毎年1月号の特集は海上自衛隊です。
「海上自衛隊ホームページより」
概要については勝股秀通氏が解説されていますが、今回は防衛省への厳しい指摘です。
中国海軍の増強が著しい現状においての対応が現場を見据えた構想となっていない事を指摘されています。
それは2025年から大々的な組織編成がおこなわれるからです。護衛艦隊から水上艦隊へ、
内訳は水上戦隊、水陸両用戦雷戦群、哨戒防備軍となり、地方隊はそのままとなり、
システム通信隊群はサイバー防衛群となります。
「海上自衛隊ホームページより」
8艦8機体制からの脱却です、多種多様な状況において旧態体制では機能不全に陥ることが分かります。
ではどの様な体制が必要であるか、艦船のマルチタスク運用が求められてきます、
限られた艦船数を迅速に的確に運用するには艦船を細かく分類して運用するのではなく、
稼働可能艦船をその時の求められる要求に応えるように体制を整える必要があります。
しかし、防衛省の構想には疑問点が多々あります。
各解説人はその点について課題を指摘されています。
そしてサイバー防衛群については佐々木孝博氏が解説されていて、
米海軍「第10艦隊/艦隊サイバーコマンド」を念頭に置いて新たに組織化された組織で、
これまで個別に情報収集されていた情報を統計だて8項目に分類されています。
サイバー戦についてはサイバー防御、サイバー攻撃、サイバー情報戦に分類されます。
情報戦、サイバー戦における課題としては人材です、
これまでのように副次的な任務としてではなく、専門職としての体制が求められます。
後は矢野氏の「海上自衛隊のVLS搭載潜水艦を考える」についてですが、
これもよく井上孝司氏が言われているように各国が装備しているから我が国にも必要との概念は予算の無駄であり、
現在の哨戒潜水艦からの拡大であれば、人材確保、基地整備の拡大となり、イージス・アショアの二の舞にならなければと思います。
防衛予算は拡大するばかりで増税も必要となる今日において
国民の賛同が得られるような防衛体制が構築する必要があるのではないかと思いました。
そして現在の海自課題とし危惧していることは事故等の多さです、
艦艇座礁、ヘリ衝突、艦艇火災沈没、パワハラ等々と
組織としてトップから下部組織まで今一度基本に帰るべきでしないかと思います。