ジェシー・ハリスとのデュオアルバムが記憶に新しい畠山美由紀が、早くも次のアルバムをリリース。しかも、今度のコラボ相手はASA-CHANG率いる日本屈指のビッグバンド“ブルーハッツ”!
というコトで、実にゴージャスかつ繊細なスタンダード集が生まれました。
畠山美由紀 with ASA-CHANG&ブルーハッツ
『わたしのうた』
ジェシーとのアルバムも悪くなかったけど、やっぱビッグバンドサウンドは格別だわ~
ってコトで、今年の畠山美由紀作品に関しては、こっちに軍配(笑)
まず、1曲目の「Lover come back to me」が素晴らしい。
美空ひばりも愛したジャズスタンダードです。スタンダードの中でもハイテンポでノリのイイ曲。ブルーハッツの演奏がめちゃめちゃ勢いがあってグッと惹き込まれる。特にイントロから炸裂するASA-CHANGの雷鳴の様なバスドラが強烈に響く。
2曲目のフランク永井の「君恋し」はスカアレンジで、見事に時代を超越した曲になってる。美由紀嬢のヴォーカルも、低音が効いてて印象に残ります。
4曲目はビゼーのオペラの中の曲だったっけ?「小さな木の実」。学校で習った気もする(笑)。ソレが、見事なポップスになってるコトに驚嘆。コンマスの鈴木正人の手腕に脱帽です。
シナトラ親子の歌った「Somethin' stupid」や、美空ひばりの「津軽のふるさと」といった曲を挟んでアルバムは後半へ。
7曲目の「Never will I marry」は、ヴォーカルが圧巻です。サビの説得力が凄い。彼女が「絶対歌いたい!」と切望したというのもうなずける仕上がり。勿論、ブルーハッツの厚みのあるバックも素晴らしいです。
9曲目の「私の青空」はビング・クロスビー、ナット・キング・コール、フランク・シナトラといった大御所も歌った“超”スタンダード。だからこそ、この美由紀さんとブルーハッツのヴァージョンの出来の良さがよくわかる。古き良き時代の楽曲の暖かさを、見事に現代感覚溢れるアレンジで表現している。名演だと思います。
最後は、ジェシーとのアルバムでも唄った「浜辺の歌」。前作のミニマムな感じの対極にあるゴージャスなオケが、見事にアルバムの最後を締めくくります。とても荘厳な感じを抱きました。
何十年経っても、名曲は名手の名演によって蘇るんだというコトを改めて感じさせてくれるアルバムです。