世界の艦船は9月号の特集・今日のNATO海軍です。
NATO海軍についての特集は初めてではないかと思います。
ロシアがウクライナに進攻後についてヨーロッパ各国の動きは活発化しています。
そしてかつてない国際軍事機構となったNATOの海軍についての特集です。
岡部氏は「世界最大の国際軍事機構 NATO海軍の現況と将来」と題して、
NATO海軍の構成と指揮、命令系統に着いて解説されており、大変複雑であり、
運用の大変さが分かります。
通常任務は警戒、監視ですが、情報連絡系統が度の様になっているかの記載はありません、
タスクホースも各国が差し出す艦船により、その任務体制が構築できるかは疑問です。
何より各国の艦船はそれぞれの国情に合わせて構成されているので、
基本的に共通の艦船はありませんが、一部艦船については共用しています。
ただ、演習は頻繁に実施しており、この点は重要な事の一つと思います。
キール・ウイーク2023
注目のNATO艦艇として潜水艦、空母、水上戦闘艦、揚陸艦、機雷戦闘艦艇、補助艦艇
について、各氏が解説されておられます。
気になる点は各艦艇とのデータリンクは度の様にして構築しているのか、
情報システムも違うので、情報共有をどのような仕組みで構築しているのか、
この点も知りたいところでした。
そして富永氏の「NATOとロシアの海軍力を比較する」
では圧倒的にNATO軍が優位な状況であり、
ロシアは北洋艦隊と太平洋艦隊に主力を置くこととなります。
とりわけ太平洋艦隊は中国海軍との連携強化も模索して
日本近郊での共同演習を頻繁に行っています。
中国については経済発展と中国軍の強化は欧州NATO諸国の対中観は変化しおります。
その結果、イギリス、フランス、ドイツ等の各国はインド太平洋へのプレゼンスを実施すべく
インド太平洋各国との連携強化のため主要艦艇を派遣して中国を牽制としています。
ロシア、中国、イラン、北朝鮮による脅威が深まる中で、NATOは欧州のみならず、
グローバルな対応が求められるようになるのではないかと思います。
その中で自衛隊も国防強化を図っていく中で、残念な事象があります。
堤氏の「「いなづま」座礁事故の調査結果を考える」において
艦長の資質について苦言されています。
このことは香田氏が「防衛省に告ぐ」で防衛省上層部の腐敗ぶりをなげいておられますが、
海上自衛隊上層部にも波及しているのではないかと勘繰ります。