ガールズポップスの師匠(笑)“ガールズ・ドット・ミュージック”のChikaさんのレヴューやライヴレポを読んで、どうしても聴きたいと思い発注したCDが2枚。
いい感じにハマってきてます♪
お名前を“いいくぼ さおり”さんというピアノ弾き語りのシンガーさん。
昨年末に一般流通する様になった4曲入りCDが2枚。
どちらも、密度の濃い作品です。
リリカルで非常に情緒を感じる歌が詰まってます。
弾き語りですから、スロウな曲がメインかと思いきや、とてもダイナミズムを感じるピアノの歌いっぷりが印象的でした。ヴォーカルも、非常に好きなタイプと言いますか、ソウルを感じる押し出しの強さと切ない高音が微妙にマッチしたイイ声です。
で、記事タイトルの話ですが。
実は、彼女に惹かれた一つの要因が、その曲作りなんです。
Chikaさんも仰っていましたが、『ピアノ弾き語り』というとシンガーソングライター、みたいな固定概念があったりするモノです。
彼女は、この2枚のCDに収録された8曲のうち、自分で歌詞を書いた曲が1曲だけなのです。作曲は5曲しているのですが。
ソングライティングに関しては、発展途上というコトなのかもしれませんが、ピアノ弾き語りというスタイルなら“先ず自分が伝えたい言葉ありき”というヒトが多い気がします。
『言葉よりも、メロディやピアノアレンジで自分の何かを伝えたい』そんなキモチが少しあるんじゃないか、なんて個人的に思ったりもして。
バンドにしろ、ソロにしろ、歌を歌う人というのは“詩を書く”もの、みたいな風潮があったりしませんか?
もちろん、一人で詩も曲も書く人も多いですが。
でも、多いパターンとしては、
★自分が書いた詩にサウンドクリエイターが曲を付けて歌うディーヴァ
★ヴォーカルが書いた詩にギターやキーボードのメンバーが曲を付けるバンド
そんなのが多くありませんか?
詩を他人任せにして、曲だけを書くシンガーというのにお目にかかった事が殆どありません。詩を書くのが苦手なのに、歌っているからという理由で作詞者にクレジットされている例はあんなに多いのに(笑)
一時期の山下達郎は、詩を吉田美奈子に任せていたと思います。
“はっぴいえんど”は、大滝詠一・細野晴臣・鈴木茂という3人が書いたメロディに松本隆が歌詞を書き、それぞれが歌っていました。
スペクトラムも、殆どの曲で宮下康仁や山川啓介に詩を任せていました。
思い浮かぶのは、そんなトコロでしょうか。
女性シンガーで、曲だけ書いて詩は別の人というのは珍しいと思うのです。
そこには、メロディやピアノやアレンジで訴えかける姿勢が見えたりする。
それが、私のようにサウンド志向の人間には凄く惹かれる部分だったり。
1枚目の「ドミノワルツ」「パノラマ」、2枚目の「テトリス」「眠れぬ夜のシンフォニー」といった辺りが、個人的なレコメンド。彼女自身のピアノアレンジが、メロディの持つ魅力を引き出し、ヴォーカルの吸引力を増幅させている。
また、イイもん教えてもらいました(笑)