紀州七代大彦の木の家づくり日記

「ここちよく美しい暮らしのために」
和歌山大阪にて「一軒一軒ていねいに150年」家づくりに取り組み続けています

勉強になる建物

2006年10月14日 | イイ建築・家具の話

たまには気分をかえて、実際見てきた建物の事でも。

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この家は築100年以上の漆器屋さんの町屋です。外の格子の影が障子に写り、とてもキレイです。

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迫力ある木組みが内部に表れ、それがそのままで美しい。こういう事がスゴイ事です。黒い梁と白い漆喰のコントラストも美しいです。

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一瞬、ヨーロッパを思わせる様な、蔵の正面。白い漆喰の大きな壁に、窓3個と入口扉1個があるだけ。これで外観をカッコよく見せているのですから、これを建てた棟梁のセンスはなみなみならぬ物があります。(なかなか、こうはいきませんよ。相当努力しないとですね。)

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上の蔵の入口扉拡大写真。こんな存在感のある入口には、日本ではなかなか出会えません。この蔵の前を一時間位離れなかったほど、重厚感・プロポーション、めちゃ惚れです。

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最後に、今までとは違う家の(こちらも築100年以上の家)写真。

ここで注目したいのは、開口部。窓の向こうは池だったそうで、畳に座って眺める事を考えた窓の高さです。

今主流の家、外に出られる窓(テラス窓・掃きだし窓)以外の腰窓は、大体床から窓の下までが90cm位です。和室でも食堂でも、大体同じ。色々考えるのが面倒だから、それで統一しているのでしょうが、和室なら床に直接座るし、食堂ならイスに座るから本来同じ高さになる訳ないです。

またこの家の様に、「下の池を見るためできるだけ低く」みたいな、その場所・眺望なりの事が、本来窓の一番の目的のはずです。こういう所は昔の家は本当に自由闊達にやっています。ものすごく見習うべき所です。

畳の上にあぐらをかいて、窓枠に腕を置き、もたれかかりながら池を眺める。池から吹き上がってくる涼しい風にあたりながら、お茶・お酒を飲む。とても気持ちよさそうです。

これはスゴク贅沢でしょうが、家っていうのは、本来、こういう風に自分達が生活していて気持ちの良いだろうなーという事から造りあげていく物だと思うのです。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは。 (酒井利美)
2006-10-15 14:46:00
こんにちは。
人気ブログランキングから辿り着きました。
1クリックしていきますね。
写真参考になります。
また寄ってみます。
返信する
ありがとうございます。 (hiro)
2006-10-15 16:07:50
ありがとうございます。
又、遊びに来てくださいね。

僕も1クリックしに遊びに行かせてもらいます。
よろしくお願いしま~す。
返信する
コメントの返事が上手く書けなかったので記事にて... (Mちゃん)
2006-10-15 23:05:39
コメントの返事が上手く書けなかったので記事にて返事するつもりです。また来てください。

ぽちぽち
返信する
どもご丁寧にすんません。 (hiro)
2006-10-16 07:46:26
どもご丁寧にすんません。
また行きま~す。
返信する
古臭さではなく、風格がましていく建築ですね。 (sugioka)
2006-10-16 08:25:06
古臭さではなく、風格がましていく建築ですね。

設計うんぬんではなく、何か日本人の感性に響くものを持っている感じがします。

私はこういう建物も好きですよ。
返信する
そうですね。長くもっている建物(すなわち住み手... (hiro)
2006-10-16 11:53:17
そうですね。長くもっている建物(すなわち住み手に愛されている建物)は設計うんぬんじゃない、もっと大きなものがありますね。
設計も施工も良いのは当たり前で、更にそれを超えるものがある建物を造っていきたいものです。
コメントありがとうございます。
返信する

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