日本グルーヴチューン振興会

レヴュー:つるうちはな 『メロディー』

Melody これからの日本のガールズポップスを語る上で、絶対外せない存在になるであろう逸材、“はなちん”こと“つるうちはな”嬢の全国デビュー盤がリリースされた。

彼女との出会いは、仲良くさせてもらっている<ガールズ・ドット・ミュージック>管理人のChikaさんが絶賛していた“家出ノススメ”のCDRに興味を持った私が、ライヴ会場で売っていたソレを送って貰ったコトに始まる。

一聴して虜になった。こら凄いポテンシャルの持ち主だと思った。
詩を気にしない私が思わず唸る言葉のチョイス。弾けてドライヴする饒舌に歌うピアノスキルを超越するインパクトを持ったヴォーカル。そして何よりも見事なのはメロディのセンス。こればかりは天性のモノだと感じ、そして打ちのめされる。
こんな宝物、滅多にお目にかかれねぇぞ!!
そんな風に感じて早10ヶ月。

とうとう届いたミニアルバムのタイトルは『メロディー』
思わず私、膝を叩いていたね(笑)
『家出ノススメ』はピアノとドラムだけのアレンジだったけど、今回はバンドサウンドでの作品。
メロディの素晴らしさに変わりは無いけど、アプローチの仕方で印象が変わるんだなぁ・・・と、改めて感じたり。
『家出~』と3曲かぶってるんだけど、コレが見事に別モノ(いい意味でね)で。私はiTunesで続けて聴いてみたりしてます(謎)(笑)

プロデュース&アレンジはユウテラス爽遊。オビの推薦文はガガガSPコザック前田。いい人選です(^^)v

アルバムの幕開けはタイトルナンバー「メロディー」。彼女の真骨頂、歌うピアノとキャッチーなメロが堪能できる名曲。間奏のピアノからブリッジ辺りで、どっか連れて行かれそうになる(謎)

2曲目は『家出~』にも入っていた「普通の女の子」。家出ヴァージョンより勢いを増したヴォーカルの疾走感がガツンと来ます。間奏のギターも好きだぁ~(笑)

3曲目「魔法の指先」はシンセのドライヴ感とキュートなヴォーカルが矢野顕子を彷彿とさせるポップチューン。

4曲目の「初恋です」で、私の興奮はピークを迎えた。背筋がゾクッとする鳥肌モノのバラッド。バラッド嫌いの私が絶賛せざるを得ない極上のサビメロと切ないヴォーカルに完全にノックアウトされた・・・

5曲目「きみのバカ」と6曲目の「乙女賛歌」は『家出~』収録曲。どちらも4リズムのバックがあるコトで曲の力強さが増幅されている。特に「乙女賛歌」はコーラスとギターが実にイイ方向に作用している。

ラストは「サタニティマーチ」。スロウテンポから入ってサビでアッパーになる勢いのある一曲。でも、全体を包む暖かさに顔が綻ぶ。

ワガママを承知で、一つだけ注文をつけるとしたら・・・歌うピアノが堪能できるシンプルなナンバーが差し込まれてたら嬉しかったなぁ、と思います。

それでも、名盤であるコトに疑いなし。
買って損は無いと断言します。

“つるうちはな”という宝物を、ずっとずっと大事に守っていきたい。そして、もっともっと彼女の作る曲を聴きたい。そんな気持ちを改めて感じたのです。


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