本著者のライザ・マンディについては『ミシェル・オバマ』を読んで知っていましたが、
その時の感想は細部にわたって調査されており、大変優秀なノンフィクション作家であることを認識しました。
その彼女が第二次世界大戦での米陸・海軍の暗号解析においてアメリカ人女性が活躍したことについて、
戦後も守秘義務を守り、口を閉ざしてきた当事者らへのインタビュー、
当時の手紙、機密解除された史料などをもとに、
情報戦の一翼を担った女性たちに光をあてのが
『コード・ガールズ』~日独の暗号を解き明かした女性たち~、
原題『CODE GIRLS』~The Untold Story of the American Women Code Breakers of the World War II~
です。
自分は映画とかで見ていた事が暗号解析物語の一部であることを知りました。
特にドイツのエニグマ暗号機についてはイギリスが解明して解読していて、アメリカとの関わりについては知りませんでした。
本誌に出てきた、解析機「ボンブ」はイギリスが開発しましたが、
元はポーランドで「ボンバ」名で作成していて、イギリス、フランスに情報提供されていたこと、アメリカで大量に作成されていたことです。
そしてエニグマ暗号機をドイツから略奪してもそれだけでは解読できないこともです。
日本については外交暗号(通称パープル)を紙と鉛筆で解読したことについてはアメリカ女性の優秀性を裏付ける事であり、
アメリカ陸・海軍もそのことについて認識したことにより、
1万人以上の女性が解読作業に従事させたことです。
このことにより暗号解読の処理能力が格段に上がり情報が上層部に素早く上がります。
インテリジェンスにおいて情報の精度と情報の共有がいかに早く出来るかが、大切です。
そのことにより、大西洋でのUボートへの対潜攻撃が格段に優位になったこと、
太平洋では日本船舶への攻撃が的確に行えるようになったことです。
それと、どこの国の陸軍と海軍の仲が悪いことも良くわかりました。
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