今回から「Bye Bye Blackgird」のアドリブとMiles Davisの分析です。
メロディは主にFionian Gdorian D7♭9 のスケールで構成されています。
下の楽譜は元のメロディ(上の段)とMiles Davis の演奏(下の段)に書いてあります。
矢印と三角はTarget でStart と Endです。スケールの基音単位と対比単位もありますが
メロディはスケールの流れるままという感じです。
1コーラス目の最後はアドリブへ移るためのブリッジです。
メロディのソロの部分と上に示したスケールモードの基音単位と対比単位を比べると
メロディは和音に沿って進行していることが分かります。すなわち和音にあったスケール
を選んでそのスケールに沿っています。演奏もその原曲の考えを崩すことなく行われています。
この曲は和声によるメロディ作りがされているということです。
Bye Bye Blackbird Miles Davis02
Miles DavisのBye Bye Blackbirdのアドリブの分析の第1回目です。
分析は旋律理論の部分と和声との比較など自分なりに分析をしているのでちょっと
時間がかかります。2回目以降の楽譜と分析は終わっているのですが皆さんに
納得していただくための説明文が終わっていないので悪しからず!
1曲丸ごと欲しいと思う方がいるかもしれませんがそうすると投稿が1か月とか
2か月で1回できるかどうかとなってしまうのでこのように数小節で出しています。
前回ではメロディの演奏部分を見ていただきましたがどうだったでしょうか?
簡単に言えばこの曲は和声によるメロディ作りがされているということです。
分析ではコンサート譜で行いますのでトランペットで演奏する場合は1オクターブ
さげて1音上げKey「G」演奏してください。グリツァンド記号部分は半音の装飾音です。
分析ではアドリブになると和声によるメロディからスケールモードで音の対比による
演奏になり「F ionian」「Gdorian」とそれらをつなぐブリッジになるスケール(D7♭9など)
でバッキングのコードを追いかけるようなフレーズはほとんどありません。
原曲の部分がターゲットとして使われるのでコードに沿ったということとは別です。
最初の4小節はアドリブにつながるブリッジになる部分です。「Gm7/C7」はGドリアン
「F」はFイオニアンで「A」のロングトーンはGドリアンとFイオニアンとの共通音で
フレーズからはGドリアンのフレーズが次の小節までつながっていると考えられます。
フレーズは小節線を意識しないということです。その結果として和声に合わない音
が出現します。この時、和声ではなくフレーズとして良いかどうかが優先します。
次の「G・E」「C・A」で「G」音と「C」音は3度の弱い対比音です。「E・D」で
「D」音は基音「F」音の下の対比音で次に基音「F」音を予感させますが。
「d」音を次のFイオニアンは移るためのブリッジとしてGドリアンを経過的に入れ
たものか?ですがその後の1オクターブ上の「E・C・A」までをフレーズとすると
Fイオニアンの対比音「D」サウンドに一時的に中心音をうつし緊張感を高めて次の
「E・C・A」で基音単位となり緩和になったようです。休符は音がないと考えないで
下さい。フレーズの間(ま)でありますからブレスをしようがしまいがフレーズとして
どうなんだということを考えます。小節線も同じ考えでフレーズの切れ目ではないのです。
次のコーラスではここが完全にFイオニアンですのでブリッジではなく対比音で緊
張感を高めたもののようです。赤いっカッコはフレーズの切れ目です。赤丸はターゲットに
使ったらしい音。
最後から3小節前の「B」音です。ここはコードが原曲「Am 7/D7♭9」で下はアドリブ時の
バッキングのコピー「A♭dim7」ですがここはピアノかベースが「Fmaj7」の「A」「A♭」
「G」と意図的に付けられたもののようです。ここでMiles Davisは2コーラス目では「D♯」
「D」という音を使っているので彼の考えていたこのブリッジは「A♭m7」すなわち
次の「Gm7」への半音進行です。
メジャー7度のコードで6度の音良く使われます。ここでは「Fmaj7」の6度の音「D」
です。この音は基音の対比音で「基音から6度そして基音」を予感させながら6度で止まる
というようメジャー7でありながらに意識的に6度を使うプレイヤーは多いです。
和声的にはぶつかるよ!ぶつかるんだったらテンションでしょと考えるのは短絡的!
結果的にはメロディックテンションになるのだけどね!
Bye Bye Blackbird Miles Davis03
3小節目のGドリアンで「A」「C」「A」の3音が対比音で中心音が音「A」
Gドリアンの対比単位側のサウンドになっています。これが次の段のGドリアンで
「A」「G」の音列で基音「G」の基音単位のサウンドに戻っている。
旋律(アドリブ)ではスケールモードの中心音(サウンド)が基音単位側、
対比単位側と入れ替わりながら進行していく。対比単位側のサウンドになるような
フレーズの時は一時的に中心音が変わったという。この場合ですと「G・B♭・D・F」
の基音単位から一時的に「A・C・A」の対比単位に中心が移ってから「G」音すなわち
「G・B♭・D・F」の基音単位に戻って一つのフレーズが出来ている。
最後の段ではGドリアンで「A・C」が対比単位で最後のFイオニアンでGドリアンと
Fイオニアンの共通音で終わっている。「F」音がGドリアンの基音単位の7度で
Fイオニアンの基音。重複することで対比単位サウンドを基音単位のサウンドに戻した
とも考えられる。和声でもこのようにコードが変化する境目では重複した音(重複した
音階)が使われます。
Bye Bye Blackbird Miles Davis04
3小節目で「F」の音がFミクソリディアンの基音「F」が次のD7 ♭9のスケールの3小節目
で小節線を越えたフレーズになっている。「A・G・F・D・C・F」
→F
最後の段の3小節目はD♭7(C#7)のミクソリディアンは、GドリアンからC7を
ブリッジにして次の「F(Fミクソリディアン)」に移るまえの和声的な動きに連動した
ものです。「Gm→D♭7→C7」のコード進行で音「D→D♭→C→B♭→A」が考えられます。
また、「Gm7♭5」をドミナント進行に置き換えた場合の「G7」の裏コードが「D♭7」
です。アドリブとバッキングがそれぞれの意志で動き多重的になっているということです。
Bye Bye Blackbird Miles Davis05
2小節目から3小節目にかかる「C」音はFイオニアンの基音単位と次のD7♭9の
基音単位の音とも和声的にはAm7♭5の3度音とも考えられます。アドリブをする
人の意志はどこにあったかということを考えさせられます。
最後の段では2小節目と3小節目にかかる「E」音がGdドリアンの対比単位の音で
3小節目でFイオニアンの基音単位の音へとするか、和声的に「C7」の3度でも問題
はない。
次に対比音から基音へのアプローチを考えてみます。
ビートルズのYesterdayの1小節目と3小節目がいい例になると思います。
まず、対比音から基音へのアプローチは強拍に対比音があった方が効果的である。
Yesterdayでは強拍は変えずに音の長さを変えたもの「8分音符を付点4分音符へ」と
対比音に装飾音「G・A・G」で「A音はG音の装飾音」又は対比音に対する対比音
「E・G・E」で「E音に対するG音はE音の3度の対比音」を加えた形を考えてみました。
Bye Bye Blackbird Miles Davis06
最初のGドリアンの「G・B♭・D・F」の「F」音は和声的にはつぎの「E」音のアプローチ
ノート「Cミクソリディアンの対比単位の音」そして、「E」音は次のFイオニアンとの
重複した音でそのまま「E・C・A・F」音とFイオニアンの基音単位へ。ですが、
単純に和声でGm7の「G・B♭・D・F」C7の「E」Fの「C・A・F」か?これだと
ほとんど分散和音。前回はこの部分はさらっとして説明が足りなかったような気が
したのでちょっとつぎ足しました。
2コーラス目の3小節の「D・C」音は対比音「D」と基音単位の「C」。「A・C」は
基音単位のようですが「A」音は単なる「C」音のアプローチ(3度の弱い対比)で
「D・C・A・C」というフレーズのリズムの変形タイプのようです。
最後の段の2小節目の「♯D」音は「G♯m7」で次の「Gm 7」への半音進行のブリッジ。
バッキングは「F」の「A・C」音「Gm 7」の「G・B♭」その経過音として「A♭」「B」
A♭7はD7の裏コードで結果的にA♭mやA♭dimのようなフレーズになった場合和声的には
「B」「D」音は♭10th・♯11でコード処理されると思われます。単音で演奏する楽器が
ブルーストーンを使うとその部分はマイナーなサウンドになるので和声で当てはめると
そうなってしまうということです。スケールモードで考える場合はスケールを設定して
基音単位と対比単位のどちらかと中心音がどこかでフレーズは展開します。
次の楽譜では最初はメロディがほとんどそのままです。
最後の段はGドリアンでは対比単位のサウンドC7の小節の「B♭」音で基音単位に、
次の「C・A・F・C・E」の「F・C」は「F・D・C」で「D」音が省略されています。
Cミクソリディアンだと基音・対比音単位・基音3度で次の「F」で終了です。
Bye Bye Blackbird Miles Davis07
最初のFミクソリディアンは対比単位「G・B♭・D」が基音単位「F・A・C」の
あいだで経過的につながっている。「F」音に向かう「D」音は「E♭」音の
ユーフォニー的逸脱!和声的には7thの「E♭」音になるのが自然と思われます。
「Am7♭5」では長い「D」音が次の「C」音への経過音で対比音で緊張感を出している。
最後の段の「B♭」音で前の小節からアーフタクトで始まっている「B♭」音は「D7♭9」
の対比単位の音で次のGドリアンの基音単位の音。共通音を使ったフレーズと言える。
2小節目の「A・G・F・D」は「A」音が強拍で対比音で基音「G」音へ!
D♭7では「G♯」「B」に対して半音でアプローチは和声的。最後は小節線を飛び越えて
「Gm7・C7」の小節まで入り対比音「D#」音でフレーズを終えている。
「D#」音は和声でいうと「C7」の♭10thです。
Bye Bye Blackbird Miles Davis08
Fイオニアンのフレーズが3小節目まで小節線を越えて演奏されている。
D7で「G」音が長く対比音のサウンドを強く出してから3度音「F#」音へ
最後の段の1小節目は元のメロディをなぞっている音列。2小節目はGドリアンだとすると
「C・E」という対比音から「D」音はGドリアンの基音5度で次の小節のFイオニアンの
小節の1拍でFイオニアンの対比5度。スケールモードの変化部分での共通音「D」音による
連結である。最後に、D7の小節の「D♯」音とC7の小節の「F」音に注目して下さい。
「D#」音は弱拍にあり次の「D」音は強拍。次の「F」音は強拍にあり次の「E」音は弱拍。
「F」音は強拍部にありハッキリとつぎの「E」音との対比を感じさせた結果「C・E」という
Gドリアンの対比単位を中心音とし次の音「D」音で基音単位に戻り安定。そのままFイオニア
ンの対比単位の音「D」音になっている。
ここでは「Gm7・C7」をGドリアンとする場合を解説しています。「C7」をCミクソリディアン
とすると基音3度「E」音が強くあるので協和的で安定的になります。「D」音は経過音にのよう
なります。
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