今、若手でセンスのいいバンドを挙げろ、と言われたら必ずリストアップするであろうバンド、BEN thinks little of sneakersが待望のアルバムをリリースした。
前作『module』を聴いたのは一昨年のコトだったが、その音の魅力に虜になったのを昨日の様に思い出す。
そして今回は、更なる進化を遂げている彼ら。
メロディのチョイスにしたって、アレンジのアイディアにしたって、ギターフレーズやベースライン、それこそあらゆるサウンドプロダクションが、センスによって左右される。
勿論、どんな音楽に影響を受けたか、そしてそのルーツをどんな風に咀嚼して自分の意匠を加えるか、というのは最もセンスがモノをいう部分なのだが、彼らはココが尋常じゃなく凄い。
この若さで、これだけの音を作るバンドはなかなかお目にかかれないと思う。
ジャズ、ソウル、ファンク、ロック、シティポップス、ボサ・・・色んな音楽の要素を攪拌して、美味しい髄の部分だけ取り出した様な音を作る手腕に脱帽。
入江くんのヴォーカルは伸びやかでソウルフルで、甘さも感じられるのが魅力。
東くんのギターは、ホントにグルーヴィでエッジが立った部分と柔らかい部分が良いバランスで溶け合ってる。
岡本くんのベースは自然と身体が揺れるビートを的確に刻むと同時に、サウンドを見事に下支えする。
今回のアルバムで個人的にオススメは、躍動感溢れるビートと気持ち良いギターが聴ける「simple」。サビメロがフックが効いてて大好きです。それと、ギターソロも。
あと、素晴らしくカッコいいアッパーグルーヴ「please don't go away」。シャープでクールなベースと、サビ前のドラムのキメ、間奏のピアノソロ&サックスソロ、どこを取ってもグルーヴィなコトこの上ない。勿論、粘りとスムースさを兼ね備えたヴォーカルと、ひたすらファンキーなギターカッティングが最高なのは言うまでも無く。
私の大好きな“paris match”の杉山氏が帯コメントを書いてくれるくらい気に入られている様で、私としても嬉しい限り(笑)
きっと、これからの音楽シーンを担うポップアルチザンになる存在だと確信しています。
とにかく、聴け!と迷わず断言できる作品になっていると思うのです。