Miles DavisとJohn Coltrane のアドリブを並べてみました。
Miles Davisのモード的対比のアドリブに比べて、
John Coltraneは和声的でコードトーンに向かって解決するかたちのようです。
Miles Davisについては解説を省きます。
2小節目の「G・E」次の「F」音のアプローチノートです。モード的な場合は
「E」音はユーフォニー的逸脱によって「D」になるのが通常です。
3小節目の「G」音は対比を現していますが次の「G・C」で「A」音を
省略した4度で基音単位との対比かと思うと次の「G」音は弱拍にあり「F」
音への装飾音になっています。モード的ですと「G」を強拍において次の
基音「F」への対比を現すかたちになりますがここでは「C」と「G」音が
一体となってドミナントのサウンドになっています。「G・C・F」で省略音
「A」音を入れると「G・A・C・A・F」という音の流れになっています。
最後の段の3小節は明らかに「C」「B」「B♭」というバッキングで流れるであろう音が
意識されています。すなわちAm7(F)・A♭m7・Gm7です。
2小節目の「D♭・G♭」は「C♭」が前にあるので「D♭・C♭・A♭・G♭」。
3小節目の「B♭・F♯」の「F♯」音は次の「G」音への装飾音符。
4小節目の「F♯」音は次の小節でGmへ解決していくためのメロディックマイナースケール
(旋律的短音階)を意識したものです。前半をC Lydian7次にD7(メロディックマイナー)
と次に進行していく方法としては色々考えられます。
ここの分析でモード的か和声的かの分岐点として考えたのはモード的の場合は対比音が強拍で
基音単位に対してハッキリと対比しているかということです。
対比音が弱拍になると装飾音や倚音(いおん)などになって対比が感じられなくなってしまいます。
この場合は和声的と考えました。
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