サイバーセキュリティの小宮山氏と軍事の小泉氏がインターネット上に広がる「サイバー空間」の
インフラ部分について現場での視察を基に地政学でひも解いておられます。
サイバースペースを構成しているインフラ部分については報道等では知られていないところですが、本誌では二人の視点で観察されています。
自分も通信会社で仕事をしていたので、身近に感じたことが沢山ありました。
千葉のデータセンターから始まりましたが、テータセンターの形態は3種類に分類できます、
通信事業者、電力会社、クラウド会社です。共にそれぞれの強みがあります。
通信事業者はネットワークとの接続への強み、電力会社は電力供給への強み、クラウド会社はサーバーのクラウドサービス利用での強みです、
通信事業者と言っても本来のインフラ部分はNTTグループとKDDIグループが握っているといっても過言ではありません。
元々はNTTグループが国内をKDDIグループが国際通信の事業者でありましたが、民営化後にはそれぞれの枠組みは取れてボーダレスとなりました。
両者は海底ケーブル船を所有しており、海底ケーブルの敷設、保守を担っています。
自分は前に日米間の光海底サーブルについてブログにも掲載しましたが、これらは重複しています。
その中で海底ケーブルの引き上げ箇所への懸念を両氏は指摘されていますが、場所についてはインターネット上にも掲載があり、秘密ではありません。
ただ、監視体制の重要性については賛同します。
第4章AI時代の「データグラビティ」についてはデータセンターを何処に設置するのが良いかとのことですが、
それぞれに強みがあり、危機管理から言えば分散して相互依存をすることが地政学的にもよいと思います。
第5章海底ケーブルの覇権を巡って―新たな戦場になる海底と
第6章ポスト帝国のサイバースペース―エストニア、ロシアについては小泉氏が解説されています。
現在の海底ケーブルにおける各国の動向について解説されていますが、問題はロシアと中国についてです、
特にロシアは深海調査総局の保有している艦船が潜水艇母艦から水上母艦と多数であること、
狙いは海底ケーブル、SOSUS、FDSの調査から破壊までを任務としています。
中国はロシアとは戦略が違い、海底ケーブルのインフラ部分において西側と対抗しようとしている点です。
これはルーターにおいてシスコシステムズが独占していた時代からファーウェイが安価な価格で市場に参入して
なおかつデータを盗もうとしてことと同じで、海底ケーブルを敷設、運用をしてデータを盗もうとしていることが分かります。
この様な混とんとした状況においてロシア、中国は自国のネットワークを管理、規制できるように法律等を変え、監視を強化しています。
両氏はこれからのサイバースペースについて懸念されています、
日本のサイバースペースを安全に維持していくことの重要性を改めて感じました。
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