新年のあいさつから早1ヶ月・・・・・相変わらず遅筆で申し訳ありません。
ただ、今回は少し思うトコロありまして、ここまで待ったと言った方が正しい(笑)
1月13日の“HEY!HEY!HEY!”スペシャルで、この曲を見てからというもの「コレを今年のレヴュー1発目にしたい」と思っていたからです。
嵐
「Bittersweet」
2014/2/12リリース
ジェイストーム
JACA-5401
観客の歓声でディテールが聴き取れなかった(苦笑)けど、この曲は素晴らしく良く出来てると直感した。そして、いままでの嵐と違っている部分があると感じた。
CDを買って、何度も繰り返し聴いて出てきた表現は「勿体ぶら無さ」「無駄の無さ」だった。
イントロからコーラスが出るまでわずか7秒あまり。Aメロ~Bメロに展開するソロ回しとハモりの的確な割り振り。嵐の代名詞とも言える5人ユニゾンを大サビまで封印しながら、三声・四声のコーラスが十分に存在感を放つ。
相葉ちゃんのクセ声のフックの強さや、翔くんの無垢な声の魅力、ニノの柔らかくも力強い土台、潤くんのボトムコーラスの深み、大野くんだけではない各人の魅力が見事に生かされた無駄のないヴォーカルディレクションにまず脱帽。
そして、いい意味でのタメの無さが新鮮(笑)
普通、ココはもう少し粘るだろ・・とか、この展開ならもう少し間奏引っ張る構成だろ・・・みたいな部分が全く無い。全てが怒涛の様にたたみかける。何処も彼処もフックの洪水。
象徴的なのは、Cメロラストの潤くんソロ“誰よりも 君を”からラスサビへの流れ。普通ならあんな“お尻けっ飛ばす”みたいな繋ぎは考え難い。でも、そこがハマるんだよな~(笑)
編曲の石塚知生氏は、ここのところの嵐の楽曲ではハズレ知らずの好調っぷり。今回も素晴らしいアレンジでした。エレクトロなリズムトラックにスウィートでグルーヴィ―なストリングスを乗せ、全体を支配する中に要所で響かせるスラップベースの引っ掛かりが身体を揺らす。この曲構成ならヴォーカルエフェクトも気にならず、むしろ効果的。メロディ自体はキャッチーでベタ気味なのに仕上がりはカッコいい。これが、嵐流のmellow grooveなんだと太鼓判が捺せる作品です。
日本グルーヴチューン振興会幹事長(笑):三浦マリーナさんが喝破した様に、SMAPの「Mermaid」や「Mistake」の近種であるとも言えるし、Fantastic Plastic Machineのアルバム『Beautiful』の残像もチラつく。しかし、この曲は嵐にしか出来ない曲。この9割方スタイリッシュに構築されたグルーヴチューンに潜む1割の無邪気な茶目っ気と遊び心。これが欲しかった。
それは、去年の彼らのシングルに感じられなかった部分なので、素直に嬉しいと思うのです。
そして、当会の末席である娘が言った“2002年以降の、その年第一弾シングルはハズレ無し”は今回も生きていたというコトなんだなと(笑)