今回はマイルス・デイヴィスとセロニアス・モンクのグループとの演奏ですが
マイルス・デイヴィスのソロのバッキングにピアノはいないです。したがって
バックはベースだけです。
この演奏は全体がFのBluse スケールでモード的手法で演奏されています。
即ち音の対比による演奏です。モード的ですから4度・5度の音程が少ないということ、
これは4度・5度の音程は和音を決定しやすくスケール的な横の流れを縦の和音のサウンド
で止めてしまうからです。極端ですが小節線で区切られている和音によってフレーズも
小節線で切られやすくなってしまいます。
上のBluseスケールと、それの3度のスケールと基音単位と対比単位を表しています。
3度のスケールでは3度を「A♭」音にしたものも作ってみました。最後の音「A」で
メジャーに戻っています。
次の基音と対比音の単位ですが、すべて3度で出来ています。これは5度を入れると
和声的なサウンドになるためです。演奏できる人は基音単位の中からいくつかを選び
その後に対比音というように交互に演奏してみてください。
次の楽譜はBag's Grooveの一節です。コード進行は変わりますがだいたい、
このメロディの繰り返しです。
この曲では別の演奏で上のようなバッキングが演奏されています。
下の楽譜では書かれていませんが実際の演奏ではこのようになっていると思われます。
5段目6段目のB♭7の赤丸部分にディミニッシュらしい音列が見られます。
全体が「Fブルーススケール」で演奏されています。コードが「F7」以外では対比音が
強調されていることが分かります。黒い矢印の部分です。
22小節目には「F#」と23小節目には「D♭」音がありますがこれらは次の音への
アプローチノートです。アプローチノートはベースになるスケールにはない音が使わ
れることがあるので「スケールと違うからスケールモードも別だよ!」って考えないで
下さい。
1小節目はアウフタクトの「A・F・A♭」から3小節目までが1フレーズです。1小節目は「B♭」の
音が長いですが「A♭・B♭・A♭」という形で音の長さに惑わされないで下さい。
全体に2度と3度の音程で基音と対比音がきれいに組み合わされたモード的で突飛な跳躍する音は
ありません。上の基音と対比音の楽譜で和音ではなくFBluseスケールの対比で演奏されていることを
確かめてください。和音で解釈しようとすると不協和音ばかりになります。
最後にフレーズは小節線を乗り越えるのでとらわれないで下さい。コード進行がガイドであって
コード進行がメロディではないということです。意図的にやる場合、例えばリフものは意図的に
出来ている場合が多いです。
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