
アカデミー賞、やっぱり米目線なのかな~と、ちょっぴり寂しかったです。
>アカデミー賞、やっぱり米目線なのかな~と、ちょっぴり寂しかったです。
そうですね
偏った視点は返って疑いたくなりますよ(笑)
こういう描く方はありだとは思いますが^^
そのあたりが昨今の報道ではちょっと少ないかなと思うのですが、それでもやはりこの緊張感は凄かったです。
こういう映画が評価されるのはいいことですが、逆に言えば今のアメリカが病んでいる証拠でもあるんでしょうね。
>この監督は女性監督でありながら、作品内容はほとんどが男性的。 そのあたりが昨今の報道ではちょっと少ないかなと思うのですが、それでもやはりこの緊張感は凄かったです。
作りものとはわかりながらも、もしかしたら爆発するんじゃないかと・・・。
それってやっぱ緊張しますよね~
>こういう映画が評価されるのはいいことですが、逆に言えば今のアメリカが病んでいる証拠でもあるんでしょうね。
ベトナム戦争については触れなかったのですが、やはり蝕まれていますよね!
そちらのシネコンスゴいね。混んでる?
いや~作りものやとわかってるのにドキュメンタリーみたいで、誰もがいつ死ぬかわからんスゴい緊張感だったし、何より重たくてグッタリでした。
>発表当日の、しかもキャサリンビグローがオスカー2つ持ってしゃべってる頃見てました。(笑) そちらのシネコンスゴいね。混んでる?
そんなに混んでないですね(笑)
もう公開から少し経っていますしね。
>いや~作りものやとわかってるのにドキュメンタリーみたいで、誰もがいつ死ぬかわからんスゴい緊張感だったし、何より重たくてグッタリでした。
あの防爆スーツを着て席に座ってる感じでした(笑)
特にストーリーと言うのは無く、いろんな種類の爆破、自爆などなどがどんどん出てきてそれを技術者が信管を抜いて、皆がホッとするといったこと、だけやないか、です。
これならアバターのほうがはるかに映画としては面白いし音楽が良かったですね。
多分アメリカ人が見てこんなむごいと感じ、監督はそれをオバマに訴えるのが目的なんでしょう。去年の「送り人」同様、オスカーも当てにならんと感じたしだいです。
次はホームズか「アイガー北壁」でんな。
ドキュメンタリー風の作品なので
ストーリー性は皆無でしたが、爆弾処理班から
戦争の日常が非常にリアルでした。
今度、訪れた際には、
【評価ポイント】~と
ブログの記事の最後に、☆5つがあり
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>特にストーリーと言うのは無く、いろんな種類の爆破、自爆などなどがどんどん出てきてそれを技術者が信管を抜いて、皆がホッとするといったこと、だけやないか、です。
確かにそうですね!
>これならアバターのほうがはるかに映画としては面白いし音楽が良かったですね。
アバターもストーリー的には薄かったですが。
>多分アメリカ人が見てこんなむごいと感じ、監督はそれをオバマに訴えるのが目的なんでしょう。去年の「送り人」同様、オスカーも当てにならんと感じたしだいです。
アメリカを肯定も否定もしないですが、実際にはこういう処理を
第一線でやっている人がいるということは受け止めなければと思いました。
まあ日本人には薄い印象かもしれませんが(笑)
>ドキュメンタリー風の作品なのでストーリー性は皆無でしたが、爆弾処理班から戦争の日常が非常にリアルでした。
なかなか体験できないことですが、毎日死と向き合っていない僕たちには
ちょっと遠い国のできごとでした・・・。