また10日以上放置してしまいました・・・仕事で色々とあると、なかなか音楽に没頭できないモノですね(苦笑)
さて、そんな中で最近の就寝時BGMとして活躍している名盤がコチラ。
ゲントウキ
『誕生日』
2016/9/21リリース
ビクターエンタテインメント
VICL-64642
今は田中潤のソロプロジェクトとなったゲントウキ、約10年ぶりのアルバムリリースです。いや、驚いた本当に。トリオ時代の彼らの後期作品は何枚か拙ブログでもレヴューを書いていたが、2016年の今日にこうしてニューアルバムのレヴューを書いているコトに。失礼は承知だが、よくメジャーレーベルから出してくれたなと思う。ビクターさんありがとう(笑)
バンドの頃のゲントウキに対する私の印象は、フォークロアな要素の中に少し入り混じるシティポップな感じが絶妙に引っ掛かる、豊かなメロディと気持ち良いコードが印象的なバンドだった訳ですが、今回のアルバムは聴き込む程にその先入観が良い意味で覆される。
豊潤で心地良いメロディは更に磨きがかかり、曲調は多彩でありながらアルバム全体にはピシっと揺らがぬ軸があってしなやかに強い。古今東西のポピュラーミュージックの要素が色々と入り混じっていて懐かしさも感じる瞬間もあるのに、聴こえてくるのは唯一無二のゲントウキの、田中潤の音楽。2016年の現在の音。今を切り取るポップの真髄が感じられるのです。
このアルバムには、サックスの竹上良成さんやそのグループ、ギターの福澤達彦やネロくん、パーカッションの井出野敦といった数名のゲストが参加している曲がありますが、それ以外の部分は全て田中潤くんが担っています。打ち込みより生音が好きな私ですが、これだけ丁寧に見事なトラックを作られては脱帽するしかありません。
メロディ、アレンジ、ヴォーカル、コードワーク、佇まい・・・非の打ちどころが無いポップアルバムの名作だと太鼓判を押せる1枚。
各曲についてはゲントウキのホームページにセルフライナーノーツがありますし、敬愛する音楽サイトWebVANDAにウチタカヒデ氏の素晴らしいレヴューがありますので割愛しますが、個人的には「5万年サバイバー」~「カモメの気持ち」の流れが本当に気持ち良すぎて大好きなんです。
とはいえ、全曲エヴァーグリーンで素晴らしい楽曲が並んでいます。聴かずにいると損ですよ、ホントに。
良質なポップミュージックが好きで色々聴くんですよ~と仰る方であれば、このアルバムの素晴らしさは既にお気づきでしょうが、今までゲントウキの存在を知らなかった方でも聴いて頂ければその真価に気づいてくれると確信できます。これは、あらゆるポップファンに聴かれるべき作品。売れるべき作品。
マニアックで、知る人ぞ知る存在で、スノッブのカリスマみたいな存在になっちゃいけないんです。こんな音楽が売れて、みんなが知ってて、良いね~と言って日常に溶け込む。そうあるべきだと強く願うのです。