またまたご無沙汰しております。
嵐のアルバムレヴューやモダーン今夜のライヴレポなどで、すっかり抜け殻の様になっておりまして(苦笑)
そんな身体と心に沁みる、実に心地良い音楽を一つご紹介。といっても、早耳の方々には既に話題ではあるんですが・・・
『ブルー・ペパーズEP』
2015/10/7リリース
ヴィヴィド・サウンド・コーポレーション
VSCD-3144
とりあえず、聴いてみてください。
ここ数年、シティポップブームだと言われていたりします。ウワノソラや北園みなみ、シンリズムといった若い才能が古の名作のエッセンスを今の時代に向けて送り出しています。
そして、また新しい才能が出現しました。またも20代前半で、こんな楽曲を作る人達が出てきたんですよ。齢五十に届こうかという私には驚きしかありません。
現役大学生が、AORやフュージョンといったサウンドをここまで吸収して、しかもめちゃくちゃクオリティ高い楽曲としてアウトプットしていることが信じられない。
今の時代に、こんな若者がいるという事がもう嬉しくて堪らない。
収められた楽曲が実に芳醇でセンスが良く、ポップネスとディテールへの拘りのバランスが素晴らしく、聴き飽きる事が無い。
彼らに込められた期待の大きさは、冨田恵一・KIRINJIの堀込高樹・流線形のクニモンド瀧口・森俊之・Lampの染谷大陽といった、寄せられた推薦コメントの面子からも見てとれる。
井上君がインタヴューで語っていた“CDを買うにあたり好きな演奏者が参加している作品を探すという買い方をすることが多く”という部分に、「あぁ、イイ音楽の聴き方してるなぁ」と共感したり、二人とも高校生の頃から冨田ラボが好きだったとか、もう私のツボを押しまくる(笑)
とりあえず感じるのは、良い音楽を聴いてきたんだろうなと感じられる音であることが素晴らしいです。育ちの良さが滲み出てる。そういや井上くん、“頭の良さそうな音楽の方がずっと聴いていられる”とも言っていたな。激しく同意するポイントです。
井上君も福田君も声がイイんだよね。甘さと引っ掛かりが両方あって。ギターソロの音色や鍵盤のフレーズも大好きだし、参加しているドラムやベースやホーンも若き才能が溢れてて。「6月の夢」のヴォーカル佐々木詩織さんは、山下達郎のバックコーラスを長年務めた佐々木久美さんの娘さんだそうですが、キュンとするフレッシュな声がグッときます。
こういう音楽がもっと広く認知されるとイイなぁと思います。質が高く、粋でポップで耐用年数の長い楽曲が街に溢れてると良いなと思うのです。
彼らが、もっともっと大きな存在になって、そしてJ-POP業界が活性化していけば嬉しい。
早くも次のリリースを楽しみにしている私がいます。彼らなら、期待に応えてくれると確信できる作品でした。是非、聴いてみて欲しいと願うのみです。