スティーヴィー・ワンダーの曲のカヴァーというのは、それなりに耳にするコトも多い。
でも、ハイティーンから20代前半のガールズポップス系シンガーがカヴァーしてるのは、珍しい気がする。
今年、そんなレアケースに2つ遭遇した。
一人は、メジャーデビューシングルのクォリティの高さに驚いた“宮川愛”
セカンドシングル「Think of U」のカップリングに、スティーヴィーの「OVERJOYED」が収められている。
タイトルナンバーは、少しブラック系要素もある、力強いコンテンポラリーポップス。シロウト目に見ても、すごく歌うのにスキルが必要な気がする曲。コレを歌いこなす彼女のポテンシャルに驚くと同時に、もう少しベタなポップスも聴きたいなぁと(笑)
2曲目の「明日が来るまで」の方が、歌モノとしては良く出来てると思います。彼女の武器でもある伸びやかなボトムノートを生かした、優しいメロディのミドルチューンです。
そして、3曲目がスティーヴィーのカヴァー。しかも「OVERJOYED」。コレを歌うガールズポップシンガーがいるってコトも凄いけど、驚くほど違和感無く仕上がっていたコトに、もっと驚く(笑)
愛ちゃんのシルキーヴォイスが実にイイ味を醸し出してます。サビの力強い歌いっぷりにホレ直しました。
そして、もう一人。
ティーンエイジでありながら、デビュー作でありながら「サー・デューク」をカヴァーした驚異の新人(笑)
彼女の名は、福原美穂
活動拠点は札幌らしい。
北海道では良く知られた存在であるらしい。
でも、先入観とか事前情報とか全く無しで聴いてみて欲しいと思う。
ビックリするから。
オビのキャプションが実に的を得ている。
『この声は、無視できない』
好き嫌いを超越して、気になる存在になるはず。
デビューシングルは「The Roots」と名づけられたカヴァー3曲を収めた作品。彼女の今まで聴いてきたモノが垣間見える。
件の「サー・デューク」と、スティングの「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」、そしてキャロル・キングの「ナチュラル・ウーマン」・・・・18,9の女の子がデビューでチョイスする曲じゃないよね(笑)
でも、その3曲ともが素晴らしい出来です。とても18歳の声とは思えないグルーヴとスキル。ファンキーだけど、ポップ感もちゃんとあって、力強くて深い声。
特に、「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」のカヴァーはメチャクチャ良く仕上がってます。ラテンフレーバー強めのアレンジと美穂ちゃんのヴォーカルが織り成す哀愁とグルーヴ。私の中では、オリジナルに匹敵すると言っても過言では無いです。
好きなアーティストに、アレサ・フランクリンやダニー・ハサウェイ、ウィルソン・ピケット、ルーサー・ヴァンドロス、テンプテーションズ、といったあたりを挙げる趣味の良さにも期待。
個人的には、スティーヴィーの「イズント・シー・ラヴリー」や「レイトリー」あたりを歌って欲しい(ただの願望)なぁ・・・