中納良恵という名前を聞いて、ピンとこない人も結構いそうな気がする(苦笑)
EGO-WRAPPIN'のヴォーカルだと言って、ようやく「あぁ!」と気づかれるかもしれない。
そんな彼女が初めてソロアルバムをリリースした。
いいアルバムです、コレ。
エゴの時の彼女を想像してると、驚きすらある。
一人のシンガーソングライターとして考えると、メロディのセンスや懐の深いヴォーカルに非凡な才能を感じずにはいられません。
色んなタイプの曲が収められています。
でも、良恵さんの歌とピアノが「芯」の部分でしっかりと世界を構築している。
鈴木惣一郎のアレンジによる「幸福の会話」は、Jazzyで柔らかくも力強いヴォーカルが印象的。鈴木氏のドラムが実に心地よい。
リードナンバーの「ソレイユ」は、ベースのTokieさんとドラムのあらきゆうこさんと本人のアレンジ。良恵さんのピアノと、ホーンが耳に残るキャッチーな名曲。サビの感じは、少しエゴラッピンの匂いもするけど、中納良恵というシンガーの世界がちゃんとあって。
向井秀徳や、リトルクリーチャーズの青柳拓次&栗原務がアレンジした曲があったり、スクービードゥーのMobyがドラムを叩いてたり、人選が幅広くてヴァラエティに富んでいる。
それにしても、あの向井秀徳が中納良恵の世界に惹きこまれてる(笑)
もの凄い吸引力だなぁ・・・
アカデミックな部分と、ポピュラリティの強い部分が、絶妙のバランス。
格調高いのにベタなとこが生きてる。
キーワードは「普通」
言い換えれば、普遍性を湛えた“スタンダード”
何年でも聴き継いでいける、時代を越える力と“凛”とした魅力を持つアルバム。
良質なポップスとは?という問いに対する、一つの答えがココにある様な気がします。