砂蜥蜴と空鴉

ひきこもり はじめました

三者童話

2004年10月04日 | ログ
赤い頭巾の少女が一人。

この場に悪魔がいたならば。
彼は笑って狼の代わりに少女を美味しく食べたでしょう。

この場に天使がいたならば
彼女は微笑み少女を優しく導いたでしょう。

赤い頭巾の少女が一人。

この場にいるのは人間の私。
無表情に通り過ぎ、無関心に忘れましょう。

友情?

2004年10月04日 | ログ

女「ねぇ・・・」

男「ん?」

女「私たちさ、今馬鹿なことしてるよね」

男「まぁな。馬鹿だし、俺たち」

女「・・・」

男「何だよ、悩み事か?残念ながら俺に相談しても知能指数の爆発的上昇は望めないぞ」

女「あんたにそんな事相談する訳ないでしょ、古典25点」

男「そいつは悪かったな、数学17点」

女「ぐ・・・」

男「いいからとっとと吐け。つまんない顔されると俺まで嫌な気分になる」

女「ん・・・ごめん」

男「あ゛ー!!謝らんでいいから!!とっとと!!入れ!!本題にぃ!!」

女「・・・だよね?」

男「んあ?」

女「私たちさ、今もこうして馬鹿な話してるけどさ、いつまでこんな風にいられんだろうと思ってさ」

男「はぁ・・・?」

女「楽しすぎるんだよ、今が。いつか来ちゃう、こういう馬鹿騒ぎの終わりが怖くなっちゃうほど」

男「へぇ・・・」

女「らしくないとかは却下だからね、自分でも分かって喋ってるんだから」

男「いや違う違う。お前もつまんないこと考えて生きてるんだなぁって」

女「・・・」

男「っ痛!無言で蹴るな馬鹿女!!怖いし痛いし驚くだろうが!!」

女「むー。あんたにこんな話して私が馬鹿だったわよ、もう・・・」

男「だってさ。関係ないだろそんなの」

女「え・・・?」

男「まぁ確かに卒業しちまえば会う時間も減るだろうしこういう馬鹿騒ぎも滅多にしなくなるだろうけどよ」

女「けど・・・?」

男「友達だろ。俺たちは。

女「・・・」

男「俺は永遠なんて信じない。だから10年会わなくても同じように誰かと笑いあう自身なんてない」

女「それじゃあ・・・」

男「けどさ、仮に地球が超新星になって消し飛ぶくらいの時間が経っても・・・今この瞬間にあるお前と俺は友達だ」

女「・・・」

男「だから信じてもいいぜ。馬鹿騒ぎが終わっても残るものを」

女「・・・古典25点と数学17点の友情、か・・・」

男「合わせても平均ギリギリの点数だな。期末はマジでやらないと・・・」

女「・・・だね。ウチ来て勉強する?下二段活用の極意を教えてあげるよ?」

男「やるなら数学だろ。こっちは一夜漬けじゃどうにも・・・って何不気味に笑ってんだよ」

女「別にぃ。女神の微笑みでしょ」

男「それはまた随分とブギーな女神だなって痛!!だから無言で蹴るなよ馬鹿女!!」


(暗転)

むだい / 片目の猫がやってくる

2004年10月04日 | ログ
非金属の扉が閉まる
頭は急かす。速く。速く。
片目の猫がやってくる。
足音よりも。速く。速く。
息は上がる。身体は揺れる。
片目の猫がやってくる。
逃げろ。速く。速く。
追いつかれる前に。速く。速く。
扉を閉めろ。足を動かせ。速く。速く。
片目の猫がやってくるぅ!!

アハハ。