daddy-kのいきあたりばったりⅡ

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スペンサー・ウィギンス/Love Works That Way

2023-05-08 | 音楽つれづれ

またまた半世紀も前の音楽の話ですが、70年代初めに出合ったサザン・ソウルはしばらく夢中になって聞き、雑誌SOUL ONを教科書にどんどん深みにはまって、小遣い乏しい中で輸入盤も漁り、探し求めたのがゴールド・ワックスというレーベルのレコード。

メンフィスにあったこのレーベルは、とてもマイナーで活動期間も7年間程度と短く、配給をベルというこれまた小さな会社が担当し、入手が難しい会社だったのですが、当時この会社で一番知名度のあったジェームス・カーのLPが、輸入盤専門店で2.4万で飾られていて、当時の私の月給の半分近くだったかな?とても手が出せなかった記憶があります。

悶々としていた時に光明が見えたのは、ヴィヴィット・コーポレーションという日本のマイナー・レーベルが立ち上がり、この会社が77年にそのゴールド・ワックスの国内発売を開始してから。

これはレーベル・オーナーと連絡を取っていた人達が、ベルとの配給契約が切れたと知ってのスタートで、同じ頃ベル~CBS経由でゴールド・ワックスの発売を計画していた、SOUL ONの桜井さんとは色々あったみたいですが、私としては大手でない分、よりマニアックな掘り下げをしてくれたので、ヴィヴィットからの発売は大歓迎でした。

そしてついにゴールド・ワックスの国内盤が発売。第一弾は2.4万で並んでいて涙をのんだあのジェームス・カーで、第二弾がスペンサー・ウィギンス。ジェームス・カーはLPが出ていましたが、スペンサー・ウィギンスはそれまでシングル盤しか出て無くて、このアルバムが、彼をまとめて聞ける世界初となったのですが。

初めて聞いた彼のA-1.Take Me Just As I Amから、ガッチリと心を鷲掴みにされてしまったのですが、A-3.Love Works That Wayも良かったなぁ、穏やかだけれどしっかりしたピッキングでキリっと入って来るイントロのギター、歌を支えるシャープなオルガン、これはあまり聞いた事の無い音で、奏者は誰だったのか知りたい所です。あとバック・コーラスもシャープで良かったなぁ。(ネット経由の音は少し穏やかに聞こえますが)

他にもB-2.B-3など、クリアな声がまるでガラスの破片のような鋭さと、ドキドキする感じで迫って来て、すっかり打ち抜かれてしまいました。

以前ローラ・リーのところで触れたB-6.Up Tight Good Womanは、最初の吹込みが彼だったのですね、これもこのアルバムで初めて知ったのですが、終りの方で聞こえてくるグロウル(ダミ声)もインパクト強くて、これもまた良かったなぁ。

 

2000年代に入りイギリスのケントからもCDが出て、この曲やA-5の曲は版権が違うらしく未収録ではありますが、より多くの曲が聞けるようになりさすがケント、日本にもマニアは多いけど、イギリスも病的マニア?が多いみたいで嬉しい事です。

しかし、こうしてあの時代に戻って聞いていると、サザン・ソウルって様式美のところがありますね、黒人のゴスペルに白人のカントリーの要素を取り入れ、アーシーなヴォーカルが切り込んで…と、ルーツ・ミュージックも好きな私が、ハマった要素がそこなのですが。

独身で、テレビには興味が無く、時間があると音楽を聞いていたあの頃、今、あの頃のような熱量は無いですが、折りに触れ当時夢中になったミュージシャンの名を見かけると、立て続けに何枚か聞いてしまいます。

 

先日音楽雑誌を手にとると、「スペンサー・ウィギンスさんが今年2月に亡くなっていた」との見出しを見かけ、早速帰ってLPに針を下ろしましたが、同じ歳のドン・ブライアントが元気に活躍中で、他にも80代のミュージシャンが頑張っていると、先月書いたばかりですので、とても悲しく残念な事。心よりご冥福をお祈りいたします。

以上【聞きたい365日 第349話】でした。

 

【関連の過去ブログ】 2023/03/09 ローラ・リー/ハング・イット・アップ



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