今回からは実際に教則本を題材にしてどのように演奏したらいいのか?の参考になりそうな
事を紹介していきます。今回はロングトーン(全音符や二分音符)の演奏をどのようにするか?です。
音の発生から減衰の連続を視覚的に表すと下の図のようになります。
サックスで演奏すると音は連続しているように考えますが実際は「2」の例のように
音の隙間ができます。これらはサックス以外のどんな楽器にも当てはまります。
トランペットなどの金管楽器のピストンバルブを動かす時間、
ピアノのハンマーが弦にあたって音になるまでの時間、
ギターのピックが弦を弾く強さや左手の移動時間などどんな楽器にも当てはまります。
本題に戻ります。この隙間は実際は息が吹き込まれていますから瞬間的な
短い時間のグリッサンドになっていると考えられます。
ここで問題になるのはこの隙間です。
「1」のように同音の場合はタンギングによってテンポとそれぞれの音との
タイミングは合わせることができます。長さも保てます。
「2」の場合を見てください。音の隙間が出来ています。この隙間がずれたり
増減することでフレーズやテンポとのズレが生じます。また、早いフレーズが出来ない
とかタイミングが合わないということもこの隙間が原因の一つになります。
この隙間を極小にするためにはタンポの開け閉めを素早く行うことがその誤差を
最小限にすることとなります。素早い運指と言っても漠然としていますので
下の譜面のような練習を試してください。全音符や2分音符では素早い運指は想像できません
ので素早い運指をしなければならない状況で、より素早くタンポの開け閉めをすることを考えます。
ここでは素早く動かすフレーズとして16分音符を使います。そして、この運指の素早さで音価の
長い音符(4分音符・2分音符・全音符など)でも素早い運指をすることを覚えます。
また、音価の短いものやテンポの速いフレーズや演奏でもその素早さにより音の長さが保てるよ
うになります。ここでは音価の短い16分音符から音価の長い2分音符へと順に変わりますが
始まりのタンギングと素早い運指は変えません。
ここまで来て素早い運指で音の隙間を最小限にすることの意味が漠然として
いる方へ「バッハのG線上のアリア」を聞いてください。
これをもしサックスで演奏するとしてあの大きなフレーズに音の隙間が
あったらどうでしょうか?
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