11月20日のエントリーで書いた、つるうちはなちゃんのフルアルバムが発売されました。
前日に入手して、iPodに放り込んでからというもの、ずっと聴いています。
なんとか書けそうだなと思ったので、簡単にレヴューなど(笑)
つるうちはな
『つるうちはな』
2012/1/11リリース
HANNAH RECORDS
バウンディ―
DQC-834
なんともまぁシンプルで押し出しの強いジャケットだろうか(笑)
帯にあるキャッチ「これ、遺作でもいい。」がハッタリではないと感じるまで、それほど時間はかからなかった。
つるうちはな、という世間的に無名のポップシンガーが今の全てをぶつけた渾身の一作がココにある。
個人的には、ピアノ弾き語りの印象が強い彼女だが、実際のところ体内に滾るポップネスがハンパなく、プロデュースの橋口靖正(hello!)がそのポテンシャルをめいっぱい引き出している。
ガールズポップとして、メジャー・インディーを問わず、これほど琴線に触れる一枚は滅多にお目にかかれない。
短いインスト「アンコール」が終わり、実質的なオープニングチューン「パープルサンデー」が聴こえた瞬間に胸が詰まる様な感覚に襲われる。
2007年に、ライヴ会場で売ってたデモ音源がこんな風に仕上げられて・・・・・みたいな感慨。
シンプル極まりない構成に、ポップの権化の様なメロディ、ダークでルーズ且つキラキラしたディスコビート、素晴らしいです。
ここから間髪入れず繋がる「I AM ア 人間」のアルバムヴァージョンがまたグッとくる。
デモVer.はYouTubeでも公開されてたので、散々聴いてたつもりなんだけど、このヴァージョンの進化の度合いに驚く。
ベースになるビートの強さが堪らない。メロディのフックがより強く感じられる仕上がり。
4曲目の「星ガール」からの4曲は先行公開されていなかった楽曲なんだけど、コレが個人的にツボ入りまくり。
「星ガール」には、最初に彼女に惹かれた“ポップでパンクなピアノガール”の匂いがある。
美味しいフレーズ連発のピアノと、ドライヴするギターサウンド(エンディングのアレンジが最高!)が融合した、とても彼女らしいポップチューン。
そして、個人的なレコメンドは「マーブルミックス」から「彗星ラブソング」の流れ。
「マーブルミックス」の、イントロから炸裂するウルトラポップなエレクトロサウンドとアコギのカッティング。Bメロからサビに至るキャッチーでフックの強い旋律と、キュートなのに強いヴォーカル。キラキラなのにスッキリしたアレンジも最高なんです。2分半がアッという間。
「彗星ラブソング」は、メジャーレーベルのアーティストがシングルとして出しても違和感のない、王道のガールズポップ。この曲もBからサビのメロディがホントに良く出来てて気持ちイイ。メロディメイカー・つるうちはな、のポテンシャルを示す一作。
そして、このアルバム全般に言えるコトだけど、ヴォーカルが今まで以上に多彩で驚く。一曲の中ででも、印象が違う部分が何度もあって。
「ちいさなひかり」のアルバムヴァージョンから「STEP」「YOU」という後半は、先行公開されていた時に感じていた、つるうちはなの新しい流れ。
優しくて、前を向く人の背中を押す様な愛を感じる。シンプルで美しい曲調と美メロが堪能できるゾーン。おそらく、最も一般的な訴求力があるのはこの3曲だなと思います。
こうして聴いてみて思うのは、やはり何時もの感情。
つるうちはな、というポップシンガーが音楽をやっている限り、この国のポップスの未来は明るい。
その思いだけは、ずっと変わらない。
こんなタカラモノ滅多にお目にかかれねぇから!
とりあえず聴いとけ(笑)
きっと感じてくれる人が必ず存在するはずだと思うから。
</object>
YouTube: I AM ア 人間(demo ver.)/つるうちはな
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YouTube: パープルサンデー/つるうちはな
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YouTube: YOU/つるうちはな
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YouTube: ちいさなひかり(demo ver.)/つるうちはな (写真/中村美鶴)
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YouTube: STEP/つるうちはな